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六花立花巫女日記  作者: あんころもち
前日譚.日常を噛み締めるということ
1/934

立花はおちる A,D, 2113/02/21

初書き 初投稿 です。 お手柔らかにお願いします。

アドバイス 批評 どんどんいただけると嬉しいです。


完走できるように、試行錯誤しながらやっていきます。


どうぞ、よしなに。


日記部分に、その章の簡単なあらすじと主人公のその時の気持ちなどが書かれるような流れで書いていきます。

私の力足らずで、「なんだぁ・・・この文章は・・・わかんねぇぞ・・・」

となったら、日記部分をみていただけたらな、と想っております。



頑張って書きますので、よろしくお願いします。

R-15 キーワードは保険でつけております。


OVL大賞5に応募してみました。

転移■日目   記入日 A,D, 211■/■/■  A,C, ■/■/■


 出会いは深い森の中、まるで人に作られたような丸い湖でのことです。 


 私は湖の中から彼女を、『アリス』を眺めていました。


 彼女の目には、驚愕とほんの少しの……期待? があったと思います。


 なんで曖昧なのかというと、私はこのとき彼女に……見惚れてしまっていたのでした。


    



A,D, 2113/02/21


 ほぼ住宅が占めているビルが立ち並ぶ某所。私、六花 立花(ろくはな りつか)は只今全力で、逃げていました。


「はぁ……もう諦めてくれませんか!?」

「 止 ま れ ビ ッ ○ ! てめぇから仕掛けてきたんだろ!!」


 私の懇願は、後ろから迫る怒声にかき消され相手には届きません。今日()やけにしつこいですね。


 六人の時代錯誤な不良が、勘違いを誘発してしまいそうな罵詈雑言を浴びせてきます。少しの怒りを覚えつつも止まることはしません。映画以外で、あんな言葉を使う人が居るとは思いませんでした。


 段位すら持っていませんが私は、多少なりとも武術の心得が私にはあります。だからといって、相手は六人です。()()()があっては困ります。


 私の人生において男性との接触は、致命的なのです。


「はぁ……」

「ふざけ――おい! 何、呆れ……!」

(二人だけだと思ったのになぁ……)


 後ろからの罵声を受けながら、全力疾走を続けます。


「追いつか――」

「何――」

(あの子は無事だろうし、良いかな?)


 休日、とある場所に向かう途中でのことです。


 コンビニ前にて、同じ学校の制服をきた女子生徒が、不良二人にナンパされているのを見つけました。約十分前の出来事です。


 見るからに嫌がっている女子生徒を、男達が無理やり連れて行こうとしているものだから――私は声をかけることにしたのです。私は趣味? で、ボランティア活動をしていますから。そういうのを見逃せないのです。


「嫌がっている子を無理やり連れて行こうとするの、恥ずかしいと思わないんですか?」


 聞く人全てが挑発だと分かる、そんな言葉を不良達に投げかけました。注意をこちらに向けるだけで良いので、優しい言葉でも良かったのですけれど……不良相手に言葉を選べる程、私は大人ではありません。


 それに、こういう言葉遣いの方が注意が向きますから。


「なんだぁ……てめぇ?」

「待った、あいつ……これ」


 不良の顔は怒りに満ちています。その目に多少下卑た感情が篭っていました。女なら誰でもいいんでしょうか。何やらスマホと私を交互に見ていますけど、意味は良く分かりませんでした。


 何にしても不快感はありますが、その目に慣れている私は無感情に相手を見ます。しっかりと、私に意識が向いているようです。


(こっちに注意むけさせてっと)


 今のうちに逃げてと、女子生徒に目を向けます。女子生徒は困惑していましたが、私の顔を見てハッとし、会釈をして駆けていきました。


 自慢になってしまいますが、私はこの街ではちょっとした有名人です。私の活動もそれなりに知れ渡っているので、目配せだけで察して貰えます。


(よし、それじゃ――警察がくるまで、避け続けるっ!)


 ここまでは順調でした。不良の攻撃は掠る事すら無く、警察が来るまで耐える事など造作もないはずでした。


 店内から出てくる不良四人を、視界の隅に捕らえるまでは。


 即座に反転、そして激走。遅れて追いかけて来る不良二人。訳も分からない癖に、本能で着いて来る残りの四人。望んでも居ないのに、鬼ごっこが始まってしまいました――。



 これが今、私が六人の男に追われている理由です。自業自得ではありますけれど、もう十分以上逃げているのですから、そろそろ諦めて欲しいのです。


「いつまで、走れる……!」

「諦めて良いですよー!」


 逃げること十数分、景色は住宅街から田舎な景色に変わっていました。大きな()が見えています。あの森に行きたくて、私は学校帰りに家とは違う方向に歩いていたのです。


 ちなみに、学校近辺以外は閑静な住宅地となっています。学校付近には背の高い建物が多いですけれど、お店がある訳ではありません。基本的には寮なのです。


 この町――周りを川で閉ざされたこの島には、生活に最低限必要な商店街があるだけで、都会に行くには長い橋を渡る必要があるのです。孤島ともいえるこの町は、所謂学校島。幼稚園から大学まで、完全男子禁制のエスカレーター式学校があるだけなのです。


(もう着くし、撒こうかな)


 ただがむしゃらに逃げて、この辺りに来たわけではありません。ここ周辺は私にとっては庭。()()()()()()()()()注意しながら不良を振り切るのに、そう長い時間はかかりませんでした。


「――さすがに、諦めてくれたかな?」


 私以外に人の気配がないことを確認して、”いつもの場所”へ行きます。


 森を囲うように張り巡らされている鉄条網。一箇所だけある扉には、どんな工具でも切れないのでは? と思える鍵がついています。私だけが持つその鍵を開け、森へと入りました。


「コンビニに寄ろうと思ってたんだけどなぁ……」


 飲み物は欲しかったのですけど、仕方ありません。汗も然程かいていませんし、問題はないでしょう。


 少し疲れを含んだ声で独り言を発しながらたどり着いたのは、森の中心にある大きな湖です。


 学校から徒歩で五十分の場所にある大きな森。土地の開発などで緑が減っていった島ですけれど、この森だけは残されました。


 この森には()()()が住んでいるとされているからです。


 この湖の周りには桜が咲き乱れます。特に一際大きい桜は見ものです。もしここが花見スポットとして解放されれば人が殺到するでしょう。絶対に許可は出ませんけれど、ね。


 一人でこの景色を楽しめる。それは、ちょっとした優越感を感じさせるには充分な特権でした。


 私は毎日この湖に来ては、ゆっくりと過ごします。特に、この季節は頻繁に此処へ来ます。


 昔は四月とかに桜が咲いていたみたいだけど、最近は二月が最盛期です。冬も、余り寒くありません。草花が咲く為の寒さは残っているようですけど、雪が見れるのは……北だけです。


 それでも長く、花や森を楽しめる今が私は好きだったりします。雪化粧をした森も見たかったと、少しだけ思ってしまいますけどね。環境問題? というのなら、仕方ありません。


 バッグの中からレジャーシートを出し、腰掛けます。私はただただ、風の音に耳を傾け、桜の香りに包まれたいだけなのです。これが私の楽しみ。


 この森で横になると、私は――ゆりかごの中に居るように錯覚します。何故そうなるのか。初めて来た時から感じる事なのですけど、未だに良く分かりません。


 そうやってゆっくり思考していたからでしょうか。私は……眠りについてしまいました。


 ――この森には、神さまが住んでいるとされています。


 そのためこの森は本来立ち入り禁止なのです。ですが私は、この森を守る”()()”ということで立ち入りを許可されています。


 そのおかげで私は、一人でゆっくりすごせているのです。……職権乱用ではありませんよ? コホン。そろそろ帰るとしましょう――――ありふれた日常へ。




「立花。また森に?」


 帰宅した私に、母は少し棘のある語調で尋ねました。娘の私から見ても、美人な母です。非常に珍しい髪の色と瞳の色をしていますけれど、それは私も同じですから。


「お花見に行っていました」


 肯定し目的を話します。毎日行われる確認作業です。母は私が心配で仕方ないのです。一人娘ですし、私はどこかフラフラしていると思われているみたいなので。


「そう。また……ボランティアはしたのかしら」

「はい。同校の生徒が不良に襲われていたので」


 眉間に皺を寄せたまま、更に質問されます。これも、良く聞かれます。ただし本当にボランティアをした時だけ聞かれます。母の前で、私は隠し事が余り出来ません。


 私の答えに、母の皺が更に刻まれます。私が危険に曝されることを、母は望みません。母の愛は強く感じます――けれど、私は思うのです。私に出来ることは、何でも良いからしたいと。でないと私は、()()()()()――――。



少し試行錯誤中です。

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