プロローグ ~女子高生半裸ゾンビ~
「ふふ……」
薄暗い部屋の中、等身大の鏡の前で一人の≪女子高生≫が立っている。
その≪女子高生≫は自分の姿を眺めていた。
顔にはばっちりとメイクがほどこされている。
そんな自分を見る≪女子高生≫のまなざしは陶然としていた。
しんと静かな夜。薄い雲の向こう側から照っている月の明かりが≪女子高生≫の部屋の窓に差し込んでいる。
「あぁー……」
≪女子高生≫は恍惚とした表情をしていた。
「やっばい……マジで最高ぉ」
すると≪女子高生≫は白いシャツのボタンに手をかける。そして、ゆっくりとボタンを外していった。
「はぁ……はぁ……はぁはぁ」
≪女子高生≫の息遣いは荒くなっていた。
そして前面についていたボタンがすべて外されると、白いシャツのすき間からは、ふっくらとした胸の谷間と水色のブラジャーがあらわになる。
「はぁ……ああーぁ……やばいよぉ」
そして≪女子高生≫はくねくねと腰を動かし、スカートも脱ぎ始める。数秒も経たないうちにスカートはバサっと床に落ちた。
≪女子高生≫は、はだけた白いシャツに水色のパンツ。そんな状態の自分の姿を見て、うっとりと表情をふやかしていた。
「あぁ、やばいぃ。もうこれも脱いじゃえ!」
白いシャツも床に落ちた。
そして≪女子高生≫は背筋の伸びた身体を横に向けたりして、様々なアングルから自分を眺める。しなやかに伸びる長い脚、小ぶりのヒップ、くびれのある腹部とは対照的なほど重量感のある胸。そして鎖骨と細い首。
≪女子高生≫はそんな自分の体に満足していた。
「ああ、やっぱこのボディからのこのメイクがたまらない」
鏡にはゾンビの笑顔がうつっていた。
≪女子高生≫はゾンビメイクを自身の顔にほどこしていた。
「エロゾンビ。エロゾンビ。ふふふふッ」
≪女子高生≫の行ったゾンビメイクはネットに載っているものを参考にし、一番手っ取り早くできるものを見つけた。茶色や黒色のアイシャドウで目の周りを黒ずんだ色にして、唇に真っ赤な口紅を塗って口角のラインを指やスポンジでぼかし傷口みたいにした。
「ゾンビ……く、くふぅ……。めちゃくちゃエロいんですけどぉ……」
≪女子高生≫はそうつぶやくと、自分の体をぎゅうっと抱きしめた。
そして、ねじねじと体をひねっては全身をくねらせる。
「ああ~……、うぐっ……ゾンビって……最高ッ!」