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フォニックス 光と闇  作者: ことこん
第一章 闇に近づく光
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プロローグ ハンマー少女ウンモ

 もう4月、か。フォニックスに入ってから、随分と忙しくなって、時があっという間に過ぎた。

「シンー。新しい情報入ったみたいだ」

ライトの呼びかけに応じて新聞を見てみれば、『闇狐、やはり光狐と協力関係』という見出しが目に入って驚いた。闇狐と光狐は永年ライバル関係。各々で戦争を起こすものと思い込んでいたが、そんなプライドを捨ててまで何かをしたいのか?それとも、奴らをつなげている黒幕がいるとするならば、余計に厄介だ。

「どうした?シン。俺たちにも相談してくれよ?全然答えるからさ」

「ライト、強いて言うなら、内通者が欲しい。なるべく重役の」

「それなら、心当たりがあるぞ。聞いてみよう」


 「本当にここで合っているのか?こんな所に光を好む光狐がいるとは思えないんだが」

俺が案内されたのは、光屋敷から少し離れたくらい森の中。一応フォニックスのメンバーは全員ついてきた。学校があるツ…馬鹿嬢を除いて。もしかして森の開けた所にいるのかと思ったが、ライトが足を止めたのは森の中にある洋館だった。ライトは迷うことなくドアを開け、暗い通路を歩き出した。俺たちもそれに続くと、ろうそくの火だけで書類を読んでいる光狐がいた。一体全体、わざわざ暗いところで仕事をする光狐がいるなんて、正気の沙汰とは思えない。

「義父さん。久しぶりです」

「ライトとエントだな。今日はいきなり会いたいだなんてどうしたんだ?実の父でもないというのに」

「いや、今日は光狐と闇狐の関係について聞きたかったんだ。シンが協力するのは本当なのか確かめたかったらしくて」

「なるほど。確かに、闇狐と私たちはライバル関係にあった。しかし、今回は奴らも本気らしくてな。光狐の側から闇狐に協力関係を結ぼうと声をかけたらしい。しかし、闇狐は受け付けなかった。当然のことだろう。だが、ある1人の人物がその場をまとめて、協力関係を結んだそうだ。俺も詳しいことはわからんがな。なんにしろ、奴らの勢いが強まったことには変わりない。…なんだか、妖気を感じるような気が…」

超音波で辺りを探ると、廊下を誰かが走ってきている。俺は廊下の方を向き、その人物が姿を現すのを待った。すると、姿を現したそいつは、俺たちを見るなり手に持っていた巨大なハンマーを振り回してきた。見た目は女子だが、一体どうやってあんな重そうなやつを持っているんだ?疑問は置いておくとして、俺たちはハンマーをかわし続けた。そのうちハンマーの重みに耐えられなくなるだろうと思っていたが、いくら振り回しても速度が落ちることはなく、洋館の床だけがボロボロになっていく。ライトがハンマーを攻撃し、少し傷を作ると、相手はボソボソと何かを言い始めた。

「…ち、なの。…け、ないで」

はっきりと聞こえず、結局そのまま戦いを続けると、アインが出した氷がまたハンマーに傷をつけた。

「友達、なの。傷つけ、ないで」

今度は感情の高ぶりからかはっきりと聞こえた。ハンマーが友達って…。相手はハンマーの傷を悲しそうに見たかと思うと、俺たちを恨むような顔で睨み、ハンマーを優しく床に置いてテーブルを持ち、投げつけてきた。俺は影から出る手でなんとか受け止めようとしたが、ソウマがテーブルを受け止めた。ソウマはテーブルごと後ろに飛ばされたが、すぐに帰ってきた。どれだけ丈夫なんだか。しかし、相手の勢いは止まらず、今度は椅子を2つ両手で持って同時に投げつけてきた。その他、部屋にあるものを掴んでは投げ、俺たちは防ぐだけで手一杯な状況となっていた。ついに軽いものしかない状態になったが、相手は隣の部屋から辞書やら専門書やらとにかく分厚い本を大量に乗ってきた。そして、雪玉でも投げるかのような格好でそれらを投げ始めた。こんな洋館にこれだけのものがあることも十分驚きだが、それ以上に相手の異常なほどの腕力の方がかなり衝撃だった。俺はそっと瞬間移動で相手の背後に回り、勝機を作ろうとしたが、どこからか光の槍が飛んできた。俺が超音波で確認すると、どうやらもう1人いるらしい。外の木の上から窓を割って攻撃を仕掛けてきたようだ。

「やれやれ。ウンモちゃんは、強いけど感情的だ。なるほど、これは俺のサポートが必要だわ。さっきなんて、後ろを簡単に取られそうになってたから。ウンモちゃん、一回落ち着いてハンマーで戦おう。君はハンマーじゃないと本来の実力を発揮できないだろう?そして、俺もちょっと本気出してもいいよね?なんてったってお相手は7人もいる訳だから。よし、ウンモちゃんは巻き込まれないようにしてね!」

男の相手が空中に手を振り上げると、ウンモは慌ててソファの影に隠れた。

「フラッシュ!」

視界が、一気に真っ白になった。目は少しの間使い物にならないだろう。とはいえ、俺には超音波がある。おそらく相手はフラッシュで動きを止めてその隙に攻撃しようという作戦なのだろうが、なんとか阻止できそうだ。

新編です。

ここから伏線回収も始めて、さらにフォニックスたちを成長させていきたいです!

ちなみに、伏線はキャラの名前や第五部に隠れていたりします。

どうぞ、本作をお楽しみ下さい。

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