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六花立花巫女日記  作者: あんころもち
33日目、恨みなのです
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転移33日目 記入日 A,C, 27/03/28



 私の休養日だったので、彼女とシーアさん、レイメイさんで見張ってくれました。

 私は彼女に包まれていたのでぐっすりでしたけれど……。彼女は少し眠そうにしていました。

 最後に起きていたのは、彼女だったと思います。

 疲れが一番出ていたのが、彼女だったので。


 疲れた彼女の顔を見ると、胸が痛くなりました。

 締め付けるような、幸せすら感じる痛みではなく……ただただ、痛かったのです。

 次の休養日に、彼女と……どうすればゆっくり休めるかを話そうと思います。

 私の為に弱った彼女は、見たくないのです。


 

 彼女との朝。短いながらも凝縮された清福な時間。

 毎朝、楽しみなのです。

 自分で言い出した事ですけど、レイメイさんの修行の時間が……ちょっとだけ勿体無いと感じてしまいます。

 一度言った事なので最後までやり通しますけど、もっと彼女との時間が欲しいなぁと思ってしまうのです。


 レイメイさんが強くなるのは、魔王討伐の成功率が上がるので良い事なのですけど……。今日起きた事を考えると、もっと身を入れて欲しいと思ってしまいます。

 

 朝だるしうに向かう途中、怪しい気配を感じて途中停車しましたけれど。影に潜まれるなんて失態です。

 誰にも被害はありませんでしたけれど、だるしうの人たちに不信感を与えてしまいました。


 魔王の策略だったのかは分かりません。

 ただただ……陰湿です。


 次に向かう町はざぶけ。浄化だけはすぐ終わりましたけれど、この町には盗賊が襲ってくるそうです。

 それを解決する為に、少しだけ滞在する事にしました。

 

 結論だけ書くと、すぐに解決しました。

 レイメイさんが調子に乗ってしまった事以外は、ですけど。


 盗賊の一人である、あの女性。

 私を売って、ヘンタイ貴族? に滅茶苦茶にしてもらうって言ってましたけれど……。

 確かにそれは、嫌です。

 本当なら、彼女以外に触れられたくないほどなんですから。

 身も心も全て、彼女に捧げています。だから、触れられるのは嫌です。

 

 だけど、この感情を女盗賊は知りません。

 あの人の嫉妬や怒りという個人的感情だけで、私を売り払って滅茶苦茶にしてもらいたかったという事になります。

 それで、気分は晴れるのでしょうか。

 私が滅茶苦茶にされる姿を見れる訳でもないのに。


 何に嫉妬しているのかも、良く分かりませんでしたし……。

 リーダーの男がお金に固執していた理由もそうですけど、あの人たちの気持ちには少しだけ興味があります。


 ただ二人共、彼女を貶したので顔も見たくありませんけどね。

 


 それにしても、彼女が前線で戦っているのを、後ろから見たのは初めてです。

 凛々しくて、暖かくて……。全く不安を感じませんでした。

 絶対に守ってくれる。絶対に勝つって。

 私も彼女に、そんな風に想ってもらいたい。

 

 どうすれば、想ってもらえるのでしょう。

 盾がない私では、彼女を守るというには少し……物足りません。

 絶対に勝つというのにも……私は既に負けてしまっています。


 どうしたら……。

 勝ち続ける? そう、ですね。

 それしかないです!


 明日から、レイメイさんとの修行をハードにしましょう。

 もっともっと強くなって。敵は絶対に倒します。

 そうすれば、彼女からの信頼もどんどんどん!


 って……そんなに単純な事ではありませんね……。

 修行はハードにしますけど、彼女に安心して見て貰おう計画は、まだまだ立案段階です……。


 彼女が今、膝の上で笑いを堪えるように震えています。

 私がガッツポーズするようにやる気を出したのがバレたのでしょうか……。

 恥ずかしいので、彼女から見えないのをいい事に、彼女の髪に顔を埋めます。

 恥ずかしい気持ちはどこかへいき、私の心は恍惚に染まります。


 もう少し日記を書くのを遅らせて、このまま埋めていたいですけど……私が書き終わらないと彼女も眠れません。

 今日はここまでにします。



ブクマありがとうございます!

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