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2 青いあいつら

2-K


 いきなりPT解散して邪魔そうに見てしまったのに慰めようとしてくれた…

 自己嫌悪すると同時にこの子スゴくいい子なんだなと思った。

 オンラインゲームなんて子供がするイメージなかったけど最近の子は進んでるっていうしな。


 子供でもいい子だし友達になれそうだ。

 年齢関係なく一緒に遊べて友達になれるんだからきっとユグドラシルは良いゲームになる。


「今度は弱いモンスターで練習してから行こうか。西の出口からでて直ぐにいるからそいつにしよう」

 こくりとニケさんがうなづいた。


 2人で出口に向かって歩き出す。

「僕が壁のお手本を見せるから呪文で攻撃してね、呪文の使い方は分かる?」

「だいじょぶ」

「弱いやつだから慌てなくていいからね」

「あい」


 クルッポーの時も僕が壁になれれば良いんだけど土魔法って空中の敵に当てるの難しそうだもんな。

 大丈夫って言ってくれたしここは任せる事にしよう。

 出口に到着し、外に出て少し歩くと敵に見つかった感覚がした。

《アオイアイツ達が現れた》

アオイアイツはスライム状で名前の通り青いモンスターだ。

かなり弱いけど今回は5体出てきた。

数が結構多いな。

ていうかこいつの顔ニケさんに似てるな

ふふふ


「ウウアアアアア!!」


 突然の大声にビクッとした。

 え?ニケさん?どうして斧を構えて飛び出した?

 呆気に取られているうちにニケさんの斧がバッサバッサとアオイアイツらを切り裂いていく。

 うわ、弾けて飛んできた青い液体を被っても気にしてない。あっという間に全滅させてしまった。。。

立ち尽くすその背中からは哀愁が漂う。


「あ、あのう、突然どうかした?」

 くるっとこっちを振り向く動作にまたしてもビクッとしてしまった。

目には涙を浮かべている。

えええ?この豹変は一体どうしたんだ。

「何かこいつらに恨みでもあるの?」

「ううう、うわああああん」

大声で泣きだしてしまった。

こ、怖いから取り敢えず武器しまって。


…………


………………


なんとか話ができるまで落ち着いてくれた。


「アオイアイツと何があったの?」


 嗚咽をあげながらもごにょごにょと小声で話し始めてくれた。


 ふむふむ、はいはい、うんうん、えええー!?そんな事があったんだね…

それは確かにトラウマになるかも…


ニケさんの話によると

 ノートアースにもアオイアイツらは出現したらしく、ある日1人で街の外をお散歩してたら一匹だけで傷ついてたアオイアイツと出会ったそうです。

 顔が自分とそっくりなこともあり、よわっちくて小さくて可愛いしなんだかその子を小さい頃の妹と重ねてしまい、買ってもらった回復薬を使って治してあげたらしい。


 その後、心を許してくれて少しの間だけど一緒に遊んだり走ったりして、暗くなってきたから別れようとしたらその子がピキーピキーとぴょんぴょん跳ねて、その目がついてきてって言ってるように感じてついていってしまった。


 ニケさんがギリギリ入れるくらいの横穴の中につっかかりながらも一緒に入ると5メートル四方くらいの空間があり十数匹のアオイアイツがいて、ご家族かと思って挨拶をすると、ふと、部屋の隅が目に入った。

 なんか頭蓋骨が落ちてて…

 あれ、なんかこれおかしいかなと思ったところで一緒に遊んだアオイアイツが目を真っ赤にしてこっちを見ている。

 気づけば全てのアオイアイツがこちらを見ていて。。。

 これはやばいと必死に逃げ出そうと走って転んで起き上がって

 穴から出る時お尻がつっかえてしまい、何か熱い液体をかけられたり噛みつかれながらも命からがら街まで逃げ延びた。

 ちなみに街までお尻に一匹噛みついたままだったらしい。


 運営!随分と悪趣味だなオイ!

 心優しいプレイヤーを狙いうったこの仕打ち!

 アオイアイツを見たら人格変わってたじゃねーか!



 他に被害者がでたら可哀想だ、運営に抗議のメールを送っておいた。


2-N

 あれ?どうして私はこよみさんにぎゅっとされてるんだ?

 あわわわわわわわわわわわわわ

 えーとえーと、街の外で青いのが目に入ってなんだか怖くて怖くて堪らなくて…

 それで青いモンスターに斬りかかって…

ああ…思いだしてきた…

「も、もーへいきどす。」

 グイッグイッとこよみさんの腕から抜け出す。

「落ち着いてきた?いきなり様子が変わったからびっくりしちゃった。」

 あははと笑いながら離してくれた。


「アオイアイツと何があったの?」

う、そうかあの時のは襲われた事を一気に思いだして…それで…

もう怖く無いはずなのにまた涙が出てくる…

あ、あのですね


かくかくしかじかで…


 アオイアイツさんたちに襲われた話をしました。「運営め!なんて悪趣味なんだ!文句を言わないと気が済まないなこれは!」

 こよみさんは自分の事の様に怒り、

 メニューを開いてダダダダーンと凄い速さで指を動かしている。

「さあ、運営には怒りの抗議文と謝罪の要求をしといたから暫くしたら返事が来るはず、それまでは忘れて冒険を楽しもうよ。」

「あい!」

 それにしても男の人に抱きしめられてしまいました。ゲームの身体だけどリアルな感覚で…思い出すとドキドキしてきました。

 直ぐに抜け出ちゃって勿体無かったかななんて…えへへーー

「あのー、何とも言えない表情してるけどやっぱりまだ怖いのかな?」

ハッ!そんな事はありません!

雲海へ向かってゴーゴーです!


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