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黒き竜  作者: copan
2/10

第二章:日常の崩壊と覚醒

〜〜翌日〜〜

 

 

 

亮はいつものように学校が終り家でゴロゴロしていた。今日は夏休み前で帰るのが早いのだがバイトは入っていない。

 

 

 

『あ〜暇だ〜。』

 

 

 

『散歩でもするか』

 

 

 

という訳で出かける準備をする亮。

 

 

 

外に出ると亮に熱波が襲った。

 

 

 

『あぢ〜い』

 

 

 

今日の最高気温は34度しかも今は2時で今が最も暑い時間帯。つまり今、外の気温は34度である。

 

 

 

〔地球温暖化のバカ野郎〜〕

 

 

 

亮が心の中で叫ぶ。

 

 

 

〔散歩するのやめよっかな〜。でも、もう外に出ちゃったし家にいても暇だからな〜。バイト入れてれば良かったな〜。〕

 

 

 

亮がバイトを入れてなかった事を後悔していると…

 

 

 

『…ん?』

 

 

 

〔今のはなんだ?〕




亮の目の前にある山の山頂に一瞬青い空から黒い光が伸びた。




〔暇だから行ってみるか…〕




亮は山に向かって歩き始めた。




その山は、魔鬼山。

地元の人達は化け物が出る山として昔から恐れられており近付く人はあまりいなかった。




亮達はそれを狙って小学時代に山頂に秘密基地を作ってよく遊んだものだった。

 

 

 

亮が魔鬼山の根元に来るとがらりと風景が変わった。

 



木々が生い茂り空からの光の侵入を防ぎ真っ昼間だというのに辺りは夜の様に暗く、山から冷たい空気が流れ込む。




亮は夏だと言うのに寒気を感じた。




〔よくもまあこんな所で遊んだものだなぁ〜。〕




亮は内心驚いていた。




〔さてと、行くか。〕 



亮は暗い森に入って行った。




昔の遊び場だったので頂上までの道は分かっている。 

 

 

魔鬼山はそんなに大きな山ではないどちらかと言うと小さい方である。

 

 

 

頂上までは獣道に沿って歩いて行けば20分ぐらいで着く。

 

 

 

亮は暗い獣道を歩いて行く。

 

 

 

〔気味が悪くなければ真夏の居場所として最適なんだけどな〜。〕

 

 

 

今にも化け物が出そうな雰囲気である。

 

 

 

亮が歩く事20分。亮は頂上に着いた。


頂上は亮の頭の中にあった頂上とはかなり違っていた。

 

 

 

頂上にあった筈の大木は何が起こったのか黒い不気味な炎を上げて燃えており、その大木から半径5m以内の草花は焼き払われていた。

 

 

 

亮はその光景を見て立ち尽くしていた。

 

 

 

『…何で…』

 

 

 

〔これはさっきの黒い光のせいなのか?そもそもあれは何なんだ?〕

 

 

 

亮は少し後退った。“此処にいては危険だ”亮の第六感がそう告げた。

 

 

 

この場を立ち去ろうと振り返ると3頭の狼…いや狼に似た化け物が亮を睨み付けていた。

亮の前に現われた3頭の化け物は、狼よりも一回り大きく、目は血の様に赤い、長い犬歯をもち、毛の色はダークブルーで亮に対しものすごい殺気を出して今にも飛び掛かって来そうだ。

 

 

 

亮は今までにない恐怖心を覚えた。

 

 

 

そして、次の瞬間3頭の内の1頭が亮に飛び付いてきた。

 

 

 

亮は咄嗟に避け首をやられるを防いだがその代わり右腕を噛まれた。

 

 

 

亮は腕を振り化け物を引き剥がしたが腕からは激痛と伴におびただしい程の血が流れた。 

 

 

〔殺される…〕

 

 

 

亮は自分の死を悟った。

 

 

 

その時、亮は身体の中で何かが開かれるのを感じた。それと同時に身体が焼かれる様な激しい痛みが全身を襲った。

『ぐぁぁぁぁぁぁ』

 

 

 

亮はあまりの痛さに立ってはいられず倒れこんだ。

 

 

 

今は意識を何とか保っている。

 

 

 

ふと手を見ると人差し指と中指、薬指と小指がくっつき爪が鋭く尖ってきている。

 

 

 

その時になって亮は自分の身体の変化に気付いた。

 

 

 

身体中の皮膚は黒く変色し硬くなり鱗の様なものがでてきた。手と同じような変化が足でも同様に起き、身体が引き伸ばされる感じがした。変化は頭部にまで及び、顎が前に伸び顔面が変形していった。

 

 

 

亮が倒れ込んで3分。ようやく身体中の痛みが引いた。


亮が声を発した次の瞬間、先程遠吠えしたウルフ(リーダー?)が地面を後ろ足で蹴る同時に他のウルフも亮に迫って来た。

 

 

 

亮は翼を使って飛んで逃げようとしたが、まだ身体を上手く動かす事が出来ず。飛べなかった。

 

 

 

そんな中、10頭のウルフは亮にどんどん迫って来て一斉に噛み付いた。

 

 

 

10頭の内の4頭は亮の長い首に噛み付き、3頭が腹部、残りの3頭は手や足に噛み付いた。

 

 

 

〔終わったな。〕

 

 

 

亮は自分の命の最期を悟った。

 

 

 

たが、

 

 

 

亮は全く痛みを感じなかった。

 

 

 

確かに噛まれたという感じはあるのだが、痛くも痒くもなかった。 

 

 

そう、ウルフ達は確かに思いっきり亮に噛み付いたのだが、亮の鱗が鋼のように硬かったので全くダメージを与えられなかったのだ。 

 

 

ウルフの中には硬すぎる物に対して全力で噛み付いたばかりに牙が折れてしまう者もいた。

亮はそんな哀れなウルフ達を見て闘志が沸いて来た。

 

 

 

〔勝てる!〕

 

 

 

亮はウルフ達に対し反撃に出た。

 

 

 

再度、攻撃に出たウルフを亮は片っ端から鋭い爪で引き裂いた。

 

 

 

飛掛かったウルフ達は、縦(横)に真っ二つにされる者、首が飛ぶ者、辛うじて前足だけが飛ぶ者等で辺りはウルフの血で赤く染められた。

 

 

 

そして、亮が反撃に出て1分と経たない内に10頭のウルフは全滅した。

 

 

 

ウルフを倒したあと亮は疲れてその場で寝てしまった。


〜〜夜〜〜

 

 

 

『ふぁー』

 

 

 

魔鬼山山頂で亮が目覚める。

 

 

 

『あれ?此処は?』

 

 

 

亮は何かを思い出し慌てて自分の身体を見渡す。

 

 

 

亮はドラゴンから人間の姿(声)に戻っていた。

 

 

 

『夢……』

 

 

 

と、言いかけ辺りを見渡すと周りにウルフの残骸があり蠅がたかっていた。

 

 

 

『じゃなかったか。』 

 

 

亮が立ち上がろうとすると

 

 

 

『っつ』

 

 

 

右腕に激痛が走った。 

 

 

右腕を見ると血は止まっているもののウルフに噛まれた痛々しい傷跡があった。


亮は家に帰ると先ず風呂に入った。

 

 

 

竜化した時程ではないがまだ皮膚が硬い。そして筋力、視力、聴力、嗅覚など身体能力が格段と向上していることに気付いた。

 

 

 

風呂から出ると負傷した右腕に包帯を巻き、夕食を作ることにした。

 

 

 

一応、一年間一人暮らしをしているので飯を作ることには慣れている。

 

 

 

だか、猿も木から落ちる。という言葉がある様に、利き腕の負傷の為か手元が狂い包丁で指を少し切ってしまった。

 

 

 

だが不思議な事に痛みは感じず出血もしなかった。

 

 

 

亮はちょとした好奇心で包丁で傷をもっと深くしてみた。流石にその時は痛みと伴に出血もしたがその時亮は驚くべきものを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(血が…青い…)

 

 

 

亮が見たものは人間のものとは違う青みを帯びた血だった。

 

 

 

この時亮は再び

“自分はもう人間ではない。化け物だ。”

という絶望感が湧き上がった。

 

 

 

亮は血を流し落とし暗い表情で調理を進めた。

 

 

 

1時間後

 

 

 

やっと夕食が完成した因みにメニューは、野菜炒めと味噌汁、白米だ。

 

 

 

料理が終わった時には先程の切り傷は初めから無かったかの様に消えていた。

 

 

 

〔この分じゃ腕の傷も明日までに完治してるかな。〕

 

 

 

亮は完食するとそのまま眠りに就いた。


〜〜朝〜〜

 

 

 

『う〜ん。ふぁー。』 

 

 

亮は伸びながら欠伸をした。

 

 

 

『さてと今日は終了式か〜。明日からなつや…』

 

 

 

亮は眠たい目を擦りながら時計を見て固まった。

 

 

 

『遅刻する〜!』

 

 

 

時計の針は8時を指していた。

 

 

 

亮は昨日の疲れの為かいつもより2時間起きるのが遅かった。

 

 

 

亮は10分で身支度し(勿論朝食抜き)

 

 

 

家を飛び出した。

 

 

 

〔ヤベェ。もうこれは遅刻だな。終了式の日に限って遅刻なんて最悪だな。〕

 

 

 

亮は自転車に乗ろうとするとある事を思い付いた。

 

 

 

『やってみるか…。』

亮は通学バックを担いで家の裏にある雑木林に入った。

 

 

 

そしてそこで竜化した。

 

 

 

『グルルルルルルル』 

 

 

亮は喉を鳴らした。

竜化する感覚は何となく分かっていたから難なく竜化できた。

 

 

 

そして大きな翼をばたつかせてみせた。

 

 

 

〔昨日は身体が上手く動かせなくて飛べなかったが今回は飛べる筈…〕

 

 

 

すると足が地面から離れるのを感じた。

 

 

 

〔よし!飛べた。〕

 

 

 

亮はそのまま後ろ足でバックを掴み急上昇した。

 

 

 

人目に見られないようにするためである。

 

 

 

もし、高校の通学バックを掴んだ竜が飛んでいたところなんか見られたら世間は大騒ぎするだろう。

 

 

 

今日は幸い所々曇があり、亮は雲に隠れながら高校目指して一直線に飛んだ。


高校の裏には裏山がある亮はそこに降りるつもりだ。

 

 

 

飛び立ってから5分後。

 

 

 

亮は学校の裏山上空に到達し、そこからほぼ垂直急降下した。亮は難なく着地に成功し竜化を解いて学校に直行した。

 

 

 

校門に差し掛かると誰かに呼び止められた。 

 

 

「おい土屋。何でお前はこっちから入る?お前はいつも西門からだろ?」

 

 

 

声の主は担任の先生だった。

 

 

 

〔ああ。そういえばこの先生、東門担当だったっけ。〕

 

 

 

『えっ!?あぁ。ちょと道に迷っちゃて…』 

 

 

思いっきり目が泳いでいる。何て嘘をつくのが下手なんだろう。

 

 

 

「嘘つけ!それにお前自転車通学だろう?

まぁいい。おはよう。」

 

 

 

『おはようございます。〔ふぅ。何とか誤魔化せた〜。〕』

 

 

 

昇降口に行くと浩治に会った。

 

 

 

『おはよう。』

 

 

 

「おう!おはよう亮!!」 

 

 

やっぱり朝からハイテンションの浩治。

 

 

 

「亮。さっきさ〜…。」

 

 

 

浩治が何か言いかけた。


『なんだ?』

 

 

 

「さっき学校の裏山に何か黒い物が落ちるの見なかったか?」

 

 

 

ギクッ!

 

 

 

〔こいつ、見てたのか。〕

 

 

 

『い、いや。見てない。』

 

 

 

「そっか。俺が見た時も周りの奴に聞いてみたけど、みんな見てなかったみたいだし俺の見間違いか〜。」

 

 

 

浩治は溜め息を吐きながら言った。

 

 

 

浩治は教室に戻ってからも他の人に浩治は自分が見たものについて聞いていた。

 

 

 

だが、みんな知らないと言うだけだった。

 

 

 

 

 

「あっ。それ俺も見た!」

 

 

ビクッ。

 

 

 

僅かに亮の体が反応した。

 

 

 

その声は拓海のものだった。

 

 

 

「マジで!?やっぱ見間違えじゃなかったんだ。」

 

 

 

「今日、学校終わったら、行ってみない?裏山に」

 

 

 

人一倍に探求心がある拓海が言った。

 

 

 

「おう!俺も気になるしな。

亮はどうする?」

 

 

 

『えっ!?あぁ、行くよ。』

 

 

 

〔どうせ行っても何も見つからないだろう。〕


キーンコーンカーンコーン

 

 

 

担任「じゃあ、夏休み明けにまた会おう。解散!」

 

 

 

みんなが一斉に帰り始める。

 

 

 

そんな中、拓海はかなり暗い表情をしている。

 

 

 

『おい拓海。どうした?気分でも悪いのか?』

 

 

 

「体育が……体育が……。」

 

 

 

拓海が震える声で言う。

 

 

 

「体育がどうしたんだ。」

 

 

 

浩治が尋ねた。

 

 

 

〔って、お前いつの間に。〕

 

 

 

「体育が……4…。」 

 

 

『はぁ!?』

 

 

 

亮は声を裏返しながら言った。

 

 

 

すると拓海は、先程個別に渡された成績表を亮達に見せた。

 

 

 

現文5、古文5、数5、、英5、5、5、…体育4…学年1位。

 

 

 

『スゲェ…。』

 

 

 

亮の平均は3.8である。

 

 

 

「なにがスゲェだ。悔しいじゃないか!こいつに少しでも近付いたことが…。」(前回はオール5)

 

 

 

拓海が指した指の先は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浩治だった。

 

 

 

『なるほど。』

 

 

 

亮も納得した。

 

 

 

「そこ納得するなよ〜」

 

 

 

浩治→orz

 

因みに浩治の平均2.1。(体育以外オール2。学年最下位)

 

 

 

『大丈夫だよ。それでも学年1位なんだから学年最下位のこいつに最も遠いんだぜ?』

 

 

 

拓海を慰める亮。

 

 

 

「そっか。そうだよな。」

 

 

 

立ち直ろうとする拓海。

 

 

 

「そうだよ。体育“以外”は俺に勝っているんだからいいじゃねぇか。」

 

 

 

orzから立ち直り、慰めてるつもりの浩治。 

 

 

『ばっ、馬鹿。今それを拓海に言ったら…。』


浩治は慰めたつもりだったらしいが拓海は別の意味で受け取ってしまったようだ。

 

 

 

拓海はどこから出したのか。カッターの刃を出し刃を自分の首に当てていた。

 

 

 

『まっ、待って拓海!早まるな!』

 

 

 

亮は正直焦っていた。 

 

 

『こいつが体育で5が採れるのはいつも体育以外の授業中寝ていて俺たちより体力がある状態で体育の授業を受けているからだ。

 

 

別にお前が浩治より下と言う訳ではない!』 

 

 

亮は必死に弁論した。 

 

 

 

「そういえば、さっきから俺、侮辱されているのは気のせいかい?」

 

 

 

ここで浩治がKYな発言。

 

 

 

『You shut up!』

 

 

 

「何だろう?目から汗が……」

 

 

 

浩治再び→orz

 

 

 

『まぁ。ともかくそのカッターはしまおうぜ?』

 

 

 

「あぁ、分かった。」

 

 

 

拓海は了承し、首元からカッターを離した。 

 

 

〔ふぅ、これで一件落着だな。〕

 

 

 

『さてと、帰ろっか?』

 

 

 

亮がバックを担いで帰ろうとすると、

 

 

 

「「待てぃ〜!」」

 

 

 

浩治と拓海に呼び止められた。

 

 

 

『なにか?』

 

 

 

「裏山行くの忘れてるぞ!」

 

 

 

さっきの態度は何だったのか拓海はいつもの表情で言った。

 

 

 

〔チッ、覚えていたか…ってゆうか、切替え早っ〕

 

 

 

『そ、そうだな。じぁあ、行こっか?』

 

 

 

3人は学校の裏山に向かった。


浩治、拓海は自転車に跨る[マタガル]。

 

 

 

「おい、亮!今日お前自転車は?

 

そういえば、今日東門から来てたよな?」

 

 

 

浩治が尋ねた。

 

 

 

〔こんな質問、朝誰かに聞かれたような〜。〕

 

 

 

『いや〜、朝自転車の鍵なくして持って来れなかったんだよね〜。

 

そして走って来てたら、道に迷っているお婆さんがいたから親切に道案内してたら東門から入る事になっちゃった。』

 

 

 

相変わらず下手な嘘。 

 

 

「おい。嘘バレバレだぞ」

 

 

 

拓海が言う。

 

 

 

〔流石学年トップ。まぁ、こんな嘘誰にでも暴けるか。〕

 

 

 

「えっ!?さっきの嘘だったの!?」

 

 

 

〔訂正。馬鹿には無理。〕

 

 

 

『まぁ、そんな事いいとして早く行こうぜ。』

 

 

 

「あぁ、そうだな。」

 

 

 

学校の裏山は東門を出てすぐ目の前にある。別に自転車があってもなくてもそう変わらない。

〜〜裏山山頂〜〜

 

 

 

 

「おかしいな〜。確かにここら辺に落ちたと思ったんだけどな〜。」

 

 

 

浩治達が見たと言う巨大な黒い物体を探し始めてかれこれ2時間。浩治が溜め息を吐きながら言った。

 

 

 

 

 

浩治が諦めようとした時、拓海があるものを見つけた。

 

 

 

「おい。これ見てみろよ。」

 

 

 

拓海が見つけたものは、

 

 

 

 

 

 

 

 

足跡だった。

 

 

 

その足跡かなり大きく、最初見つけた位置から5、6歩学校の方に続いたあと消えていた。 

 

 

亮にはその足跡が何なのかすぐに分かった。 

 

 

何故なら、

 

 

 

 

 

 

 

それが自分の付けた足跡だからだ。

 

 

 

 

亮は朝、竜の状態で裏山に着地し竜化を解くまでに数歩あるいた。竜は巨大で足も大きい。よって、体重も10t位ある。だから、足跡がついた。

 

 

 

「足跡の大きさ的にかなりでかいなぁ。重さも数tはあるだろう。もしかしてこれが朝裏山に降りたやつか?」 

 

 

〔流石は拓海。その推理は当たっている。だが、いくら拓海でもその生物が竜だという事には辿り着かないだろう。〕

 

 

 

『なぁ、もういいだろ?帰ろうぜ。もう手掛かりは無さそうだし。』

 

 

 

「う〜ん。そうだな。」

 

 

 

やっと拓海が了承した。

 

 

 

それから亮達は山を降りそれぞれの家に帰って行った。


〜〜帰り道〜〜

 

 

 

 

 

家へ歩いていると前から3人組の男達が歩いて来た。

 

 

 

亮が無言で通り過ぎようとすると、、、

 

 

 

 

 

ドン

 

 

 

3人組の男の内の一人とぶつかった…

というよりぶつかって来た。

 

 

 

亮はぶつかった衝撃でよろめいた。

 

 

 

「いって〜な〜。何するんだよ糞餓鬼がぁ!」

 

 

 

最初は謝ろうとしたが“糞餓鬼”という言葉でその気は失せた。

その場で亮は黙って通り過ぎようとした。

 

 

 

その時、後ろから殺気を感じ咄嗟に後ろを振り向いた。

すると先程の男が拳を構え殴り掛かって来た。

 

 

 

だが、

 

 

 

何故か亮にはそれがスロー再生している様に見えた。

亮は当然の事ながらそれを躱した。

 

 

 

〔うぉ、スゲェ。〕

 

 

 

前にも述べたが初めて竜化した時から亮の身体能力は格段と向上している。だから、男の拳が遅く見えたのだ。

男は更に攻撃を加えるが亮はそれを全て躱した。

 

 

 

途中から、他の2人も参戦して来たが亮は言うまでも無いが、それを全て躱す。

 

 

 

男は相当頭にきたのか懐からナイフを取り出した。

 

 

 

『殺す気ですか?』

 

 

 

余裕な顔で亮が言う。 

 

 

「ああ、殺す気だ。

死ねぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

 

男は狂った様にナイフを振り回し始めた。

 

 

 

これに対し亮は焦らず反撃に出る。

 

 

 

男が切り掛かった直後の隙をつき男の腹に一発入れた。

 

 

 

「ぐはっ!」

 

 

 

亮は軽く殴ったつもりだったのだが男は約3m程飛んだ。

 

 

 

その男はそのまま泡を吹いて気絶した。

 

 

 

それを見た残りの2人は顔を真っ青にしながら気絶した男を置き去りにして逃げて行った。

 

 

 

『ふぅ〜。』

 

 

 

亮は一息吐きそのまま帰途についた。


〜〜亮の家〜〜

 

 

 

 

 

『ただいま〜。』

 

 

 

亮はリビングのソファーで横になる。

 

 

 

『暇だな〜。』

 

 

 

亮が伸びながら言う。現在は4時今日は5時からバイトがある。バイトには30分前に家を出ればいいから30分間暇である。

 

 

 

亮にとって30分時間が余ると言うのは結構退屈である。亮はゲームや漫画は一切持っていなく、30分だから昼寝をしようにもしにくい。

 

 

 

結局亮は、何もせずただソファーに横になりながら携帯をいじっていた。

 

 

 

 

30分後

 

 

 

〔よし、じぁあ行くか。〕

 

 

 

亮が家を出ると何故か倉庫に目が止まった。 

 

 

 

〔そういえば、あの中なにが入っているんだろう?〕

 

 

 

今まで亮はその倉庫の中身を見た事が無かった。

 



別に義母や義父に開けるなと言われたからではない。それまでその倉庫に全く興味を抱かなかったからだ。




〔明日、倉庫掃除も兼ねて開けてみるか。どうせ暇だし。〕




亮は自転車を引っ張り出し自転車に乗ってバイト先のコンビニに向かった。



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