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吟遊詩人の忘れ語り

-八咫鴉の星辰の万華鏡-

作者: -Sare-
掲載日:2016/12/16

 如何も、今日は。何だかんだで書けている筆者です。

 今回は超短編。突発で思い付く話許りだから如何しても短くなりがちです。抑此、筆者が短編書けないから其の練習的な物で書いていたのに、今度は短くなり過ぎですね。本当、極端だなぁ。

 そんな今回は、はい、八咫鴉さんです。紅鏡に棲む三つ足の絳い鴉です。絳いのに鴉なんですね。あ、いや、他にも色違いの鴉はいますけれど、鴉の濡れ羽色と言う様に、黔って鴉と切っても切れない関係じゃないですか。何か違和感が・・・んー。因みに多分一般だと八咫鴉は八咫烏と書くんでしょうけれど、敢えて鴉の字にしました。鴉は渡り鴉ですからね。今回の話の子としては此方の方が良いかな、と。後、鴉ってかっこいい・・・。烏は烏龍茶を連想してしまうんですよ・・・。

 さて、話は逸れましたが、八咫鴉の彼の三対の足は一体何を掴むのかどうぞ見届けて下さい。

 蒼(アオ)の星辰(ホシ)にて翼(ツバサ)を休(ヤス)めていた八咫鴉(ヤタガラス)

 永(ナガ)く生(イ)きた丈(ダケ)あって八咫鴉(ヤタガラス)は数多(アマタ)の宝(タカラ)を蓄(タクワ)えていた

 其(ソ)の宝(タカラ)で高山(コウザン)を築(キズ)き、其(ソ)の頂(イタダキ)の巣(ス)で転寝(ウタタネ)をする日々(ヒビ)だった


 そんな高山(コウザン)が碧山(ヤマ)一(ヒト)つ離(ハナ)れた人々(ヒトビト)の瞳(ヒトミ)に映(ウツ)らぬ筈(ハズ)もなく、或(ア)る日(ヒ)、人々(ヒトビト)が集(アツ)まって宝(タカラ)の高山(コウザン)を取(ト)り囲(カコ)んだ

「やい八咫鴉(ヤタガラス)、其(ソ)の宝(タカラ)を明(ア)け渡(ワタ)せ。然(サ)もないと貴様(キサマ)を焼(ヤ)いて喰(ク)らおうぞ。」

「はぁ、野蛮(ヤバン)な者(モノ)達(タチ)だ。だが仕方(シカタ)ない。では此(コ)の足(アシ)で持(モ)てる三(ミッ)つの宝(タカラ)丈(ダケ)を紅鏡(ヒ)へ持(モ)ち帰(カエ)らせてくれ。」

言(イ)ったものの三(ミッ)つ等(ナド)選(エラ)べる筈(ハズ)もなく、八咫鴉(ヤタガラス)が悩(ナヤ)んでいると近(チカ)くに棲(ス)んでいた老鴉(ロウア)が声(コエ)を掛(カ)けて来(キ)た

 彼(カレ)とは古(フル)い付(ツ)き合(ア)いで、迚(トテ)も良(ヨ)い朋(トモ)だったのだ

「朋(トモ)よ、去(サ)ってしまうのか。では椛(モミジ)を象(カタド)った絹(キヌ)と、銅鏡(ドウキョウ)を幾(イク)つか、そして大(オオ)きな水精(スイショウ)を持(モ)って行(ユ)きなさい。屹度役(キットヤク)に立(タ)つだろう。」

八咫鴉(ヤタガラス)は朋(トモ)を信(シン)じる事(コト)にし、くすんだ絹(キヌ)、乱(ラン)反射(ハンシャ)する鏡(カガミ)、罅(ヒビ)の入(ハイ)った水精(スイショウ)の三(ミッ)つを掴(ツカ)んで飛(ト)び立(タ)った

 宝(タカラ)には珠(タマ)の碧樹(キ)や輝石(キセキ)をあしらった王冠(オウカン)、金箔(キンパク)を貼(ハ)った船(フネ)の模型(モケイ)等(ナド)、もっと価値(カチ)のある物(モノ)が多(オオ)くあった

 其(ソ)の為(タメ)人々(ヒトビト)は八咫鴉(ヤタガラス)の選(エラ)んだ宝(タカラ)等(ナド)気(キ)に留(ト)めず、宝(タカラ)の奪(ウバ)い合(ア)いに専念(センネン)した


 八咫鴉(ヤタガラス)は天(テン)高(タカ)く飛(ト)び続(ツヅ)け、終(ツイ)に絳(アカ)の星辰(ホシ)に辿(タド)り着(ツ)いた

 帰(カエ)ったのは良(イ)いものの、矢張(ヤハ)り紅鏡(ヒ)には何(ナニ)も無(ナ)い

 何度(ナンド)も見(ミ)て来(キ)た紅焔(プロミネンス)も見飽(ミア)きると八咫鴉(ヤタガラス)は蒼(アオ)の星辰(ホシ)を眺(ナガ)めた


 さて、如何(ドウ)して朋(トモ)は此の三(ミッ)つを持(モ)ち帰(カエ)る様(ヨウ)に言(イ)ったのだろうか

 そして朋(トモ)は、彼(ア)の人間(ニンゲン)達(タチ)は如何(ドウ)しているのだろうか

 暫(シバ)し悩(ナヤ)み、八咫鴉(ヤタガラス)は終(ツイ)に思(オモ)い至(イタ)った

 早速(サッソク)八咫鴉(ヤタガラス)は自分(ジブン)の長(ナガ)い尾羽(オバネ)を一枚(イチマイ)毟(ムシ)り、其(ソレ)で絹(キヌ)の椛(モミジ)を筒状(ツツジョウ)に巻(マ)いた

 そして其(ソ)の中(ナカ)に銅鏡(ドウキョウ)を張(ハ)り付(ツ)け、罅(ヒビ)の入(ハイ)った水精(スイショウ)を取(ト)り付(ツ)けた

 其(ソ)の筒(ツツ)を蒼(アオ)の星辰(ホシ)に向(ム)け、水(スイ)精(ショウ)を覗(ノゾ)き込(コ)むと・・・


 噫(アア)見(ミ)える見(ミ)える

 朋(トモ)の姿(スガタ)が、宝(タカラ)を廻(メグ)って未(イマ)だ争(アラソ)っている人間(ニンゲン)が

 然(シカ)も筒(ツツ)を回(マワ)すと万華鏡(マンゲキョウ)の様(ヨウ)に景色(ケシキ)が入(イ)り乱(ミダ)れ、新(アラ)たな面(メン)を覗(ノゾ)かせる

 望遠鏡(ボウエンキョウ)と万華鏡(マンゲキョウ)、二(フタ)つを併(アワ)せ持(モ)った此(コレ)こそが朋(トモ)の勧(スス)めた宝(タカラ)だったのだ

 噫(アア)何(ナン)と素晴(スバラ)しき宝(タカラ)だろう、此(コレ)でもう飽(ア)いる事(コト)もない

 彼(ア)の人間(ニンゲン)達(タチ)があんな我(ガ)楽(ラク)多(タ)の為(タメ)に争(アラソ)い、血(チ)を流(ナガ)し、斃(タオ)れる迄(マデ)

 そして力(チカラ)を増(マ)して燃(モ)え盛(サカ)った焔(ホノオ)に焼(ヤ)かれて人間(ニンゲン)が滅(ホロ)び去(サ)り、又(マタ)朋(トモ)と見(マミ)える時迄(トキマデ)、此処(ココ)で彼(ア)の星辰(ホシ)を観測(カンソク)しよう



  -Fin-


 はい、まさかのタイトルでネタバレと言う。とんだ茶番ですね。此彼ですよ。戦隊物のアニメを見てて、次回絶体絶命の主人公、其のバトルの行方は・・・っ!って時に新武器の玩具発売開始のCMが入るのと同じですよ。後、彼の三つで望遠鏡兼万華鏡は出来ないだろって野暮な事は言わないで下さい。其処はファンタジーで、ね、ほら。罅割れた水精だなんて夢があるでしょ!零星が砕けた様に瞬いて・・・其で赦して下さい。御願いします。

 話は変わって、八咫鴉さんが紅鏡で何をしているのか知りませんが、温暖化だの寒冷化だのは案外彼の人類撲滅計画の一環かも知れませんよ。・・・先に皓熊や虎とかが消えそうですが。

 でも鴉って可愛いですよね。とっても飼いたい鳥です。愛嬌のある顔しているし、ミステリアスだし、色んな事してて楽しそうです。滑り台したり鉄棒したり、曦物集めたり、胡桃を車に轢かせたり、煙浴びたり、蟻で遊んだり、スキーしたり、挨拶したり、近頃は芥拾いをして自動販売機から木の実を貰う子も出て来たそうですね。生活の知恵が一杯あるって言うか、生きる為に色々挑戦していると言うか、見習いたい物です。

 さて、御次もJapan!又々蛇さんな訳ですが・・・分かりますよね?

 では良い物語を。

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