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弱者が英雄になります  作者: もとじ りゅうが
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3「異世界転移」

 体が重い。まるで人でも乗っているかのように。息も出来ない。でも、なんだか気持ちがいい。

 ん、息も出来ない? 息? 息が出来ない!?

 なんなんだ!? 何が俺の上に乗ってるんだ!?

 凌は目を開けた。その光景に俺は、絶句した。

 なぜならーー全裸の少女が俺の上で寝ている。しかも、俺の顔の上に胸を乗せながら。

 「ふぐぅー!?」

 ヤバい。このままだと窒息する! まぁ、女性の胸で息が出来なくて死ぬのなら本望!! なんて言ってる場合じゃねえ!!

 凌はなんとか少女をどかした。

 「し、死ぬかと思った」

 「むぅゅ~。んぅ。......あなたは、誰ですか?」

 「いや、それこっちのセリフだから!?」

 「私ですか? 私の名前は、ミュリ。ミュリ・ミストです」

 ミュリ・ミスト? あれ? 日本人じゃなくね? 取り敢えず、俺も名乗っておくか。

 「俺は、小林 凌だ」

 「コバヤシ リョウ?」

 「ああ、そうだ。取り敢えず、いくつか質問していいか?」

 「いいですよ」

 「その前にこれ着てくれ。目のやり場に困る......」

 「へ?」

 ミュリは自分の姿を確認した瞬間、顔が一気に赤色に染まった。

 そして凌の方に振り向き

 「変態!! 最低!! こっち見ないで!! どうせ私でいやらしいことを想像してたんでしょ!!」

 「お前が俺の部屋に裸でいたんじゃないか」

 「そんなこと、私がするわけーーもしかして、これが世界転移薬の副作用!?」

 「は? 世界転移? まるで君が、この世界の住人じゃないみたいな言い方だな。どういうことだ?」

 「変態さんに教えることはありません!!」

 「だから、俺は君のことも知らないし、いやらしい目で見てないって。何回言ったらわかるんだ」

 「もし、仮にこれが世界転移薬の副作用だとしても、あなたは私の体をジロジロといやらしい目で見てました!!」

 「解ったから。もう、変態でいいですから、世界転移薬って何?」

 「し、仕方ないわね。世界転移薬とは、自分を他の世界に転移させることよ」

 世界転移だと? あり得る訳がない。

 「嘘ならもういいから、はやくここから出てけ。俺はイライラしてるんだ」

 「う、嘘ですって!? もう私怒ったわよ」

 「はいはい、魔法でも使えるなら使ってみてくださいよ。どうせ出来ないと思うけど」

 「っ~~~そこまで言うなら見せてあげるわ。私の自慢の水魔法を!!」

 すると少女は、何か呪文みたいなものを唱え始めた。

 「水の精霊よ、汝、我に力を貸したまえ 放て、水の弾丸 <アクワ・バレット>!!」

 すると次の瞬間、ミュリの手から銃のようなものが現れ、少女が引き金を引くと同時に水で出来た弾丸が放たれた。

 凌は避けることも出来ず、無様にその水の弾丸を食らった。

 「い、痛てぇ。い、痛いだと!? ただの水じゃないのか!? てか、どこからそんな水が......」

 「ね、嘘じゃないでしょ? それは、私の体の魔力、通称マナを使って出しているのよ」

 「そ、そんなことがあり得るのか......」

 「で、どうする? 嘘じゃないって認めるならもうしないけど」

 「解ったよ。こんなことされたら認めるしかねぇ。しっかし異世界があるなんてな。一度は行ってみたいものだ」

 「異世界に行きたいの?」

 「ああ、行きたいさ。こんな何も残されてない世界にいるよりずっとましだろうよ。」

 「なら、ちょうどいいわ。変態さんにお願いがあるの」

 「変態呼ばわりされてる奴の言うこととか叶えるつもりなんてなーー」

 「私を救ってください」

 は? 今なんと? 君を救え? あの水の魔法を使える君を? 君より弱い俺が?

 「無理だ。」

 「どうしてよ!! 変態呼ばわりしてるから?」

 「違う」

 「ならどうして」

 「俺は君を救えるほど強くない」

 「強さとか関係ないよ。ただいてくれるだけで」

 「え......? 居るだけ? なーんだ。俺はてっきり、デカイ魔物を倒して! とか言われると思ったじゃねぇか。まぁ、そういうことなら行ってやってもいいぜ。異世界見てみたいし」

 「ほ、ホント!? なら早速これを飲んで」

 ミュリは赤色の薬液のようなものが入ったビンを渡してきた。

 「これがさっき言ってた、世界転移薬か?」

 「そうよ、じゃあ飲んで」

 言われるがままに凌は、それを飲み干した。そういえば異世界転移って普通突然起こるものじゃないの?まぁ、いいや。しっかし、何かが変わる様子は全然ないな。

 ま、まさかこれは嘘で俺を毒で殺して、家族から送られてくる金を奪うつもりか? まぁ、どのみち殺されてもいいんだけどな。

 「おい、とくになんも変わらなーー」

 体が熱い。焼けるような熱さだ。やっぱりこれは毒入りだったか。せめて、結婚してから死にたかった。

 そこからまた記憶が途切れた。


 声が聞こえる。これは人の声じゃない。鳥か何かか? 声が聞こえる? もしかして生きてる!?

 凌は恐る恐る、目を開けた。そこに広がっていたのは、今まで見たことのない美しい海だった。

 でも、さっきまで俺、自分の部屋にいたよな。じゃあここはーー

 「やっと目が覚めたようね、変態さん」

 変態さんと呼ぶのはあの少女ーーミュリしかいない。

 凌は声のする方向に振り向いた。そこには、白い髪を揺らせる、ミュリが立っていた。

 「その、ここはどこ?」

 「その前にこれを着なさい! 目のやり場に困るから!」

 「は?」

 凌は自身の体を見た。全裸だった。

 ......君がいっていた副作用ってこのことなんだね。

 凌はミュリから服を奪い取り、近くの茂みの影で着替え、ミュリのもとへと向かった。

 「で、結局ここどこなの?」

 「あなたのいた世界とは別の世界。私の住んでいる世界よ。ここはーーサネル島よ」

 その言葉を聞き凌は思う。

 ついに来たのだ、念願の異世界へ


ーーーーーーーーーーーーー

今まで、1000字ぐらいの投稿ですみません。今回から時間に余裕ができたので字数を多くして投稿していきます。毎回のように確認は、しているつもりですがもしも、誤字や脱字、間違っている部分がありましたら、ご指摘して頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

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