荒れる国
A,C, 27/03/06
日課を終え、ギルドへ向かいます。
一般依頼を受ける予定です。緊急のマリスタザリアが居ればそちらですけど。
「ここが王都ですカ。無駄に広いですネ。こんなに広かったでしょうカ。小さかったので覚えて――」
そんな声が聞こえ、あたりを見ます。
すると、御伽噺に出てきそうなフードつきの黒いマントを羽織った――そう、魔女が居ました。
「しっかシ、来て早々依頼をやらされるなんテ。お金には困ってましたガ、人使いが荒いにも程がありまス。後であの人からふんだくってやりましょウ」
訛り、でしょうか。ライゼさんも訛っていましたけど、方言のようでした。この方の訛りは、異国の?
「ン? なんでス。そんなに見テ。赤いお姉さン」
流石に見過ぎましたね。
「ごめんなさい。王国には初めてですか? 私も最近きたばかりで、その頃の私みたいだったので、懐かしくって。つい」
「ふム……そうですカ。あなたガ。何れ会うこともあるでしょウ。今は挨拶を控えさせていただきまス。でハ」
そういって丁寧にお辞儀をし、女の子は去っていきました。
「?」
「あの方も選任ということでしょうか」
アリスさんが何れ会う、に反応して、言います。
「かなぁ、ライゼさんもあんな感じだったしね」
ライゼさんのように”出来る”とは思いませんでした。
でも、ここは剣士だけが居る世界ではありません。纏う魔力が澄んでいました。
アリスさんの研ぎ澄まされた感じではありませんでしたけど……今まで会った、誰よりも力強い魔力。計り知れない底のような――。
「あの子も、世界を助けるために命を……」
見た目は私より幼いくらいでした。そんな子ですら、この世界を憂い、行動しているようです。
「私たちも、がんばりましょう」
アリスさんが笑顔で鼓舞してくれます。
「うん。いこっか」
ギルドはもう賑わっているでしょう。
ギルドはまさに混沌としていました。
どうやら次の選任試験が開催されるようで……中央受付が賑わっているのですけど……。
「俺が先だったろうが!」
「これで合格にしてくれないか」
「なんで僕まで受けないといけないんだよ!?」
「うるせぇ!俺一人じゃかてねーんだからしかたねぇだろ!」
割り込み。裏口合格狙いの賄賂。あちらは、仲間割れでしょうか。
混沌としすぎていますけど、共通点は異国の人が多いってことでしょうか。
この国の人の特徴は、金髪か黒髪。染髪は居ますが、そんなに多くはないです。肌は白く、堀が深い。そして、まぁ、人並みに悪意も欲もあります。
ただ……ここまで荒いと、憑依型マリスタザリアを疑うくらいには……王都の人は大人しいのです。
武器屋で絡んできた人も、浄化後はちゃんと話が通じました。
でもこの方たちは……話、通じるでしょうか。この方たち、憑依されてるんじゃ……。
私はアリスさんを守るように、さりげなく移動しました。とにかく、アンネさんに聞いてみましょう。
冒険者組合は一番端にあり、すでに冒険者となった方しかいませんから、もう安心かな。
「ごめんください。アンネさん居ますか」
私は受付にアンネさんの所在を聞きます。
「はい、少々お待ちください」
そう言われ、待とうと移動し始めましたけれど――。
「アルレスィア様、リツカ様。お待ちしておりました」
アンネさんは、いつも絶妙なタイミングで来てくれます。
「えっと、この賑わいは何があっているのでしょう?」
アリスさんが中央受付の様子を伺いながら尋ねます。
「選任の試験を行おうと募集をかけました。そうしたところ、他国の方からの応募が多かったのです」
おかしいですね、国毎にギルドはあるはずですけど……。
「他国のギルドが埋まっていた、とかですか?」
アリスさんが考えを伝えます。
「いえ、実は――」
アンネさんが言いよどみます。
「他の国のマリスタザリアは、激減しているのです。ここ一週間で……」
アンネさんの言葉にアリスさんも私も固まりました。
全部の加筆修正、一応終わりました。
24、25日は触れないので、一応です。
26日にもう一度全部見直し、主人公の性格を確立させます。
活動報告通りの性格になるよう、調整いたします。
1からのスタートのつもりで、気を引き締めます。




