第68話 マローナとの会話
「ギルドマスター、先ほど連絡しました冒険者をお連れしました」
「入れ」
「失礼します」
職員が扉を開き中に入ったので俺たちも続いて中に入る
「妾に話があると言うのはお主だったか、シキ。セレンよ、仕事に戻ってよいぞ」
セレンと呼ばれた職員は「失礼します」と頭を下げてから来た道を引き返していった
「さてシキよ、直接妾に報告をしにくるとは何があったのだ?」
「それはだな、」
俺は受けた依頼のこと、その依頼に書かれていた場所には村はなくワイバーンもいなかったこと、そしてワイバーンがいたであろう場所に神獣であるフェンリルがいたことを伝えた
「この地上にフェンリルがいたじゃと!?なぜじゃ、なぜフェンリルが地上に下りてきておる、まさか死神様がこの世界に誕生したのか」
「何をぶつぶつ言ってるんだ?」
フェンリルがいたことを伝えるとマローナは独り言を言い始めたが俺が何を言っているのか聞くと「なんでもない」と言って独り言をやめた
「まあいい、俺が聞きたかったのはなぜあんな依頼があったかだ」
「どういうことじゃ?」
「俺たちが受けたワイバーン討伐のクエストはBランクの依頼だった。だがワイバーンは基本は群れでいるらしくそうなるとAランクになると聞いたんだがなんでBランクだったんだ?」
「依頼人がワイバーンの群れの討伐と言ってなかったらしくてな、はぐれたワイバーンだと思って職員が依頼をだしたんじゃろう」
妾は依頼のランク付けは基本職員の中でも立場の高い者に任せておるのでな、と付け足して言うマローナにそうか、と返事をする
「依頼のことはそっちに任せるとして本題はここからだ」
そう言うとマローナは首をかしげた
「この迷宮街に魔王と対立している魔族がいる、目的は冒険者の数を減らすことと人族の監視だろう」
「あやつら、こんなところにまで来ておったのか。ところでシキよ、なぜ妾が魔族であることや魔族に同士が対立していることを知っておるのじゃ?」
「あんたが魔族だと知っているのは俺が特殊な鑑定を使ってあんたを見たからで、魔族同士が対立していることを知っているのは魔王から直接聞いたからだ」
「お主、魔王様の居場所を知っておるのか!頼む!教えてくれ!」
「わかった、教えてやるからちょっと下がれ、顔が近い」
「す、すまない」
マローナは恥ずかしかったのか顔を赤くして座り直した
「教える前に一つ聞きたいんだがなんであんたは魔王の居場所を知らなかったんだ?」
「それは魔王様が妾たち幹部に何も言わずに出ていかれてしまったからなのじゃ、自分の直属の部下だけを連れてな。出ていかれてしまってから妾たちは探し続けていたのじゃが見つけることができなくてな」
そう言うマローナはとても悲しそうな顔をしていた
「そうだったのか、理由はわかったから魔王の居場所を教えてやる、魔王は今アルカードにあるギルドのギルドマスターをしているぞ」
「ありがとう、妾たちにとって大切なことを教えてくれたじゃ、この街で何か困ったことがあればいつでも頼ってくれ。ギルドマスターとして、いや一人の人としてお主の力になろう」
居場所を教えてやるとマローナは悲しそうな顔から一変しかわいらしい笑顔を浮かべた
「そのときはよろしくな、じゃあそろそろ宿に戻る」
「入り口まで送ろう」
俺が部屋を出るとマローナは俺の横に並んで歩き始めた
入り口までオルトラのことや迷宮のことを聞きながら歩いているとあっという間に到着した
「いろいろ教えてくれてありがとな」
「妾もいろいろと話せて楽しかったからお互い様じゃ、また困ったらここに来るといい」
「ああ、じゃあな」
「うむ、またな」
俺はそう言ってギルドを出て宿に向かった
次回は時雨の休日を書こうと思います
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