第65話 森の異常
今回は少し短いです
「依頼に書かれていた場所はこの辺のはずなんだが・・・」
「この辺りには魔物の気配がほとんど感じられません。もしかすると以前マスターが戦ったガイアドラゴンと同レベルの強さの魔物がいるのではないでしょうか?」
俺とシズクはギルドで受けてきた依頼をこなすためオルトラの近くにある山の麓に来ていた。俺たちが受けた依頼はこの山の麓の村の近くにいるワイバーンを倒す、というBランクの依頼なのだがシズクに聞くとワイバーンは基本群れで行動しているのでAランク指定らしい
しばらく探していると突然頭の中に声が聞こえてきた
『旦那様、どうやらその場所の少し先にある洞窟の中に魔物がいなくなった原因の魔物がいるようです』
『エル、教えてくれてありがとう、助かった』
『旦那様のためなら私はなんだってしますよ』
わざわざ天界からこっちを確認して報告してくれたエルに礼を言ってからシズクに聞いたことを伝えて教えてもらった洞窟まで向かった
洞窟は遠目でもはっきり分かるほどでその入り口はガイアドラゴンでも入れるほど大きかった
「この中だな、行くぞ」
盗賊の時と同じミスはしないように俺は気配察知を忘れずに使ってから洞窟の中に入っていく
洞窟はダンジョンと違い、暗いが魔物はいなかったので『ライト』を使って進んでいた
「ん?これは、鉄・・・いや、血の臭いだな」
「マスター、気配はほとんど感じられませんがどうやらこの奥にかなりの力を持つ魔物がいるようです」
俺が洞窟の奥からする臭いを気にしているとシズクが相手の気配を感じ取ったようだ。俺の方では反応ないんだがな・・・
奥に着くとそこには4mくらいありそうな狼が寝ており、そのまわりには大量の魔物の骨が落ちていた
それをみていると狼がこちらに気づいたようで目を開けた
『こんなところになにをしにきた、人の子よ』
突然話しかけられ驚いたが俺はこの世界に来る前に読んだ小説のおかげでこの狼の種族はなんとなく分かったので慌てることはなかった
「依頼でワイバーンを倒しにきたんだがいなかったから探していたんだが森にいるはずの魔物も見当たらなくてな、この辺りを調べてたんだ」
『ほう、我を見ても動じぬか。お主、名をなんという』
「俺はシキだ、普通の冒険者をしている」
後ろでシズクが「普通ではないと思いますが」と呟いているがまあ無視だ
『シキだな、ではシキよ、すまぬが我と戦ってはくれぬか?我と戦える者を求めて世界をまわっていたのだがどこにもそんな者はいなかったので退屈しておったのだ』
「なぜ俺にそれを言うんだ?」
『隠しているようだがお主は我と同じような存在だろう?』
「ばれてたか」
『隠す気がなかったくせに何をいう、隠す気ならまずはその普通の者ではあり得ない量の魔力をどうにかしろ』
この狼はシズクが盗賊たちを倒したあと俺に言ったことと同じことを言ってきた
「お前と同じで俺も本気で戦えていないから戦える相手を探すのにちょうどいいんだ、これすら感じ取れない奴を真面目に相手にしたくないからな」
「マスター、戦うのなら早くしたほうがいいと思います、日が沈む前に街に戻れなくなりますよ」
「わかった、じゃあ早く戦うとするか。外に出るぞ、フェンリル」
『なぜ我がフェンリルだと分かった?鑑定でも使ったのか?』
つい口に出してしまったが合っていたようだ
「理由は後で話す、とりあえず外に行くぞ」
俺がそう言ったあと俺たちは来た道を引き返した
次回はフェンリルとの戦闘を書こうと思います
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