【短編版】六十四万分の一の戯れ言。~なろう初投稿の作者はエタらない方法を模索する~
【エタる】……このサイトに来て、初めて目にした言葉。
意味は、永遠に未完(完結できない)で終わるということらしい。
なるほど。そういうことは、小説を書いていたら良くある。実際、私もアイディアが浮かんで、資料集作って、満足して放り出している話が山ほどある。
だけど、なろうで執筆して、応援してくれる人ができたら、きっと頑張って完結までこぎつけられる。
最初はそんな風に思っていた。が、私の甘すぎる考えは簡単に打ち砕かれることになる。なぜならここは、大勢の小説家たちが戦いを挑んでは散っていく、激しい戦場だったから。
まず小説の投稿数を見てみると、ざっと六十四万あった。この数にドン引きする。とりあえず、なろう、すご。と言っておく。
この中で上位に食い込んでいる作者の方々に、ただただ尊敬の眼差しを送った。一方でこれだけの数の小説から、自分の書いた物を見つけてもらうことなど、至難の技だとも思った。
私が読者の立場なら、とりあえず上位の作品を試してみるだろう。だって面白いと思ってる人、たくさん居るみたいだし。
もしくはレビューをもらっている作品を見てみる。そんな面倒なことをするということは、読んだ人が自分の受けた熱を、よっぽど誰かに伝えたいと思ったのだろうから。
ということは。逆に言えば、上位でもなく、レビューもない作品は、砂浜に落ちたコンタクトレンズくらい、読み手に見つけてもらえないのではないだろうか。
誰も見てくれない。このスタート地点で、急激にエタる可能性が高まる。やばい。すでに挫折しそう。
そもそも、こういった場所で書くのは、誰かに見てほしいと思うからなのだ。
だって自分一人で楽しみたいなら、チラシの裏にでも書き殴ればいい話なのだから。
自分の書いた物を共有したい。誰かに面白かったと言ってほしい。そういう想いで、ここに小説を置いている。自分で書いていて思ったが、私という人間は承認欲求の塊なんだろう。
話は逸れたが、そんな私にとってこの状況はすこぶるまずい。とにかく何とかして、メンタルを建て直さねば。読者に見つけてもらう方法を考えなければ。
かくして静かで恐ろしく地味な抵抗が、なろうの谷底で行われ始めるのだった。
◆タイトルについての考察と対策◆
なろうの小説ランキングを見て、まず目についたのは、タイトルの長さだ。物語のあらすじとも呼べる内容が、ご丁寧に書き連ねられている。
私が初投稿した時、小説全体を象徴するような、かしこまった名前をつけていたが、どうやらそれはあまり良くなかったらしい。閲覧数が全然のびなかった。
よっぽどインパクトのあるタイトルでなければ、読み手に華麗に素通りされてしまうのだ。それこそ、あらすじすら開いてもらえずに。
あらすじは、デパ地下でいうところの、いわゆる試食のようなものだと、作者は考える。好きな世界観か、自分に合うかどうか、ちょっぴり読んでみて判断するのだ。
だとすればタイトルは、お客さんを引き寄せる、美味しそうな香りに他ならない。
ネタバレ覚悟の親切なタイトルは、これ面白そう!と読み手の興味をぐいぐい引く、すごいシステムなのだ、という結論に、つい先日至った。
というわけで、さっそく他作品のタイトル変更してみた。きっとこれからも、ちょいちょい変える。ブックマークしてくれてる人に、迷惑がかからないことを祈る。(かかってしまっていたら、ごめんなさい)
◆お知らせ◆
連載版を作りました。万が一にも、作者の悪あがきがまだまだ見たい方は、そちらに移動をお願いします。
そして本作は完結という形を取らせていただきます。ここまでお読みいただきありがとうございました!