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黒き竜  作者: copan
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第一章:日常

"ピ、ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、ピピガチャ。"




『う〜ん』





何も起こらないいつもの朝。





一人の少年が目覚時計を止めて目覚める。





この家には平凡に独り暮らしをする極普通の男子高校生が住んでいる。




この少年は、土屋 亮。



16年前地元の河原で亮の母親と見られる女性が亮を守るように抱え込んだまま亡くなっていた。



(当時、亮は1歳。名前は身に着けていた物より判明)。



それから土屋家の老夫婦に拾われたが去年、2人一緒に散歩していた所に乗用車が突っ込み亡くなった。




そして現在、亮は国からの生活保護とバイトで生活をやり繰りしていた。




亮は朝飯を作りいつも通りの時間に家を出る。




『いってきま〜す。』


亮の言葉が家に虚しく響き渡る。



去年までは少なくとも

「行ってらっしゃい。」と言ってくれる義母がいたが今は誰もいない。


亮はこれから家から5kmくらいの離れた所にある公立高校に自転車で向かう。


外は暑く自転車を少し走らせるだけで汗が出る。




亮は学校に行く途中にあるコンビニに寄った。昼食を買う為だ。(涼む為でもある)




亮がパンにするかそれとも冷やし中華にするか迷っていると後ろから声を掛けられた。




「おう、亮!おはよう、今日も昼飯の事で悩んでいるのかぃ!?」

 

 

 

こいつは亮の友達の浩治だ。いつもこの時、この場所で会う。口調から分かるように常にハイテンションだ。

 

 

 

『うるせーなー。そうゆうお前こそ何でこんな暑い日にカップラーメンなんだ?』

 

 

 

浩治の手には会計を済ませたカップラーメンが握られていた。しかもカレー味。

 

 

 

「俺はいつも燃えているからだぜぃ!」

 

 

 

『そうかい。そうかい。』

 

 

 

浩治の意味の分からない言葉に亮は呆れながら冷やし中華を手に取りレジに向かった。

 



亮と浩治はコンビニを出て一緒に自転車で学校に向かった。




亮達が通っている高校は公立の進学校だ。




亮は学校では、おとなしく親しい人以外はあまり喋らない。



成績は真ん中くらいで運動能力は良くも悪くもない。


容姿は良く女子からは結構モテるのだが皮肉な事に彼は気付いていない。



因みにクラスは2年A組の理系クラスだ。 




浩治は亮と同じクラスで体育では学年1,2を争う実力者だが成績は体育以外は2ばっかりで2年で最も留年する確率が高い生徒だ。


性格は前に述べたように常にハイテンション。



初対面の人とも一瞬で友達になれるような奴だ。友達は星の数のようにいるが特に親しいのは亮、拓海だ。(拓海についてはまた後ほど)

 

容姿は悪くないのだかあまりにも五月蠅いので女子からは嫌われている。

 

 

亮達は学校に着くと自転車を駐輪場に置き教室に向かった。


〜〜教室〜〜

 

 

 

 

担任「………以上で朝のホームルームを終わりにする。解散!」

 

 

 

ホームルームと1時限目の間に10分間の休憩時間がある。

 



解散と同時に浩治が近付いてくる……っと思ったら浩治は亮をスルーして亮の隣りの席の拓海に話しかけた。




「数学のプリントの宿題写させて〜」




浩治はいつもの調子で拓海に頼み込む。




「…ったく。お前たまにはちゃんと宿題やって来い!」


遅くなりましたがここで拓海について書きます。 

 

 

拓海は亮と同じ高校に通う亮と同じクラスの生徒で学年トップの成績の持ち主。

 


そして勉強以外にも勘や推理力も長けている。戦略ゲームでは負けたことがないらしい。 



友達は少ないがその友達とは強い信頼関係で繋っている。



 亮、浩治、拓海はいつも一緒に行動している。




 

10分間の休憩が終わると1時限目の古典が始まる。授業は1日50分×7時間ある。



因みに今日の予定は1時限目古典、2時限目物理、3時限目現代文、4時限目数学、5時限目現代社会、6時限目化学?、7時限目英語だ。



亮はこの7時間ずっと睡魔と闘っていた。



拓海は7時間ずっと集中して授業を受けていたようだ。




それに対し浩治は7時間睡眠学習〜。


1時間過ぎる度にたんこぶを1つずつ増やしていった。本人曰く寝ている間に各教師の手と本人の頭とが接触したらしい。




帰りのホームルームが終わり皆が帰り始める頃、浩治が亮達に通学バックを担いで近付いて来た。 

 

 

「よっ。帰ろうぜ!」 




浩治は授業中ずっと寝ていたので眠気もなくスッキリした声で言った。




『ふぁ?ああ。帰ろう。』




亮は欠伸をしながら言った。




「おう!帰ろう。」




拓海は常に授業中集中していたにも関わらず疲れたような顔をしていない。




拓海曰く


「だって学校の授業って面白いじゃん。昨日まで知らなかった事が分かるようになるんだぜ?疲れる訳ないだろう。」

 

だそうだ。

 

 

 

浩治は勿論、亮も拓海の気持ちを理解出来なかった。

 

 

 

帰り道。

 

亮達3人組は話しながら帰っていった。浩治が一方的に話しかけて来るだけだったが…。

 

 

 

そして、大きな十字路でお互いに別々の道を進み家に帰って行った。


亮は2人と分かれると自転車を走らせ家に帰った。

 

 

 

家に帰るとすぐに私服に着替え家を出てまた自転車で近くのコンビニに行った。

 

 

 

買い物をするため…ではなく時給850円のバイトをするためだ

 

 

 

亮はこのコンビニで16時から20時までの4時間バイトしている夕飯は捨てる弁当をこっそりと……。

 

 

 

 

 

まあ、店長にもう既にバレている。因みに今日の亮の夕飯はまたもや冷やし中華だった。 

 

 

 

バイトを終えて家に帰ると風呂に入ってゴロゴロして勉強して寝る。

 

 

 

これが亮の日常だ。亮はこの日常は壊れまいと思っていた。




たが、そんな日常はある突然の出来事で崩壊した。

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