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フォニックス 光と闇  作者: ことこん
第十一章 闇屋敷侵入作戦
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第四部 光の力

 私たちが姉さんたちの所へ向かうと、既にみんなボロボロだった。ロッセオは前に出た。

「アインさんはお姉さんたちを。あいつは私だけで相手をします」

さっきから言っていることはに嘘を感じることはない。でも、なんだか不安が拭い切れなかった。私は真っ先に姉さんのところへ向かった。姉さんは壁に背をあずけて座っており、かなりのダメージであることが伺えた。

「姉さん!大丈夫?」

「大丈夫やで。ただ、ちょっとくらくらしとってな」

私は姉さんの周りを注意深く見てみた。すると、影撃ちのようなものがまとわりついていた。でも、薙刀で切ることができた。姉さんは立ち上がったが、体力の消耗が激しいようだ。私は心配で仕方なかったが、姉さんは透明になった。私はライトさんの所に行く前にチラリとロッセオを見た。今の所普通に戦ってくれているようだ。そんな調子で3人も助けると、そこには意外な光景が広がっていた。ロッセオは既に傷だらけだというのに、健気に私を守ろうとしてくれている。この態度の変わりようは一体何なのだろうか。ロッセオは攻撃の合間に相手について話してくれた。

「彼女にはたくさん名前があります。生まれた時につけられた名がテミス、失踪し、帰って来てから名乗り始めた名がアルル、そしてここに来てからはレナ。なぜ失踪したのか、失踪していた間何があって名が変わったのか、今レクフォンに協力的な理由全てが謎に包まれています。彼女は必要以上のことを話しませんから。ただ、一つ言えるのは失踪する前とした後で性格やバトルスタイルなど全てガラリと変わってしまったことです。近接戦では自在に動くマフラー、遠距離戦ではカウンターに注意して下さい」

レナは私を見据えると一気に距離を詰めて来た。そして、薙刀をへし折り強力なマフラー攻撃を当ててきた。私は広間の端から端まで飛ばされ、いっそ気絶した方が良かったと思えてしまう程の痛みに襲われた。ロッセオは即座に瞬間移動でこちらに来た。

「申し訳ございません。私の不注意のせいです。これはせめてものお詫びです」

ロッセオが私に手をかざすと、痛みが消えた所か今までのダメージが全部なくなってしまった。ロッセオは申し訳なさそうな顔をしているが、むしろありがたいくらいだ。レナはライトさんとマフラーでやり合っていた。私は折れた薙刀を拾い、折れた部分を氷で補強した。これで今日ぐらいは使えるだろう。思えば、これにも随分と無茶をさせてしまった。これは私の悪い癖が露骨に出てしまったようだ。気をつけなければ。レナのマフラー、あれは一体何なのだろう。まるで体の一部のようだ。姉さんの攻撃もカウンターで弾かれてしまっている。ツーハちゃんが、(おもむろ)に光のしめ縄を取り出し、手を合わせて何かを祈り始めた。すると、ただの(わら)だったはずのしめ縄が光り始め、徐々に明るさが増していく。これにはロッセオも驚いていた。光で何も見えなくなった時、強い妖気を感じた。光が収まると、その妖気を出しているのは姿形を変えたツーハちゃんだった。頭には謎の輪をつけ、手には光り輝く杖、そして服装は和服となっていた。それに、10歳くらい成長したような雰囲気だ。浮いているから余計に神様っぽく見えた。

「平和を乱す者よ。この正義の光、ツーハがお相手致しましょう」

ツーハちゃんが杖を一振りするだけで、光の(つぶて)がレナに向かって飛んでいった。もちろん一つだけではなく、一度に10個程。それに、何度も何度も降っていくものだから、まるで流星群のようになっていた。かつて『シャイニング流星群』という技を使う光狐がいたが、これこそが美しい流星群だろう。光の礫は弧を描いて落ちていくので、花火のようにも見え、最早戦いを忘れて見入ってしまうくらい美しかった。受けているレナは地獄だろうが。レナも凄いもので、こんな量の光の礫が降って来てもやられていない。今度は杖を掲げてみせる。すると、光の礫がぐんぐん大きくなっていき、やがて天井を埋め尽くしてしまった。私はあまりの眩しさに目を閉じてしまい、見えはしなかったが、それが地面に落ちた時の衝撃が凄まじかったことは分かる。なぜなら、私が再び目を開けた時闇屋敷は床だけになっていたからである。それと同時に、ソウマさんとフウワさん、エントが倒れているのが見え、慌てて駆け寄ろうとしたが、既にロッセオが行っており、私は大丈夫だろうという判断の元レナがいた所を見た。すると、マフラーがなくなり、怒りの表情を見せていた。そして、ツーハちゃんを倒そうと意気込んで木々を飛び回り、ツーハちゃんの所まで跳ぼうとした。ツーハちゃんは次の技を溜めていたので、身動きが取れないようだった。しかし、そこにシン君が割り込みレナを叩き落とした。しかし、レナも不屈の精神で何度も飛び上がって来る。シン君もレナの技を受け、ボロボロになっていく。シン君、なんだかんだ言うけれどやっぱりツーハちゃんのことを大事に思っているようだ。

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