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フォニックス 光と闇  作者: ことこん
第十一章 闇屋敷侵入作戦
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プロローグ 侵入開始

 二月。寒空の下、俺たちは闇屋敷へ乗り込もうとしていた。勝ち目はないかもしれない。だが、この戦争の被害が徐々に拡大している中、あまりゆっくりとしてもいられない。俺たちは不安を振り切り、闇屋敷の門の前に立った。当然門番たちは訝しむ。

「何者だ。部外者は排除しろとご命令を受けている。容赦はせんぞ」

シンは俺たちの一番前に立ち、帽子を取って見せた。門番たちはどよめいた。

「紫目…だと…。まだ生きていたか。わざわざ殺されにきたのか?」

「何を言う。俺は(はと)じゃないんだ。目的もないのに戻って来たりしねえよ。この戦いを、終わらせに来た」

シンってこんな感じだったか?それはともかく、門番たちは完全に俺たちを敵と見なしたようで、早速攻撃を仕掛けて来た。威力はあるが、避ければなんともない。しかし、数が多く、避けるのは難しい。だが、それぞれ尖った強さを持つフォニックス。こんなこといくらでもあった。キリュウの時、何もできなかったのが悔しくて、こういう技が来た時の対処法を考えた。

「エレキダッシュ!」

技をスピードで避けまくり、門番たちに一気に近づいた。門番たちは近距離攻撃に切り替えようとする。俺たちの狙いはそこだ。技が来なくなって、行きやすくなったフウワとエントが門番たちに不意打ちをくらわせた。

「「先に行け!」」

門番たちは2人だった。俺たちは先を急いだ。侵入に気づかれたようで、廊下にガタイのいい男が待ち伏せしていた。廊下は避け辛い。案の定、男は廊下に沿って突進して来た。これだと避けようがない!しかし、何かに無理矢理押されて俺たちは壁を突き破り隣の部屋へ転がり込んだ。視界の先にはつる。つまり、俺たちを助けたのはソウマだ。

「俺の突進をマトモに受けて倒れなかったのは、お前が初めてだ。見た目と違って根性あるな!俺と勝負しやがれ!」

「もちろん、そのつもりだよ。みんな!先に行って!」

俺たちは逆側の廊下から行った。こっちには相手がいない。しかし、中心部に近づくと、やはりいた。当然の話だけど。アインが相手を見るなり前に出た。相手は一見普通の女だが、何か訳があるのだろうか?

「みんなは先行ってて。私はこいつを倒してからいく」

アインはそれだけ言うと薙刀を持って突っ込んでいった。まあ、ありがたいのでよしとしよう。そして、残りの4人で進んでいくと、大広間の真ん中にぽつんとおびただしい程の妖気を纏った少女が立っていた。その少女のピンクの目には生気がなく、操られているようにも見えた。口元は赤くて後ろの長さが地面につくかつかないかくらいのマフラーで隠れていて見えなかったが、元々無口な性格であることはなんとなくわかった。その少女は有無を言わさず襲って来た。走るとマフラーが空中を舞う。俺は近接攻撃に備えたが、なんと走りながら遠距離攻撃を仕掛けて来た。俺は慌てて避け続ける。ツーハは天井ギリギリまで飛んで、一定の距離を保っている。さすがにツーハの所までは届いていないが、動く的は当て辛いだろう。スインも負けじとどこからか射撃で応戦していた。シンはツーハと同じようにしていたかに見えたが、突然消えて少女の足をがっしりと掴んだ。しかし、マフラーが黒いオーラを纏ってシンの手を弾いた。シンは引っ込んで上空に戻った。手が痛そうにしていた。マフラーも武器になっているようだ。俺は少し驚きつつも技を避けた。飛び交う遠距離攻撃に何度も巻き込まれそうになりながらも、俺は少女との距離を詰めて行った。少女は俺に気づいたようで、スインもの技をかわしながら俺に集中攻撃を浴びせて来た。俺は広間をめいいっぱい使って避け続けたが、掠り続けて服が少し破れてしまった。だが、今はそんなことを気にしている場合じゃない。俺は思い切って雷を落とした。俺に向かって。強い衝撃が俺の体の中を走る。しかし、身体中を電気が駆け巡り、俺はさらにスピードが速くなった。ダメージと引き換えにスピードを上げられる、最近開発した技だ。名前は決めてないけど。ちなみに、この技はエントとツーハがしていた対戦ゲーム内のキャラクターの技から着想を得たものだ。インスピレーションって大事だな。一気にスピードアップした俺は少女に近づき、なんだが心苦しいが蹴りを入れた。少女は軽く感じた。しかし、この時点でスピードアップは終了した。電気が逃げて行ってしまう。持続性も考えた方がいいかもな。少女は怯むことなく立ち上がった。ツーハとシンは一気に近づき攻撃した。少女に当たった筈だが、少女は全く苦痛の表情を見せず、また走り始めた。しかも、さっきとスピードが全く変わっていない。余程体力があるのか、ただ単に操られているから疲れを見せないのかはわからないが。不意に消えたと思ったら、俺の目の前に来ていてお返しとでも言うように蹴りをかまして来た。想像より遥かに重い蹴りで、俺は飛ばされてしまい、頭を思い切り打った。

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