転移13日目 記入日 A,C, 27/03/08
今日は朝から兄弟子さんが襲撃してきそうになりました。
諦めて欲しいのですけどね。ただの私怨での私闘なんてごめんです。
私が傷つくと彼女が悲しむので、負けてあげることはできませんけど。
ギルドではシーアさんが居ました。
シーアさんは十二歳だそうです。私より四歳も下なのに、故郷のために……大切な人のために。
私が十二歳だったころは、巫女も何も関係なく、ただ森が好きでたまらなくて。バスケをして、ただの平和な毎日でしたね。
平和、です。
それにしてもシーアさんは、私と彼女のことについてかなり調べたようですね。弄るため……? 出所はアンネさんとライゼさんでしょうか。
一番はアンネさんでしょうね。アンネさん、結構口軽いですし。
これから一緒に戦う仲間ですから、気にしませんけど……シーアさんのいじりには気をつけないといけませんね。
今日は一般依頼をします。
落し物探し。牧場のお手伝い。お花屋さんのお手伝い。
落し物探しは、まさかのおおとりものへ。
犯人は、異国から来た大男。
出稼ぎに来たのに、マリスタザリアに出会えずに、その性格から冒険者入りを拒まれ犯行に及んだ方。
私利私欲に塗れた理由で、大切な婚約指輪を盗むなんて、最低ですね。
依頼者の男性は、ちゃんと告白成功したのでしょうか。
成功していたら、結婚式が見られるかもしれません。
結局、七花さんの結婚式は町の外でやったから。私は見たことないんですよね。
私もいつかやるのでしょうか。
……実感がわきませんね。彼女のことで頭いっぱいです。
牧場のお手伝いでは、あの日の感謝を受けました。冒険者になるための試験での、あのことを。
私は、自分の大切な人のために、戦いを長引かせた。だから感謝なんてされるような人ではない。
そう言ったら、大切な人のためでもいいと。私も一人の人間だと、言ってくれました。
泣いちゃってましたし、そう言うしか……なかったかもしれませんけど。
それでも、嬉しかったんです。
ごめんなさい。多分これからも私は、彼女を優先します。
でも、皆さんをないがしろになんてしません。
私は、巫女だから。
これは変わりません。
世界を救うまで、私は巫女として生きる。
お花屋さんのお手伝いでは、友達ができました。
新しいお友達、リタさんは、いい子でしたね。素直で、女の子っぽくて。学校の友人たちを思い出すような、そんな子。
お花屋さんのお姉さんもいい人です。私たちを”巫女”としてじゃなく、普通の人として、接してくれました。
花との触れ合いも楽しかった。花の香りに包まれ幸せだった。花を見に来た方との交流も楽しかった。新しい花に出会えて嬉しかった。
楽しみすぎて、頭叩かれちゃいました。
こんなこと、久しぶりです。
本当に、楽しかった……。
給仕では、また……。
変な噂が流れるでしょうね。
はぁ……森娘。これに不満はありませんが、豹変するとか、おかしくなるとかは、やめてほしいです。
ただ森が好きなだけの女の子なんですよ?
支配人さんにも静かに怒られちゃいました。サボってたようなものですし、ね。
叱ってくれる大人がいる。幸せな、ことなんです。
そういえばシーアさんが帰ってきませんでしたね。どうかしたんでしょうか……。明日聞いてみますかね。
危うく、壊れそうになってしまった、私の蓋
ひび割れてしまったと感じる、蓋
最後の一枚は壊れない、これは私の全て
だけど
私は私の……壊れかけた蓋を、静かに……治していく
絶対に、晒さないために
最後の一枚が、曝されないために




