-八咫鴉の星辰の万華鏡-
如何も、今日は。何だかんだで書けている筆者です。
今回は超短編。突発で思い付く話許りだから如何しても短くなりがちです。抑此、筆者が短編書けないから其の練習的な物で書いていたのに、今度は短くなり過ぎですね。本当、極端だなぁ。
そんな今回は、はい、八咫鴉さんです。紅鏡に棲む三つ足の絳い鴉です。絳いのに鴉なんですね。あ、いや、他にも色違いの鴉はいますけれど、鴉の濡れ羽色と言う様に、黔って鴉と切っても切れない関係じゃないですか。何か違和感が・・・んー。因みに多分一般だと八咫鴉は八咫烏と書くんでしょうけれど、敢えて鴉の字にしました。鴉は渡り鴉ですからね。今回の話の子としては此方の方が良いかな、と。後、鴉ってかっこいい・・・。烏は烏龍茶を連想してしまうんですよ・・・。
さて、話は逸れましたが、八咫鴉の彼の三対の足は一体何を掴むのかどうぞ見届けて下さい。
蒼の星辰にて翼を休めていた八咫鴉
永く生きた丈あって八咫鴉は数多の宝を蓄えていた
其の宝で高山を築き、其の頂の巣で転寝をする日々だった
そんな高山が碧山一つ離れた人々の瞳に映らぬ筈もなく、或る日、人々が集まって宝の高山を取り囲んだ
「やい八咫鴉、其の宝を明け渡せ。然もないと貴様を焼いて喰らおうぞ。」
「はぁ、野蛮な者達だ。だが仕方ない。では此の足で持てる三つの宝丈を紅鏡へ持ち帰らせてくれ。」
言ったものの三つ等選べる筈もなく、八咫鴉が悩んでいると近くに棲んでいた老鴉が声を掛けて来た
彼とは古い付き合いで、迚も良い朋だったのだ
「朋よ、去ってしまうのか。では椛を象った絹と、銅鏡を幾つか、そして大きな水精を持って行きなさい。屹度役に立つだろう。」
八咫鴉は朋を信じる事にし、くすんだ絹、乱反射する鏡、罅の入った水精の三つを掴んで飛び立った
宝には珠の碧樹や輝石をあしらった王冠、金箔を貼った船の模型等、もっと価値のある物が多くあった
其の為人々は八咫鴉の選んだ宝等気に留めず、宝の奪い合いに専念した
八咫鴉は天高く飛び続け、終に絳の星辰に辿り着いた
帰ったのは良いものの、矢張り紅鏡には何も無い
何度も見て来た紅焔も見飽きると八咫鴉は蒼の星辰を眺めた
さて、如何して朋は此の三つを持ち帰る様に言ったのだろうか
そして朋は、彼の人間達は如何しているのだろうか
暫し悩み、八咫鴉は終に思い至った
早速八咫鴉は自分の長い尾羽を一枚毟り、其で絹の椛を筒状に巻いた
そして其の中に銅鏡を張り付け、罅の入った水精を取り付けた
其の筒を蒼の星辰に向け、水精を覗き込むと・・・
噫見える見える
朋の姿が、宝を廻って未だ争っている人間が
然も筒を回すと万華鏡の様に景色が入り乱れ、新たな面を覗かせる
望遠鏡と万華鏡、二つを併せ持った此こそが朋の勧めた宝だったのだ
噫何と素晴しき宝だろう、此でもう飽いる事もない
彼の人間達があんな我楽多の為に争い、血を流し、斃れる迄
そして力を増して燃え盛った焔に焼かれて人間が滅び去り、又朋と見える時迄、此処で彼の星辰を観測しよう
-Fin-
はい、まさかのタイトルでネタバレと言う。とんだ茶番ですね。此彼ですよ。戦隊物のアニメを見てて、次回絶体絶命の主人公、其のバトルの行方は・・・っ!って時に新武器の玩具発売開始のCMが入るのと同じですよ。後、彼の三つで望遠鏡兼万華鏡は出来ないだろって野暮な事は言わないで下さい。其処はファンタジーで、ね、ほら。罅割れた水精だなんて夢があるでしょ!零星が砕けた様に瞬いて・・・其で赦して下さい。御願いします。
話は変わって、八咫鴉さんが紅鏡で何をしているのか知りませんが、温暖化だの寒冷化だのは案外彼の人類撲滅計画の一環かも知れませんよ。・・・先に皓熊や虎とかが消えそうですが。
でも鴉って可愛いですよね。とっても飼いたい鳥です。愛嬌のある顔しているし、ミステリアスだし、色んな事してて楽しそうです。滑り台したり鉄棒したり、曦物集めたり、胡桃を車に轢かせたり、煙浴びたり、蟻で遊んだり、スキーしたり、挨拶したり、近頃は芥拾いをして自動販売機から木の実を貰う子も出て来たそうですね。生活の知恵が一杯あるって言うか、生きる為に色々挑戦していると言うか、見習いたい物です。
さて、御次もJapan!又々蛇さんな訳ですが・・・分かりますよね?
では良い物語を。