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弱者が英雄になります  作者: もとじ りゅうが
9/11

8「校外学習」

 「えっと......それでは今回の校外学習の行き先を発表したいと思います!」

 皆わくわくしてんのかな? 校外学習とかボッチな記憶しかないんですけど......ま、どこ行くかは、知ってるけど。

 「魔生物研究所です」

 「「「「「魔生物研究所!?」」」」」

 なんで皆、そんなにビックリしてんの? 聞いてみるか。

 「お~い、ミュリ。なんで皆、こんなにビックリしてるんだ?」

 聞いてきた凌にミュリは、ビックリしている。

 「な、なんでって、魔生物研究所は本当は研究員しか入れない場所なのよ!」

 「研究員しか入れないって、こっそり入れるだろ?」

 「なにいってんの!? あんなとこに忍び込むなら大絶魔法の一つや二つを楽々使えるぐらいじゃないと」

 「大絶魔法?」

 「あんた本当にちゃんと授業受けてるの?」

 「流石に受けるわ。何にも解んない世界なんだしな」

 ミュリは意外そうな顔で凌を見てくる。

 「それはどうでもいいからさ、大絶魔法って?」

 「簡単に言うと、エリート魔術士が100人ぐらいいてやっと使える魔法」

 「100人!?」

 「そう、しかもほとんどの魔力を持っていかれるから連発なんて絶対無理よ」

 「それを連発で楽々と使えてやっと入れる研究所とか聞いたことないんですけど!?」

 「しかも、どこの学園も校外学習で許可が下りたことがないのよ。それなのに今回」

 「許可が下りたってことだな」

 つまり、今まで許可が下りなかったから中身を見れて楽しみっていうことかな。

 「だから皆、何かあるんじゃないかなって思ってるんじゃない」

 考えが真逆!? まぁ、一理あるけど流石に......

 すると凌の耳にクラスメートの声が入ってくる。

 クラスメートっていえるほど仲良くないというか無視されすぎだけど......

 「怖くない? 急に許可が下りるって」

 「なんかあったのかな?」

 「例えば、魔獣に殺された研究員が私達を道連れにしようとして許可したとか......」

 「も~怖いこと言わないでよ!?」

 ホントに疑ってるんだな......俺なら素直に喜んじゃうわ。

 「ね、疑ってたでしょ?」

 ミュリも聞いてたらしい。

 「で、でもまだ、一つのグループだけーー」

 「なんで今さら許可したの? 怖くない?」

 「絶対なんかあったよね......」

 「研究員達の幽霊が......」

 なんなん!? なぜ? 俺が一つのグループって言った瞬間に言い始めるとか、もしかしてクラス全体で僕のことをいじめてます? 俺のことそんなに嫌いですか?

 「で、認めるの?」

 「解りました。認めさせていただきます......」

 「解ればいいのよ。解れば」

 う、うぜぇ~ いつか必ず逆襲してやっからな!

 「それでは学年で班を作りましたのでそちらも発表します」

 班!? 班活動だというのか!? よかったこれで俺のボッチ人生は免れた。

 司会のやつが次々と班のメンバーを発表していく中で俺の名前が呼ばれない。

 もしかしてこれは......あ、君いたんだ。もう班作っちゃったから一人で行動してくんない? という最悪のエピソードが......

 「最後のグループは......」

 ここで呼ばれなかったら終わる......

 「ミュリ・ミスト、クレーヌ・テイル、メル・ライネル」

 あ、終わったわ......だって今までの班全部三人班だったじゃん......さようなら~俺の校外学習......

 「そしてコバヤシ・リョウ、以上」

 あ、ああ神よ! 私を呼んでくださりありがとうございます! このご恩は一緒忘れません!

 それにしても今班のメンバーなんて言った? 

 「まさか、あの騒動を起こしたグループじゃないよな......」

 「そのまさかよ。あんたと班なんて最悪すぎて登校拒否になりそうだわ」

 「そこまで言わなくてもいいだろ......てか班の編成、マジで?」

 「本当よ」

 すると教室のドアが開き、誰かが入ってきた。

 「なぜなのだ......なぜ私とこの可愛いメルがこんな奴と班なのだ!?」

 「クレーヌ......その、うぅ~」

 入ってきたのは、クレーヌと今にも泣きそうなメルだ。

 「なぜといわれましても......」

 「訂正するのだ! 今すぐ!!」

 司会のやつ相当めんどくさそうにしてるな。仕方ねぇ、助けてやっか。

 凌はクレーヌの前に出た。

 「お~い、クレーヌ。さっきから言ってること聞こえてるんだけど......」

 「き、貴様は!! 私達と会った初日に私とメルを自室に連れ込んで、下着姿で一緒に寝ろと無理やり命令し、さらに私を縛ったりもしてきた奴ではないか!」

 教室が静まりかえる。

 「あ、あの......誤解されるようなこと言わないでもらえます!?」

 「うるさい! この変態!!」

 変態って言われたの久しぶりだな~ ってなんで俺安心してんの!? もしかして俺は、そういう趣味の持ち主だったのか......

 「もう変態でもなんでもいいから教室に戻れよ!!」

 「お願いします。私もまだ説明が残っているので......」

 司会ナイス!

 「仕方ない、変態に言われたら戻りたくないが、他の奴に言われるとな、帰るぞメル」

 「......うぅ~」

 二人は帰っていった。

 こんなんで校外学習大丈夫か?


 校外学習初日 魔生物研究所前

 「皆さん、これから研究所に入っていくので、くれぐれも研究員の方々の邪魔をしないように。それでは班に別れて入って行ってください」

 研究所って思ったよりデカイんだな。

 「突っ立ってないで早く行くわよ」

 ミュリの声が掛かる。

 「ああ」

 凌はミュリの背中を追う。すると前にクレーヌとメルがいた。

 「クレーヌ、メル」

 二人はこちらを向いた。

 「早くいくぞ」

 すると「解っている」とクレーヌが。「はぅ~」とメルが

 二人とも合流出来たしさっさと中を見ていくか。


 研究所内には、沢山の捕獲された魔生物が檻の中にいた。

 魔生物から何を研究してるんだろうな。

 「こ、これ」

 「どうしたんだ? ミュリ」

 「この魔獣」

 「ん?」

 その檻の中にいたのは、数日前凌とミュリを襲ったS級のサイレント・スネーク。

 「こいつを捕まえて何を研究してんのかな」

 「そ、そうね。あれじゃない、こいつの<無音>を回復する薬とか」

 「それがあれば相当戦いが楽になるな」


 「それがあれば、お父さんは死ななかったのに」


 ミュリが何か呟いたような気がした。

 「何か言ったか?」

 「う、ううん。別に何も」

 「そうか」

 凌はまだこの時、ミュリが抱えている辛い過去を知る由もなかった。

 「お前達、早く次に行こうではないか」

 「い、行きませんか? ぅう~」

 「いまいく。行くぞミュリ」

 「うん」

 

 「本当お馬鹿な連中よね。急に許可が下りるなんて、おかしいと思わないのかしら」

 「馬鹿なんだよ、あの連中は。それに雑魚過ぎる」

 「ま、そうよね。あの学園にいただけはあるわね」

 「あいつらと俺を一緒にするな」

 「別に一緒にしてはいないわ。あなたがいたということを言っただけよ」

 「......」

 「それにしてもゲル遅いわね」

 「そうだな」

 その数秒後、足音が聞こえてきた。

 「すまねぇ。ちょっと色々あってな」

 「これから作戦だというのに呑気なものね」

 「メンダ、あんたも相当ふざけてると思うけどな」

 「あら、私にそんな大口がたたけるなんて、相当偉くなったものね」

 「信じてねぇみたいだから今からやってもいいんだぜ」

 「そんなにしたいのならやってあげてもいいわよ」

 「二人共やめろ。作戦の再確認をする」

 二人はその言葉を聞き言い合いをやめた。

 「解っていると思うができるだけ殺すな、魔力を永久に吸いとらないといけないからな」

 「解っている」

 「解っているわ」

 「なら準備をしろ、そろそろ開始するぞ」

 「はいよ」

 「準備は出来てるわ」

 「めんどくさそうな奴は俺とこの<魔剣ベバル>でやる、お前らは作戦通りに行動しろ」

 「解ったよ、タク」

 「あなたに任せるわ、タク」

 「行くぞ」


ーーーーーーーーーーーーーーー

次話 「漆黒の剣銃士」


タクって誰なんでしょうね。もしかしてあの.......

前話でもいっていたのですが更新速度が事情により少し遅くなります。

よろしくお願いいたします。

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