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転生したら丸くてプヨプヨなあいつになってたorz  作者: ナマモノ
第一章 転生と出会い
15/22

砂漠の死神

難産でした(^^;;

ベルゼ家を壊滅させた次の日の朝。

俺は宿を解約して、ドザ砂漠にいく前に昨日広場に放置してきたベルゼ一家がどうなったのか見に行くことにした。


だが……


「…人、多すぎだろ…。いや、俺のせいなんだけどさ……」


広場に向かって人々が津波のように押し寄せていたのだ。

もはや、ちょっとした暴動である。

本来ならば街の治安維持を行うはずの騎士団はここには存在せず、普段は騎士団の代わりに街の治安を維持している冒険者は民衆とともに広場へと向かっている。


俺はあまりの人の多さに嫌気が差し、トンボに変身して広場へと飛んでいった。







広場の中央。

そこには、手足をもがれ、下あごを奪われた三つの肉塊が人々に嬲られていた。


「うらあああ!!エミーの仇っ!!」

「ゔぁあ゛あ゛あ゛あ゛!」


涙を流しながら怒りと共にそこにいた冒険者は勢いよく肉塊を蹴り飛ばした。

蹴り飛ばされたその肉塊は運良くまだ生きているようで、苦悶とも怒りとも取れる声を挙げていた。

蹴り飛ばされ、地面にグシャッと墜落した肉塊は、「ひっ、ひっ、ひっ」という情けない鳴き声を出しながら芋虫のように惨めに這いずり逃げ回る。だが、その間も周りの人々から石や泥を投げつけられていた。

暫く逃げたところでまた他の民衆に蹴られて、中央に押し戻される。


これの繰り返しだが、この肉塊……ピエール以外の肉塊は全て蹴られすぎて中世風街並み特有の石畳で体がどんどん削られ潰れて、肉がグズグズのペースト状になり。そのまま体が半分くらいになって死んでいる。

しかも、死してなおその肉塊は蹴られ殴られ潰れていっている。


彼ら肉塊が見下し、無視し、虫のように使い潰していた民衆。


その民衆によって蹴られるたびに、彼らの体を構成していた細胞がグシュグシュになり、溶け、宙を舞う。


彼らは、結局、自らの行いで買った恨みによって、滅びたのであった。







いやあ……エグかったなあ……。

俺はドザ砂漠上空を飛びながら広場で起こっていた暴動を思い出していた。


さすがにあそこまで凄惨だとは思わなかった……。全身の肉が潰れて皮膚が赤黒く染まってる上に、体液と混ざり合って赤黒いジュースみたいに体の一部がなってた……。数の暴力恐るべし。


閑話休題。


今、俺はドザ砂漠上空をトンボの姿になって飛んでいる。

今朝はゲシュタイト領上空を飛んでいたが、ゲシュタイト領は南北に長く、東西に狭い。

そのため、今日の昼にはゲシュタイト領を既に出て、ドザ砂漠へと差し掛かっていた。


ちなみに、俺はとんでる間基本暇なため、今は太陽光を喰いながら飛んでいる。体内に貯めておけば、いざというときに目眩ましぐらいにはなるだろう。







……おや?


次の日の朝。


俺は昨日と同じく光を喰いながら空を飛んでいると、前方から怒号と悲鳴、そして何かの咆哮が聞こえてきた。


……すごく、嫌な予感がする……。


……でも、気になるなぁ……。


うーん……まあいいや。行くか。好奇心猫を殺すとは言うけれど、多分大丈夫だろう。いざとなれば逃げればいいし。


気になり、近づいてみると、俺が思っていた以上に厄介な状態になっていた。


厄介なところその一。

馬車がやたら豪華。


……ハイ、どう考えても貴族の馬車です。ありがとうございました。というかまた貴族かよ。どんだけ運が無いんだよ……。なんか、周りにいる護衛の騎士っぽい鎧の奴らが「姫はやらせんぞー!」とか言っているのは幻聴だと思いたい。


厄介なところその二。


戦ってるモンスターがどうみてもワイバーン……。危険すぎるだろ……。

ちなみに、『神の知識』で見た結果はこちら。



☆☆☆



名前:無し

種族:サンドラゴ

ランク:B

属性:土

備考:ドザ砂漠に住む唯一の亜竜種。昼間に行動し、夜は地面に掘った巣で暮らす。空中戦闘を最も得意とし、『砂漠の死神』とも呼ばれ人々に恐れられる。亜竜にしては珍しく群れを作らない種族。最大の武器は砂嵐のブレスで、まともに食らえば砂で体が一瞬のうちにけずられ死に至る。弱点部位は腹の内側。




☆☆☆


まさかのランクBモンスター……。ちなみに、同ランクの冒険者とモンスターが戦う場合、モンスター一体に対して最低冒険者六名が必要だと言われている。

馬車の護衛の騎士達の実力はわからないけれど、九人中既に二人ほど殺られてるところを見るとあまり期待しない方がいいだろう。


で、最後に厄介な所その三。


サンドラゴにめっちゃ唸られてる。それはもう、ちょっと引くくらいにかぶりつきで見られてる。というか、どう見ても襲う気満々だよな?なんで?俺、今トンボなのに。

……もしかしたら、俺の後ろを見てるのかもしれない。うん。そうに違いない。

というわけで……ちょっと実験。


俺が右に移動する。


サンドラゴの目も右に動く。


俺が左に移動する。


サンドラゴの目も左に動く。


……ああうん。やっぱ、めっちゃ見られてるな。うん。気のせいじゃ、なかったな……。

そしてサンドラゴの口から涎が垂れてるように見えるのは幻覚だろう。

さらに言うと、俺を見てボケっとしているサンドラゴを騎士が攻撃してるけど、それが全く効いてないように見えるのも幻覚だろう。というか、幻覚であってくれ。頼む。格上モンスターと戦わなきゃいけないのに、周囲には足手まといが居るとか鬼畜すぎる。


そんなことを考えながらサンドラゴを観察していると、痺れを切らしたサンドラゴが空に舞い上がり、襲いかかってきた。


「シャアアアアアアアッ!!」


サンドラゴが噛み付いてくる。

俺は慌てて後ろに下がると、目の前でガチンッという恐ろしい音とともにサンドラゴの口が閉じた。

もし後少し回避するのが遅かったら……そう考えるとゾッとする。


それはともかく、こいつ相手に空中戦闘は無謀だ。早く地面に降りよう。

俺は地面に向かって急降下し、へんs……うわっ!?サンドラゴの奴、もう追ってきた!


俺は予定を変更し、降下スピードをちょっと緩めた。

すると、シメた!と言わんばかりにスピードを上げてサンドラゴが追ってきた。

俺はそれを地面スレスレまで引き付けて……急に直角に曲がった。すると……



「グギャ!?」



スピードを上げすぎたサンドラゴは止まることも曲がることも出来ずに、地面に激突した。

追ってきたサンドラゴが怯んでいる隙に、俺は人間に変身して風の刀を手に出す。

戦闘準備を終え、サンドラゴに向き直ると……



「………!!」



……サンドラゴは地面を噛んでしまったようで、歯が深く地面に刺さっていた。

なんとか歯を外そうとして頑張っているが、相当強く刺さっているのか、外れない。


……何かよくわかんないけど、チャンスのようだ。俺は刀を鞘から一気に抜刀し、サンドラゴの頭を斬りつける───っ!!


───ギィン!


しかし、俺の渾身の一撃は、硬い鱗に阻まれて効果が無かった。


さて、どうしたものか……。


俺はバックステップで後ろに飛び、仕切り直した。

さっき斬りつけた衝撃で刺さっていた牙が外れたのか、サンドラゴはすでに起き上がっていて、しかもその目は殺意に満ちていた。

俺とサンドラゴは互いに睨み合いながら、ジリジリと間合いを詰める。

ヒュウ、と一瞬風が強く吹いた瞬間にバッと同時に俺とサンドラゴは突撃した。

サンドラゴは低く飛びかかりながら、右の爪を振るう。だが、俺はそれを更に加速することで躱し、すれ違いながらサンドラゴの腹を切る。

しかし…


「……くそ、やっぱ硬いな……」


腹には鱗こそ無いが、皮膚の下には分厚く頑丈な筋肉の層があり、あまり効いていないようだった。

俺は体勢を立て直し、ムチのように振るわれた尻尾をしゃがみ込んで避けた。

尻尾が振り切られ、無防備になったところを斬りつけようとしたそのとき。


「そこの冒険者、助太刀するっ!第一近衛隊、行くぞ!」

「「「応!」」」


思いっきり横槍を入れられて切り込むタイミングを逃した。

……いや、邪魔すんなよお前ら。帰れよ。助太刀とか要らないから。

案の定、近衛隊(笑)が助太刀したせいで、サンドラゴの動きが見えづらくなった。

そんな俺の苛立ちにも気づかずに、近衛隊(笑)はサンドラゴに群がる。

だが、元々の力に差があり過ぎて、サンドラゴがブルッと身震いしただけで近衛隊(笑)は弾き飛ばされた。ざまぁ。


しかし、そこでサンドラゴが下を向き、息を吸い込み始めた。……まさか。


「おいっ!お前ら逃げろっ!!ブレスが来るっ!!」


俺はそう叫び、注意を呼びかけたが近衛隊(笑)は興奮していて聞こえないのか今だに群がろうとしている。

……クソっ。俺が抑えるしか無いのか……。

俺は舌打ちをして、サンドラゴの目の前に行き、体をスライム状にもどして壁のように体を薄く広くした。


「なっ!?新手の魔物か!?」


誰が魔物だこの野郎っ!!

……まあいいか。とりあえず、暴喰発動。

俺が暴喰を発動させると同時に、サンドラゴがブレスを吐いた。

俺の体に当たったブレスは、全て吸収されていく。

もしコレが放たれていたら……馬車のほうまで被害が出たかもしれない。ブレス受け止めてよかった。


そう考えているうちにブレスが止んだので、人間の姿に変身(近衛隊がうるさいけど無視)して、『超速機動(オーバーフロー)』を発動させた。


世界が灰色になり、時の流れがゆっくりになる。

サンドラゴがこちらを向こうとしているが───遅い。

俺はサンドラゴの左側に移動し、風の刀で腹から背中へと斬り上げた。

すると、刀は何の抵抗もなくサンドラゴの体を一刀両断した───って、なんで!?鱗さっき切れなかったのに!!

うーむ……速度のせいか?まあいいや。超速機動の効果が切れる前に逃げようか。

俺はサンドラゴの体を喰らい、サンドラゴに擬態してその場を飛び去った……その瞬間。世界が色を取り戻し、時の流れは元にもどった。


って速い速い速い速い!

俺は超速機動の時に飛んでいた慣性で飛び上がった。

というかこれ、音速超えてないか!?衝撃波出てるんだけど!?

うわっ、速過ぎて周りの景色が見えねえ!



誰か……誰か止めてくれええええええっ!!

ちなみに、サンドラゴは時速150kmちょいで空を飛びます。

7/25 風邪→風 修正しました

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