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フォニックス 光と闇  作者: ことこん
第四章 フォニックスはさらに強く
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第三部 2人の攻防

 1ヶ月。今日が最終日らしい。私は薙刀を取り出した。エントは、素手の方がよかったみたいだけど。私はどうしても力が足りなかったけれど、これなら上手く扱える。とはいえ、ここまで来るのも結構大変だったけれど。薙刀なんて知らなかったし、現物相当重いし。今日は何をするんだろう?

「今日は、2人で戦ってもらう。安心しろ、俺が事前にバリアを張っておくから、どちらかが負傷するわけではない。思う存分、妖力や武器を使って戦うといい」

エントと、勝負。普通に考えたらエントの方が強いだろうから、私は工夫しないといけない。私はエントの攻撃を受け止めた。やっぱり、真っ直ぐに攻撃をしてくる。わかりやすいけれど、薙刀を持っているから動きは鈍くなるし、威力が減ることがないので強い技になる。足払いをしてから攻撃するのが1番理想的だけど、そんなに上手く行くとは限らない。エントは攻撃を立て続けにしてくる。私は薙刀を振り下ろした。でも、やっぱり当たらなかった。どうしても動きがゆっくり単純になってしまうから、簡単に避けられるんだろうけど。私が薙刀を持ち直そうとすると、チャンスとばかりにエントが攻撃してきた。どうしよう。薙刀を捨てたら攻撃手段がないし、かと言ってこれをくらったら負けになってしまう。だったら、こうだ!私は薙刀の刃を地面に滑らせてエントの下まで回し、刃のない方を上に上げた。エントは当たりはしなくても一旦退いた。私は地面を凍らせた。エントは当然溶かしながら近づいてくる。でも、私が狙ったのはそこじゃない。私は薙刀を真上に持ち上げた。攻撃してくると思ったのか、エントは横に避ける構えをしていた。私は重たいけれど一生懸命横一文字に薙刀を振り回した。エントはジャンプして空中に逃げた。こうすれば、横移動は出来なくなる。私はめいいっぱい薙刀を上に持ち上げ、下に下ろした。エントはバリアで怪我はしなかったものの、絶対に当たった。

「そこまでだ。エント、もう一度するから頑張れ。では!」


 くっそお。してやられた。今度は引っかからないようにしないと。開始早々、アインの薙刀が飛んでくる。俺は避けるしかないのだが、もしかしたらアインからこれを奪えば勝機が見えてくるんじゃ?俺は薙刀の先の方を掴んだ。しかし、薙刀の勢いは衰えず、危うく当たりそうになった。流石に掴んでこちらが動かすのは無理か。考えている間にも、薙刀は俺の足元に迫ってくる。俺は慌てて跳んだ。しまった。これではまた同じ手に引っかかってしまう。いや、待てよ。このタイミングで足を伸ばせば…!よし、上手く行った!俺は上手く薙刀の先端を足で押さえつけた。そうすれば、あとは遠距離で攻撃するだけだ!俺の攻撃はアインに直撃した。バリアはあるからダメージは受けなかったけれど。

「見事だ。この1ヶ月で、随分と力をつけたな。この経験を活かし、絶対にあやつに勝つのだぞ。これは、某の弟子の証だと思っておけ。戦いたくない相手に見せれば、戦意喪失してくれるかもな。では、仲間が待っているだろう」

もらったものは、しっかりと重みのあるキーホルダーだった。これは師匠のマークだろうか。アインは早速バラして師匠のマークがある部分を妖石のネックレスに通していた。俺はとりあえずカバンにつけておいた。通路を進み、玄関に着くと、兄者とスインが待っていた。

「姉さん!どうだった?お互い修行内容を口止めされてたから心配だったよ。あ、これ薙刀。師匠にもらったんだ。持ってみる?」

「アイン。逞しなったなあ。そんな重そうなもん軽々と持つようになったんやもん。持つのはやめとくわ。撃ちすぎてちょっと手が痛いし」

「エント!他のみんなは見なかったか?」

「全然だ。まだ終わってないみたいだな。ちゃんと強くなったんだろうな?ぼんやりしてると俺が追い抜かしちまうぜ?」

「いーや、俺も頑張ったからな。次の勝負でびっくりしても知らねえからな?」

「やあ、みんな」

俺たちの間に入ってきたのは、カリとハスだった。

「なんでここに?」

「だって、退屈だったし。それに、修行して強くなったのか気になったんだ。あと、フウワさんがいたら完璧だったんだけどなー。でも、確かに強くなってる。前会った時とは妖気が違うもん。私はみんな揃うまで待つよ。ハスはどうするの?」

「俺もここに残る!だって今テレビニュースばっかりだもん!」

「ニュースを見るのも大事だぞ?」

「でも、何回も同じニュースやるんだもん」

「まあ、そうかもな。ここはここでやることないけどいいのか?」

「大丈夫!家からカードゲーム持ってきたから!みんなでやろう!」

ハスは言い終わらないうちにカバンからカードゲームを取り出していったが、カードが出てしまっているものもあった。みんなは一緒に拾っていたが、俺はカリが飛び回りながらフウワをずっと待っているのが気になってしまった。

「おーい!手伝え!」

俺はカードを一枚拾い上げた。

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