3/3
ハプニング
アオイは混乱でフリーズしてしまい、冒険者達の
注目からも外れた。
その時だ。
「ちょっとー! そこ邪魔!」
一人の女の子が果物を持って駆け抜けていく。
その衝撃で後ろにあった噴水に突っ込む。
「ごめん! あとでお詫びするからぁ!」
颯爽と走り去る女の子に、アオイはびしょびしょ
なのも気に留めず後を追った。
「ねぇ! 待って!」
「何!? 後でお詫びするってば!」
水を撒き散らし、道行く冒険者達に睨まれながら
声を張る。
「違う! 誰か追いかけているんじゃないの?」
「そうだけどなに? 邪魔しに来たの?!」
「手伝うよ!」
アオイはお人好しなのだ。