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賢女達の奮闘 ~そして姫は引きこもる



 それから賢女達はどうしていたのかと、言うと。始まりの賢女の言った通り大変な百年あまりの年月でありました。

最初の姫の15歳の誕生日までは特段やることもなかったのですが、姫が眠りについて、城の者全ての人が眠りについから、賢女達は城に人が近付かないように、棘と深い霧で城を覆い、人が辿り着けないようにしたのです。

 姫が目覚めると、賢女達は姫に事情を伝え百年、城の人々が起きるまでの間城で過ごしてもらうように説得し、姫が退屈しないよう、出来るだけ姫の側にいました。目覚めたばかりの姫は祝福を失い、最初の20年は、失った物を取り戻す様に音楽やダンス、作法、料理に勉強等…。いままで出来ていた事が出来なくなり。それが新鮮で、目の前には、教えを乞うには十分すぎる賢女達がいるのですから、姫は失敗をしても、何度でも、練習を努力をして、色々な楽器を弾くことも出来るようになり。苦手な物もあるにせよ、祝福があった頃よりもより、楽器や曲を深く知り、努力のおかげで、より、深みのある演奏が出来るようになりました。ダンスは軽やかなステップとはいかないものの、どちらかと言うと切れのあるステップへとかわり。作法や所作は、皆を惹き付ける愛くるしいものから、洗練された動きへと変わった。

ですが、姫もいつまでも城で過ごす事に飽きて仕舞い。ついに、城を飛び出してしまったのです。

これには賢女達も驚きふためき、慌てて方々探しましたがなかなか見つからず。5年がかりでやっと見つけた姫には、3歳になる子供がおったのです。


「姫っ、やっと見つけました。ターリア姫、城にお戻り下さい。」

「ですが、子供たちがいるのです。…私は、母に、なったのですよ…?」

「姫、お考え直し下さい。城には沢山の人々が、眠りから覚めるのを待っているのです。そのなかには、あなた様のご両親である王様とお妃様も含まれているのです。姫が戻らなければ、死ぬこともなく眠り続けてしまいます。…それは、むごうございます。

酷を言うようでございますが、城が眠りから覚めてからでも、姫の生活は遅くはないはずです。」

「遅くないですって?!あんまりだわ!だって、この子達はどうなるの!?私はこの子達が成長する姿を見ることもなく、子供たちは私よりも先に死んでしまうっ、それなのに遅くはないだなんて‼」

「すみません姫、ですが、私どもには、外での事は忘れて城に戻ってもらう他ないのです。城から出れば姫の時が動き、唯人と変わらない寿命で死んでしまいます。そうなれば、もう遅いのです。何も取り返しがつかないのです!私共の不始末を姫に背負わせて仕舞っているのは重々承知しております。ですが、ですが、そうせずには事は収まらないことも、姫も分かっておいでのはず…」

「…、少しの有余を下さい…。い、5日だけ、私に時間を、それまでには…。」

「ありがとうございます。では、5日後に迎いにあがります。」


 賢女達の必死の説得で、なんとか姫を城へと連れ戻す事が出来たものの、城に戻った姫は、子供たち愛すべき者から引き離されたショックで、部屋に引きこもってしまったのです。

それだけ、ターリアにとって苦渋の決断だった。始めから城に戻らなければならないことも分かっていたのです。もう少し、もう少しだけ、と、思い続けるうちに、帰る場所が変わってしまった。自分の我儘で子供たちや夫に沢山の迷惑がかかる。

最後の五日間、ターリアは全ての事情を話し、残された時間を子供たちと過ごし、城に戻る自分のことは、子供たちには死んだことにしてほしいと伝え、賢女達と共に、城へと戻り、別れた家族を想い涙に明け暮れる日々。

せめてもの救いは、子供たちの中で、ターリアは優しい母のまま、子供たちの前から消えることが出来たこと。大好きな子供たちに、自分が子供たち家族を捨てたなんて、思われたくはなくて。夫に、あんなお願いをした。


 考えるのはいつも

  今日も子供たちは元気だろうか?

  どれほど大きくなっただろうか?

  今頃、何をしているだろうか?

  今も幸せで、いてくれているだろうか?



         

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