第80話 再び迷宮へ(1)
胡桃たちと一緒に行動し始めて2日後、俺たちは迷宮の中にいた。エルからスタンピードが起きる前に原因となる魔物を倒せば止められると聞いたからだ
スタンピードは高レベルの魔物が普段はいないはずの階層に現れ、その魔物から低レベルの魔物が逃げて起きるものと特殊なアイテムを使って人為的に起こすものがあるらしく今回は人為的なものだそうだ
「少しの間だがお前たちと離れて行動していたから今回はお前たちの力を見せてもらう。俺はぎりぎりになるまで手を出すつもりはないからな」
「わかりました。それよりも兄様、エルさんはどこにいったのですか?」
「私ならここにいますよ」
千栄が周りを見ながら聞いてくるのに対してエルが俺の後ろから顔を出しながら返事をする
ちなみにエルへの返事はすでにしており千栄たち2人からも了承を得たのだがどうやら「一番はエルフォナさんですね」と決まってしまったようだ
それはいいとして
「なんでエルはずっと俺の真後ろにいるんだ?」
そう、エルはなぜかは知らないが宿を出てからずっと俺の真後ろをついて歩いてきているのだ
「えっと~、神界にいたときから時雨さん以外の異性と会ったことがなくて緊張してしまって」
頬を掻きながらそう言うエルに「それなら仕方ないですね」とサラが頷く
「話しているのはいいがそろそろ魔物に遭遇するぞ、お前ら戦闘準備はいいか?」
「大丈夫!」
6人が返事をしてすぐにゴブリンが歩いてきた
「3体ですね、彼女達なら大丈夫でしょうが念のため私も戦闘の準備をしておきましょう」
「ありがとな、だがもう終わったみたいだぞ」
「え?」
俺がそう言って千栄たちがいるほうを指差してそう伝えるとエルは苦笑いしていた
「兄様、終わりました」
「お疲れさん、お前たちにこの階層の魔物は弱すぎたか。エル、スタンピードの原因はどの辺りか大体でいいから分かるか?」
「それなら12階層くらいですね、普段この辺りからスタンピードが起こることはないのですが」
首を傾げながら考え事をするエルの頭を撫でながら
「おそらくだが俺とシズクが前に見かけた魔族がこの街を潰すために起こそうとしてるんだろう」
そう言うと“それなら考えても分かりませんね”と
気持ち良さそうに目を細めながら答える
「お兄ちゃん、なるべく早く行動しないとスタンピード始まっちゃうよ?」
「そうだな、急いで行くとするか」
道中の魔物は6人に倒させて10階層まで駆け抜け、ボスであるホブゴブリンも瞬殺して11階層に降りると気配察知にかかる魔物の数が今までと比べ物にならないほど多くなった
「どうやらこの階層にスタンピードに使う魔物が集められているようだ、かなりの量の反応がある」
反応が集まっている場所まで行くと大量の魔物とその前で話しているあのときの2人がいた
次回は魔物との戦闘を書きたいと思います
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