強化の日々
かなり今回は短いです。前回の半分もありません
俺は魔物を狩るためのトラップを作ることにした。
まず手始めに、家の隣の壁に横穴を開ける。
穴を掘り、通路が出来たらその通路から縦穴を掘る。
そしてしばらく潜ったら、そこから洞窟があった方向に向けて掘り、洞窟の真下に部屋をつくった。
そして、部屋の天井をかなり薄くしてつよいところと弱いところを作り、床を削って鋭い棘だらけにした。
後は、上を重量のある魔物が通るのを待つだけ。
そうすれば、重量に耐えきれずに崩落して、串刺しになる。
……ようするに、落とし穴IN針地獄である。
*
一時間後。
ベキベキベキッ!!という音とギシャアアアアア!!という悲鳴が鳴り響いた。
マイホームでくつろいでいた俺は急いで落とし穴に直行した。
引っかかった魔物は、緑色の肌をした人に近い魔物……ゴブリンであった。
異世界ファンタジーにおいては定番といえるザコ敵だ。
脅威度もかなり低いし、かっこよくも無いので殺しても特に何も思わないだろう。モンスターだし。
ただし、それも一匹だからこそだが。
……何が言いたいのかって?
実は……
トラップに十二匹も引っかかったんだよね。
グゲグゲいって苦しみ痙攣するゴブリンの群れの串刺し。
ゴブリンの血や臓物で汚れてヌメヌメとした穴の底。
……早いところぜんぶ喰ってしまおう。
さすがにこれは酷い……。
ちょびっと同情する。
とりあえず、死にかけたゴブリンを喰うかあ。
……あれ?
何故か、喰うことが出来なかった。
……え?何で?何で食えないんだよっ!
そう思って何匹か試すと、何匹かは喰うことができた。
この事から、ある法則が発見された。
それは、すでに死んでいるものしか喰うことは出来ない、というものだ。
生きたままでは喰うことができない。
いまの内に判明してよかった。これでボス級の魔物を生きたまま喰おうとして殺された、何てなったら大変だった。
まあ、それはともかく。ステータスを確認してみよう。
☆☆☆
名前:無し
種族:弾性円形物質
称号:調停者
種族スキル:『暴食』(★)
スキル:『武器創造』(★★★)
Lv:7
HP:38(38)
SP:38(38)
ATK:12
DEF:12
INT:12
RES:12
SPD:12
HIT:12
ボーナスポイント:13
☆☆☆
だ、だいぶレベル上がったなあ……。
やっぱり、モンスターを倒したからか。
でも、まだまだザコだ。余りにも弱い。
全能力値が基本12て……。
これは、ボーナスポイントをHPとSPに集中させて、強い武器を作ることを目標にしたほうがいいかもなあ。
あと、どうもゴブリンは一匹につき一ポイントらしい。
生物の方が効率が良いんだろうな。
これは、同じものを沢山作って喰いまくって強くなるしかないな。
……ゴブリンが絶滅しなきゃいいけど。
*
転生から一週間。
俺はゴブリンを乱獲した。
それはもう、乱獲につぐ乱獲をした。
おま、ちょ、やり過ぎwとか某掲示板で言われそうなくらい乱獲した。
結果───
(やっぱり絶滅したあああああああ!!)
───絶滅させてしまった。
なお、現在のステータスは……
☆☆☆
名前:無し
種族:弾性円形物質
称号:調停者
種族スキル:『暴食』(★)
スキル:『武器創造』(★★★)
Lv:29
HP:168(168)
SP:168(168)
ATK:34
DEF:34
INT:34
RES:34
SPD:34
HIT:34
ボーナスポイント:421
☆☆☆
うん。どう考えても狩りすぎたよな。
400匹以上も殺せばそりゃ絶滅するわな、うん。
狩りというより、これじゃあ虐殺だ。
あと、新しい発見もした。それは……擬態能力。
暴食で吸収したものの姿になる事ができる能力だ。
今なれるのは……
岩
鉱石(鉄?)
ゴブリン
ハイゴブリン
この四つだ。
ハイゴブリンはゴブリンの集団のリーダーだった。
死んだけどね。
おかげさまで、武器を持てるようになったし、岩に擬態して洞窟内で眠れるようにもなった。
擬態能力……便利だ。
これからもガンガン使って行こう。
ここで切りたかったので。