1話 ある日 目覚めたら 生き返ってました
初投稿です。
時間がある時に更新していきたいと思ってます。
目の前に男が立っていた。
身長は自分とほぼ同じだから180cmぐらいで痩せ型で茶髪。
1枚の紙を見ながらニヤニヤとしている。
ここはどこだ。俺さっき死んだよな。真っ白な空間だ。男のすぐ後ろに底が見えない大きな丸い穴があるだけであとは何も無い。
「あの、知っているなら状況を説明してもらってもいいですか」
「ああ、ごめんごめん。じゃ早速質問。ご自分の名前と職業言えます?」
「人の話を聞いて…」
「いいから早く」
話が通じないタイプだな。なら先に質問に答えてそれからだな。
「ブレーブ・リックス。軍人。」
「OKです。次にご自分の出典を教えてください。」
「すいません意味がわかりません。」
何言ってんだこの人。出典だと。
「あーそっち系の自覚ない人ね。うんうんよくいる。今日で3人目。」
「よく聞いてくださいね。あなたは本の中の人物です。主人公です。ですがあなたの持つ強い意志のおかけでなんとぉ…」
「肉体を得ました!おめでとうございます!」
「ちょっと待ってくれ、それは…」
男は話を遮り続ける。
「この穴に落ちると別世界に行けます。これからあなたには別世界にて意志を叶えてもらいます。ちなみにあなたの生きた時代のモチーフとなった19世紀ヨーロッパがモデルの世界です。細かいことは省きますがあなたには強い意志があります。それを叶えるために肉体を得たのですよ。この話は終わり。ささ、早く早く。」
男は俺の背中を押し穴に落とそうとする。
細かいこと省くな!そこが1番聞きたいのに!
「最後に、頼むから最後にひとつだけ聞かせてくれ。」
「んっ、まぁひとつだけなら。」
「本ってなんだ。別世界ってなんだよ。意志を叶えるって…」
「全然ひとつじゃないじゃないですかー。もう定時だから帰りたいけどサービス残業で答えてあげます。」
「すまない、ありがとう。」
「世の中には知らない方がいいこともありますよ!楽しんで!」
「答えになってない!」
背中を押され穴に落とされる。
うわ、怖いな。真っ暗。どんどん加速してる。落ちたら死ぬよね、これ。
今更ながら肉体が20代ぐらいに戻ってる。もう理解が追いつかないな。
突然過ぎるよ。
思えば人生ずっとこんな感じだった。
町を歩いてたら誘拐されて徴兵の肩代わり。
被弾した人を助けたら偉い人で側近に。その縁で結婚、昇進。
最後は国の存亡をかけた戦いで受けた傷が悪化して死亡。
「悪くはなかったな。でも戦争はもううんざりだ。」
その時あの男が言っていたことが頭を横切る
世の中には知らない方がいいこともありますよ!楽しんで!
案外そうかもしれない。
質問の答えを聞いたとしても理解出来たかと言われれば怪しい。
これも何かの縁だな。
生前のことを忘れ第2の人生を歩もう。
戦争はもううんざりだ。
「こうなりゃ楽しんでやるよ!」
やっと実感が湧いてきた。
自分は生き返った。もう1度人生を歩める。
不思議な出来事の高揚感に体が熱くなる。
真っ暗な世界がだんだんと明るくなってくる。
「出口か」
次は明るい人生を
意識が遠くなっていく━━━━━━━━━━━━━━━
ドーン、ドーン、ドーン
目覚めると懐かしい大砲の音がした。
砲撃戦の真っ只中にいた。
「また戦争かよ!」
ありがとうございましたm(__)m
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