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六花立花巫女日記  作者: あんころもち
62日目、思い出を作るのです
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転移62日目 記入日 A,C, 27/04/26



 シーアさん達が帰って来ました。


 シーアさんやカルラさん、カルメさんやエルさん。ありがとうございました。ちゃんと伝える事が出来ました。

 会談は大成功でしたし、今後の世界についての話も出来たそうです。


 なんと、シーアさんとカルメさんは大使となるそうです。向こうの世界よりもずっと友好的な物ですけど、三国間の融和政策が一気に進みましたね。


 フランカさん、という初見の方も居ました。でも、話だけは聞いています。カルラさんの護衛の方です。すごく、恐縮されました。”巫女”として尊敬している、と。私の戦いを見て選任を目指した、と。懐かしい感覚を思い出してしまいます。


 英雄と褒められたのは少し、たじたじです。私はアリスさんの英雄になれればそれで良かったのです。独善的な私は、世界を救ったという意識が余りありません。


 私を余りにも尊敬しているというフランカさんが少し心配になったので、ライゼさんに目配せをして、自分の命の重さだけは教えて上げる様にしてもらいました。


 カルラさんを守り切った覚悟と想いは本物ですし、選任としてこれからも王国の人々を守るのでしょう。だったら尚更、自分を大切にして欲しいと思います。


 そのライゼさんですけど、アンネさんとは会ってないそうです。私達の約束に配慮した形ですけど、我慢しすぎです。直に会って抱き締めたいでしょうに、大人の意地でしょうか。師匠の意地?


 もしかしなくても、私よりずっと頑固ですよね。ライゼさん。

 早く会わせたいですけど、明日は共和国探索させてくださいね。雪、楽しみだったりします。

 


 さて……一番不安だった神隠しですけど、【フリューゲル・コマリフラス】は届きませんでした。”神化”でも、出来ない事はあるのだと落ち込みました。

 でもそれは、神さまが言っていた事です。神だからって、何でも出来る訳ではないのです。


 だからきっと神さまが、自分の力を使って子供達に魂を返してくれたのでしょう。

 リチぇッカとアレスルンジゅに、魂を返すように言っていましたからね。減った神格は私達の死後回収出来るので、少し無理をしたのかもしれません。


 多分それが、神さまが出来る最後の無理なのでしょう。自分の所為で始まってしまったアレスルンジゅとの戦い。そのケジメです。

 その分私達が、神さまに負担が掛からぬよう……”森”を守る”巫女”であるべきですね。



 彼女との触れ合い一つ一つをこの身に刻み込みます。彼女と行う柔軟はどきどきしました。私の背を押す彼女の……む、胸が当たった、り……私が押す度に聞こえる、彼女の声だったり……。

 心で繋がった私達の柔軟体操や運動はどこか、その……人に見せられる物ではないのでしょう。


 柔軟やらを人の居ない講堂を借りて行い、城周辺をちょっと走った後は、講堂で出来る屋内運動をしました。

 一応道具はそこそこあったのです。ボールや、何に使うか分からないラケットやら。

 二人でちょっと弄らせてもらって、バスケやバドミントンやら、ですね。


 戦うだけの運動ではなく、楽しむ運動です。自然と頬は綻びますし、やる気も全然違います。

 やっぱり私は、体を動かして、頭を空っぽにして運動するのが好きなのかもしれません。


 でもやっぱり、彼女と一緒にやるから、ですね!

 この際、川に足をつけてぴちゃぴちゃと水を跳ねさせるだけでも良いのです。


 明日は多分、自由に動ける最後の日でしょう。

 その後は凱旋して、”森”に帰ります。 

 そこで、終わりです。


 今のうちに考えておきましょう。何を伝えるか、何を残すか。

 彼女に私を、残したいのです。


 最後まで……今度こそ最後まで、笑顔で……っ!



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