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転生したら丸くてプヨプヨなあいつになってたorz  作者: ナマモノ
第二章 銀の少女と修行の日々
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魔導生命体

更新おそくなってすみませんでした

あの後。


リオナは疲れてしまったのか、目を擦りながら二階の右手にある寝室へと帰っていった。……俺を抱えたまま。


いやね?逃げようとはしたんだ、うん。逃げようとはしたんだが……ステータスの差が大きすぎるのか、全然リオナの腕から逃げだせなかった。身体を紙みたいに薄くしてもガッチリ挟んでくるのな。


まあ、スライム状態だとSPD極振り状態だからなぁ……。リオナの腕を動かせるわけがなかったわ。ハッハッハ……いやマジメにどうしようこれ。


突然だがスライム状態の俺は触感が鈍い。かなり鈍い。だが、無いわけじゃないんだ。……何が言いたいのかって?


あ た っ て る ん だ よ !


いくらお嬢に抱かれて眠っていた経験があるとはいえ、女性に抱きつかれて眠るというのはやはり落ち着かないものがある。……しかも、お嬢と違ってリオナにはうっすらとだが胸がある。フニッてなったからな。


そりゃ逃げるわ。ヘタレ万歳。だって明日になってこのことがバレたら……たぶん、次のスープの具は俺になるだろう。


だが、結局逃げられなかったわけで……。


はぁ……。明日死なないといいなぁ。


俺はそう念じながら眠りについた。





次の日の朝。


俺は珍しく(恐怖心から)早起きして、緩んでいたリオナの腕から脱出した。無事に朝日を拝めてよかった。ひとしきり死地からの生還に感動したあと、朝飯でも食べようと思って一階へと降りた。……だが。




二秒で後悔した。




[バキッ……ボリッ……グシャグシャ……]



なんかやたらと見覚えのある半透明なヤツがリビングにあったテーブルをムシャムシャ足から食べていた。

……というか、どうみても昨日の暗黒物質(スープ)だった。

いやあ~……最近のスープって、食欲旺盛なんだなぁ……ハハハ……。おいしそうに食べてるよ……。だって、目(らしき何か)が笑ってるし


……って、んなわけあるかぁーーー!!!


絶対あいつスープじゃねえよ!スープに似た別の生命体だろ!もう我慢できん、貴様のステータスを見せて見ろぉぉぉ!!


@@@


名称:名を呼ぶことも恐れ多い名状し難きスープのようなモノ

種族:魔造生命体

種族スキル:『再生』『SAN値直葬』『物理無効』『オール20』

スキル:『逃げ足』

材質:食塩水、ベニダケ、生の豚肉

備考:リオナの隠しユニークスキル『驚愕料理』(ワンダークッキング)によって作られた名を呼ぶことも恐れ多い名状し難きスープのようなモノ。全ステータスが20で固定されているが、物理無効なため破壊は困難。その姿を見た者の正気を削る上に特に意味もないのに物を食べたりするので、見かけたら魔法で駆逐すべし。いちおう生命体に分類される。


@@@


……予想以上にやっかいな奴だった。というか、魔造生命体ってなんなんだ?もうちょい詳しい説明出ないかなぁ……。ま、無理なんだろうけども……。


@@@


◎魔造生命体とは


魔造生命体とはスキルや魔法によって人工的に造られた生命体のこと。ゴーレムやホムンクルスなどもその一種である。基本的にステータスが成長しないことと、食料が必要ないことが特徴である。


@@@


ゑっ!?


え、マジで?

詳しく見ることができるのか!?

やった!これで、スキルの詳細を見ることができる!


……ただ、ちょっと頭(?)が痛む気がするんだが……何故だろう?


っと。まあいい。とりあえず『神の知識』(アカシックレコード)は置いといて、だ。…あのスープのようなものをなんとかしないとなぁ。でも俺魔法使えないし……。そんなふうに悩んでいた時だった。



「ふぁ~……。おはよ~……。って何これぇっ!?」



元凶がやってきた。…狐尾はついていなかった。残念。



「いや、何これも何も、リオナが昨日酔っ払って作ったスープなんだが…」

「はい?え、私!?これ私が作ったの!?」

「ああ。なんかヤバげな材料投入して酔っ払ったリオナが作った」



そう言うと、リオナは途端にジト目になって俺を睨んだ。



「えー……ゼノンがやったんじゃないの?」

「いや、なんかお前のスキルでこうなったらしいぞ?」

「なんでそんなことがわかるの……って、そういえば鑑定系統のスキル持っているんだっけ」



忘れてたのかよ……。まだ昨日のことだぞ?まあいいや。とりあえず、説明を済ませてしまおう。



「ああ。俺が見たところによると、どうやらリオナの」隠しスキルの『驚愕料理』(ワンダークッキング)「のせいらしいぞ?」

「……はい?ゼノン、私の何のせいだって?」

「だから、リオナの」『驚愕料理』(ワンダークッキング)「のせいだって!」

「……ゼノン、何をいっているの?」



ああもう!しっかり聞けよ!……と思ったときに気づいた。


肝心の部分が、いくら頑張っても声に出せないことに。


もしかして……と思い、俺はあわてて、『神の知識』(アカシックレコード)で隠しスキルについて調べてみた。


@@@


◎隠しスキルとは


隠しスキルとは、ステータスに表示されないスキルのことである。確認するには黒星4以上の鑑定スキルを使用する必要がある。また、いかなる手段を用いても隠しスキルの存在を他者に伝えることは不可能である。


@@@


……やはり、か。



「ゼノン?急に黙ってどうしたのよ?早く説明してよ」

「あー……今調べた所、世界の法則上他人に説明することは出来ないらしい」

「はあ?そんなわけないでしょ!嘘つかないで……!?」



俺が本気で言っていることを示すために、俺はリオナの目を真っ直ぐに見つめた。



「……頼む。信じてくれ」

「わ…わかった!信じる!信じるから顔近い!もっと放して!」

「あっ、ごめん」



しまった。つい近くなってしまった。…っと。そうだ。あいつ何とかしないと。



「話しを戻すが、あいつは魔導生命体で物理無効だから魔法じゃないと倒せないらしい。リオナは魔法使えるか?」

「当たり前でしょ?これでも半分はエルフの血が流れているのよ?」

「じゃあ頼む。あいつを倒してくれ」



俺は今だに机をムシャムシャやっている奴を指し示す。



「はいはい。じゃあいくわよー?大いなる火の精霊よ、我が敵を討ち滅ぼせ!【エクスプロージョン】!!」



……爆発(エクスプロージョン)


ちょっとまて、そんなヤバげな魔法を室内で使ったりしたら……!!



ズッドオオオオオン!!



「「うわぁあああああああ!?!?」」



やっぱり巻き込まれたじゃねえかぁぁああああ!!





爆発によって辺りに立ち込めた煙が晴れると……そこは惨憺たる光景が広がっていた。


小綺麗だったフローリングの床はめくれ上がり、見る影もない。

机は跡形もなく吹き飛んでいて、破片すら見つからない。

椅子はすべてベキベキに折れ曲がり、見るに堪えない。

あの魔導生命体も机と共に欠片も残さず消滅してしまったようだ。

床下の基礎部分もちょっと削れているようだ。


「……えーっと……やり過ぎた、かな?」

「明らかにやり過ぎだろこの脳筋娘!」

「……ワタシシリマセーン。ゼノン、後は頼んだわっ!」

「あっ、こら逃げ……!?」


俺がリオナを引きとめようとした時だった。

背後から物凄いプレッシャーが襲いかかってきた。


逆らったら、死ぬ。


そう、本能的に悟った。


「のう、ゼノンよ……。これは、いったい、どういうことなのじゃろうなぁ……のう?」

「は、ははははは……」


…あかん。死んだわ、俺。

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