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転生したら丸くてプヨプヨなあいつになってたorz  作者: ナマモノ
第二章 銀の少女と修行の日々
19/22

外伝-2 そのころ地球ではpart2

番外編投下します(`・ω・´)ゞ

いない。



あいつがいない。



そんなはずは無いのに。



あいつが私を置いて行くはずがないのに。



だって、あいつはいつだって事件に頭を突っ込む私を諌めていて。



そのくせ、「しょうがねえなぁ」なんて苦笑いしては私のことを手伝ってくれてた。



私が危機に陥ったときも「お前アホかぁぁ!?なんでわざわざゴロツキにメンチ切りにいくかなぁ!!」とかギャーギャー文句をいいつつも助けてくれていた。



ひねくれていて、素直じゃない。



私がちょっと抱きついただけで「うわぁっ!?」なんて言って飛び上がって逃げだすような恥ずかしがり屋で。



だけど、肝心なときにはとても頼もしくて。



バカみたいに強くて頭が回るあいつが。



電車に轢かれるなんて、有り得ないはずなのに。






─────ピピピピピ。カチッ。




「ぅ……ん……」



……もう、朝かぁ……。

私はうるさい目覚まし時計のアラームで目を覚ました。午前7時。今日も学校に行かなくてはならない。


グッと背伸びをして、私はベッドから起き上がった。


欠伸を噛み殺しつつ一階に降りると、すでにお母さんが朝食を用意してくれていた。



「お母さんおはよ~……」

「あら、おはよう飛鳥。朝ごはん出来てるわよ」

「はーい」



私は重い目を必死で開けつつ、もそもそと目玉焼きパンを食べながらテレビをつけてニュースを見た。


最近、謎の失踪を遂げる行方不明事件が何件も起こっているらしい。全く、物騒な話だ。

ニュースでは『現代の神隠し事件か!?』などと報道しているけれど、十中八九何者かが連れ去っているんでしょ。


私も、何回か不審者に連れ去られそうになったことがある。まあ、全部あいつが助けてくれたし、その不審者は顔がアンパンマンみたいになっていたけれど。


そんなことを考えていると目玉焼きパンが食べ終わったので、私は学校に行く用意をした。


歯を磨き、顔を洗い、髪を梳かして身だしなみを整える。それを終えて着替えも済ませると、学校に行く前に私は二階に上がり机の写真に挨拶をする。



「じゃあ、行ってくるね……ユウ」



今日も、あいつが居ない日常がはじまる。





学校に行く時、いつも通りに私は駅前の花屋さんに立ち寄った。


「こんにちは~」

「おや、嬢ちゃんか。いらっしゃい。今日もいつも通りに菊の花でいいのかな?」

「はい。お願いします」


私はこの花屋さんの常連客なので、店主のお爺さんに顔を覚えられている。毎朝、菊の花を買っていくのも印象的なのだろう。


「あいよ、どうぞ。学校がんばっておいで」

「はい、ありがとうございます」


私はお金を払い、菊の花を受け取って駅のホームへと向かった。


私が通う学校はここから15分ほどかかる駅から歩いてさらに約5分ほどかかる。幸い、通勤ラッシュとは真逆の方面なので電車内で座れるおかげでそこまで大変ではない。


……正直、いつも思うんだけど、誰かにぶつかるほど人がいるわけではないのに通行人にぶつかってホームに落とされたあいつに違和感がある。人間に死角からぶつかられるなんて、あいつの気配察知能力の高さを考えれば有り得ないはず。



本当に、あれは事故だったんだろうか?



あいつが死んだ事件について考えていると、何時の間にか目的の駅についていたので慌てて私は電車を降りた。





学校につき、急いで教室へと入ると騒がしかった教室がシン……と静まり返った。


……ああ、またか。


私は内心でため息をついた。


入学式早々に幼馴染が死んだことにより、現在私はこの教室で腫れ物を扱いされている。まあ、私だって彼らの立場ならばどうしていいかわからずに困ってしまうとおもうので文句は言えないのだけれど。


私はそんな空気に気づかないふりをして、あいつが座るはずだった席に置いてある花瓶に菊の花を活け直して、その隣りにある私の席についた。


しばらくして教室に喧騒が戻ると、私は小さくため息をついてから席に座って机の中に教科書を移s……あれ?なんだろ、これ?


教科書を入れようとしたら、ガサッという紙の擦れる音が聞こえた。


疑問に思って机の中を探ってみると、白い封筒が出てきた。開けてみると中には手紙が入っていて、こう書いてあった。



『あなたに伝えたいことがあるので、今日の放課後校舎裏でまっています。神宮司隼人』



神宮司隼人。その名前は私も聞いたことがある。確か、神宮司グループとかいう財閥の御曹司だったはず。頭脳明晰、容姿端麗、運動神経も良いというハイスペックな人物だ。性格は知らないのでなんとも言えないのだけれども。


それにしても、一体なんの用事なんだろう……?私と彼に接点はないはずだけれど。私のような一般人に手紙を出す理由がないはず。


私はわけがわからずにうんうん唸っていた。





放課後。


私は荷物を整理すると、校舎裏へと向かった。


校舎裏に向かうと、一人の男子生徒が壁に寄りかかってまっていた。おそらく彼が神宮司隼人だろう。



「こんにちは。あなたが神宮司隼人?こんなところに呼び出して何の用?」

「やあ。こんにちは、小鳥遊さん。来ていただけたのですね」



神宮司は私に気がつくと、キザったらしい笑顔を浮かべてあいさつをしてきた。

……なんだろう。この人、確かに顔がいいんだろうけど、凄くイヤな感じがする。なんというか、視線が粘っこくまとわりついて来るような……そんな感じがする。


そんなことを考えているとも知らずに、神宮司は喜々として話し始めた。



「ここに呼び出した理由は簡単です。飛鳥さん、あなたに一目惚れしたので、よろしければお付き合いして欲しいのですよ」



彼は笑顔でそう言い放つが、その目には自信がありありと浮かんでいて、断わられることなんて考えもしていないようだった。



「お断りします」

「えっ?」



いやまあ、断りますけどね。



「何故ですか!?」

「私、好きな人がいるんで」

「なっ!?そ、それは誰ですか?」

「私の幼馴染。ずっと昔から好きなのよ」



そう、私はユウに片思いしていた。もう死んじゃっていないけれど、それでも今でも好きなんだ。素直になれなくて、言動が変になっちゃったりしたせいでユウには変なやつだと思われちゃってたけど。くそう。


まあ、この男も好きな人がいると言えば諦めるでしょう。


私はそんなふうに思っていた。しかし、次の言葉で凍りついた。




「はぁっ!?そんなやつにですか?あなたが?ふざけないでください。あなたのことは調べましたが、あなたの幼馴染、既に死んでいるじゃないですか。どうせたいした男ではなかったんでしょう?飛鳥さんは騙されてるんですよ。僕には金も、権力もある!そんな男よりもずっと幸せにしてあげますよ」




……びっくりした。まさか、ここまでバカだとは思わなかった。好きな人がいると言われてこんな返しをしたら相手に嫌われるのがわからないのかな。


私は、目の前の神宮司(生ゴミ)を徹底的に叩き潰すことにした。



「うるさいから黙ってくれない?虫唾が走るんだけど」

「なっ!?僕はただ…」

「ねえ、聞こえなかったの?うるさいんだけど。耳が腐るから黙って。ああ、「だまれ」っていう言葉は難しかったかな?だまれっていうのはしゃべるなってことなんだよおわかり?ああごめんなさい、あんたに三行以上の言葉は理解出来ないよね」

「バカにしてるのか!?」

「バカにしてるも何もただ事実をのべてるだけでしょう?とりあえず、あんたとは付き合わないわ。あんたと付き合うくらいなら生きたまま巨大な昆虫に頭からバリバリ喰われたほうが数倍マシだわ。生理的に無理なのごめんなさいね?」

「……」



あー、すっきりした。言ってやったわ。ぷぷっ、こいつ顔赤くして口パクパクしてる。死にかけの金魚みたい……って金魚に失礼ね。ごめんなさい。



「では、言うことは言ったんでさようなら」



私は踵を返し、その場を去ろうとしたが……



「ふ、フザケルナ!総員、この女を捕まえろ!」



クズが何かの号令をかけると、茂みの中から黒服をきた男が五人現れた。

……マズイ、挑発しすぎた。

私は全力でその場を離れようとして……



視界すべてが眩く輝き─────





─────気がつくと、薄暗い部屋の中にいた。

え?え?何がおきたの?


「おおっ!成功したぞ!」

「やった!これで人類は救われる!」


口々に喜びをあらわにするローブをまとった人たち。


そして、私の正面にいるものすごい美少女。


まるでお姫様のような服を着たその子はしずしずと私の目の前に歩いてきて、こういった。



「お助けください、勇者様!」



……小鳥遊飛鳥、16歳。


生まれて初めて異世界召喚された模様。

12/24誤字訂正

断わりますけどね→断りますけどね

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