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7風の谷と

前回(6話)のあらすじ

突撃!姉妹の晩御飯!


我々はぁ!何の成果も得られませんでした!私が無能な限りに!皆さんの期待を一心に受けたにも関わらず!お風呂に突撃出来ませんでしたぁ!


7-K


『それではお前さんを一人前の冒険者と認め

この大陸から旅立つ事を許可しよう!』

僕の物語を記録する本(アドバンスダイアリー)にシルフの長老が大きくて丸いハンコをポンっと押してくれた。


やっと、やっとやっとやっとやっと…

「やっとこの大陸から出る事が出来るぞー!」

「おめでたー!」

「おめでとうございます」

「二人のおかげだよぉ!ありがとう〜!」

ニケたんの両手を掴み、ハンマー投げのごとく勢い良く回転を始める。


「きゃ〜、目が回るよ〜」

「そーれー、あははー」

「仲が良いのは分かったからその辺にしてそろそろ行きましょうよ」

ティルさんにギラッと睨まれて思わず手を離す。回転中に離したもんだからニケたんは宙を舞うがしっかりと両足から着地した。

両手を斜め上に挙げてー…

ドヤ顔だ!


「おぉ、すげぇ!」

「お姉ちゃんかっこいい!」

どうやら着地に成功したことによりティルさんの琴線に触れずに済んだ様子


「あなた、昨日話したこともう忘れたんですか?」

「い、いや、ちゃんと覚えてるよ…」

「だったらさっきみたいなのは控えて下さい…!」

投げた事では怒っていないがきゃっきゃうふふと戯れた所で気に障ってしまった様だ。



昨日、流星群を堪能して街に戻ってからすっかり忘れていたフレンド登録をしてもらい解散する事になった時

「あの…こよみさん、この後二人だけで少しお時間貰えますか?」

な、なんだと…?

告白か?まさかのモテ期なのか!?

平然を装いながら


「ああ、僕で良ければいくらでも…」

ありがとうございますとティルさんは囁いて

「お姉ちゃん、私はもう少しだけこよみさんと話があるから先に寝てて」

「わかったー、こよたん、また明日なー」

「うん、またなー」

ニケたんがログアウトして二人残される。

僕が夢見た理想の姿を見せてくれたティルさんが僕の事を…!


「ふ、二人きりですね」

「はぁ、そうですけどその言い方はやめて下さい。」なんか嫌なんでと言われました。

あれ?思ってたより空気が甘くないな。

これは告白とかありえませんよね、早まらなくて良かった。


「こよみさんはその…お姉ちゃんから婚約者の話とか聞いてませんか?」

「誰のですか?」

「お姉ちゃんのですけど」

「えええ!!ニケたん婚約者いるの!?」

マジですかー、いや、そりゃ大人の女性ですからあり得ない訳もないけどちょっと意外だ。さすが意外性の人だ…


「あ、聞いてないならいいです、気を許してるみたいだったからもしかしてと思っただけで…忘れて下さい」

あーティルさんお姉さん大好きだもんな、二人暮らしらしいし寂しいんだろうな…


「あの、何か悩んでいるなら話すと楽になるんじゃないですか?」

「今日初めてあった方に迷惑ですし…」

「迷惑なんて絶対に思いません!お姉さんを助けたんだと分かっているけど僕もティルさんに助けていただきました。何か返したいんです!」


やっとこの大陸から出ていける、そう思っていたのにワンダークルッポーが立ちはだかった。僕は何かが僕をここに閉じ込めようとしているとすら感じ、立ち向かい、全く歯が立たずに、命に代えても守ると言った人が傷つけられそうな時ですら…何も出来なかった。

そんな時、現れて救ってくれた。


「ティルさんは僕の英雄ヒーローなんです!ダークなほうでしたけどね!」

「あ…はい、そこまで言うなら聞いて貰えますか?」

くそ!温度差が激しい!




今日の晩御飯の時にお姉ちゃんがプロポーズされたって話してくれたんです。それで話を聞いて目を見て、お姉ちゃんが本気でその人の事を想ってるって私には分かったんです。


私は大好きなお姉ちゃんが選んだ人なら信用します。うちのお姉ちゃんはスゴイですから。


さっき流れ星を見て何を願いましたか?

お姉ちゃんが結婚したら私が願わなくても幸せになる。

そう思ったら私、何も願えなかったんです。

お姉ちゃんに大学の費用を出してもらって。

生活費も出してもらってて…

お姉ちゃんは自分の夢を諦めて働いて、私の面倒を見てくれてるのに私には何も無い。


本当は婚約者の事を聞き出したかったんじゃなくてあなたの言う通り話を聞いて貰いたかったんですね、本当の名前も顔も知らないあなたに…




「ティルさんそんなんで悩んでたんですか?」

「そ、そんなんって!人が恥を忍んで話したのに!」

「あ、ごめんなさい、てっきりお姉ちゃんが嫁いだら私の面倒誰が見るのよって話かと思ったのもので…」

「そんな心配してない!お姉ちゃんが私を見捨てるわけないじゃない!」

「だったらティルさんにはお姉ちゃんが変わらず側にいるじゃないですか」

「それとこれとは話が違う!」

「それにティルさんがユグドラシルにニケたんを誘ったんでしょ?」

「そうだけど…」

「捨てられてた黒い子猫を見つけて飼いたいって両親を説得したのもティルさんですよね?何も無いこと無いじゃないですか」

「お姉ちゃんから聞いたのね…?」

「ごめんなさい、色々聞いちゃいました。でも婚約者の話は全く聞いてないし、ニケたん自身の話より【チルちゃんの話】ばかりでしたよ。それにティルさんもお姉さんの事ばかりじゃないですか。結婚して住む所は離れたとしても家族じゃないですか?ニケたんならこう言うんじゃないですか?ずっと家族だからねって」


「あなたって随分熱い人なんですね…」

どうやらまたしても温度差が発生してしまったみたいだ…


「お姉ちゃんがあなたに懐いてるのもわかる気がする。純粋な人だからさ。」

熱くなりすぎて引かれた訳ではないのかな…


「御時間とらせてごめんなさいね、ありがとう、もう大丈夫だから、不覚にもスッキリしてしまったわ。」

「それは光栄です。因みに僕の願いはあの剣がレアでありますようにでした。」

「あなた本当にこの世界が好きなのね。」

「今日二人に出逢うまでは嫌いになりそうでしたけどね。」

「モンスターから逃げ回る日々だったんですよね?」

「う、軽いトラウマが…」

「ふふふ、それじゃあそろそろ寝ようかな、明日もよろしくお願いします。」

「はい、お願いします、おやすみなさい。」

「あ、そうだ一つだけ言っておかなきゃ…」

「何でしょうか?」

「お姉ちゃんにはフィアンセがいるんだからあまり不用意にベタベタしないで下さい。何かで相手に知られたら面倒ですから」

「べ、ベタベタしていたつもりは無かったけど…気をつけます。」

最後にごもっともな注意を受けてしまった。


すっかり回想が長くなってしまった所で都市間転移門トランスポートゲートに到着した。


「チルちゃん、サラマンドラってどんな所なのかな?」久しぶりにニケたんが喋る。

いや、一人で昨日の事思い出してたから聞こえてなかっただけだけども…


「活火山の街って言うだけあってマグマも人も活発的なユグドラシルで一番人が多い場所だよ。実際には自分の部屋にいるから暑く無いのが救いね。」

「武器の鍛え直しをしてくれるっていう方はどんな人ですか?」

やっぱり職人だったら怖そうだよな。


「そうね、可愛いのが好きで工房にはヌイグルミやオルゴールなんかが並んでいるわ。」

おおお!これはもしや可愛い女性サラマンダーさんが経営してる鍛治喫茶とかじゃ無いでしょうか!?

「行きましょう!急いで僕のエクスキャリバーを鍛え直しに行きましょう。」

「こよたんの剣エクスキャリバーっていうの?棒付きの氷菓子みたい!」

「それアイスキャンデーな!流石に無理が過ぎるよ!」

「スベったー」

あ、冗談なのね、ニケたん、素か冗談か分かりにくいんだよ。


「強い武器になればいいですね、こよみさん程じゃないけど私も期待しちゃうな。」

「わ、私のもエクスキャリバーがいい!」

「お姉ちゃん斧だからそれは無いよ。」

「斧に名前をつけたらどう?」

「愛斧・黒猫丸!」

「エクスキャリバーじゃないし!」

「え?エクスキャリバーは剣だから斧に付けたら可笑しいよ?」

その通りだけど何か悔しい…!


「いつまで経っても話が進まないからいい加減行こうよ!」

ティルさんが先を促し、都市間転転移門をくぐっていった、いよいよシルフィードとさようなら!アンドよろしく新しい大陸(サラマンドラ)

都市間転移門(トランスポートゲート)くぐると眩しい光に包まれた。

次回3/12 21時に投稿出来たらいいな!

まだ全然出来てない…


「チルちゃん、話が進まないのは作者がまとめきれてないからだよ。」

「作者って何よ?私の言う話はゲームのストーリーの事だよ。」

「え?チルちゃん気づいてないの?」

「お姉ちゃん、いつも変な事ばかり言うけど今日のは特に変だよ?ゲームのし過ぎじゃない?」

「そっかぁ、チルちゃんはまだ気づいてないのかぁ…」

「ホントに変だよ!?今日はやめといて休もう?」

「大丈夫だよ、私が休むとストーリーが進まなくなるからね。ケツカッチンなんだよー」

「休もうよー!」


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