ベルゼ家殲滅作戦
注意:今回胸糞悪いやつが出てきます。お気をつけください。
あの後。
少女と別れ、一旦宿屋に戻った俺は確認のため女将さんに昼飯ついでにベルゼ家について聞いてみた。
すると、女将さんは苦虫を数十匹噛み潰したような顔をして、
「ベルゼ家ねぇ……。あの家は、一言で言うと『クズ』だよ」
と吐き捨てるように言った。
なんでも、一家全員が何らかの犯罪に手を染めている上に、民を放ったらかしにして汚職と豪遊の限りを尽くしているとのこと。
拉致、監禁、強姦、殺人、恐喝、強盗、拷問、人身売買、ect……。
これらの犯罪の被害者は沢山出ていて、そのせいでこの街には若者があまりいないとのこと。
かくいう女将さんも被害者の一人で、娘さんと息子さんをベルゼ家に攫われてしまったらしい。
「……まあ、そんな訳で今あたしには子供がいないんだよ」
女将さんは悲しそうにそう締めくくると、厨房の奥へと帰っていった。
*
俺は部屋に戻り、ベッドに倒れこんだ。
「…………」
ゴロンと寝返りを打ち、天井をじっと見上げながら考える。
ベルゼ家をどうしてくれようか、と。
奴らの犯罪について俺は今腸が煮えくり返るほどイラついているので、処刑は確定だ。慈悲は無い。
問題はどうやって処刑するかということだ。
サクッと殺して終了っていうのは無しだ。この世の地獄を味合わせた上で絶望を与えてから殺処分しないと気が済まない。
また、俺が潰したことがバレると問題だ。まず間違いなく犯罪者扱いにされるからな。俺だけならともかく、グリモワール家にも迷惑がかかる。よって、白昼堂々と武力でもって殲滅するのはダメだ。
静かに、確実に、秘密裏に処刑するべきだ。
……お。いいこと思いついた。
俺は処刑方法をピンと思いつき、さっそく準備を開始した。
*
深夜。
ベルゼ家の門番のアルクは非常に退屈していた。
「ふぁ~……。あー……クッソ眠ぃ」
「おいおい、アルク。気を抜いてんじゃねーぞ?いつ恨みで暴走した民衆が武器を持って襲ってくるかわかったもんじゃねーんだぞ?」
「はっ。んなこたわかってんだよ。まあ、どうせやってきたところで全員捕縛されるだけだろうけどなぁ…。むしろ、捕まえた女は好きに出来る分、やってきてくれたほうがいいなぁ」
「まあ、そうだけどよ…。気を抜いてたら勝てるもんも勝てねえぞ?」
「へいへい、わーかったよ」
アルクは相方になだめられて仕方なく気を引き締めた。
とはいえ……
(どーせ誰もこないだろうけどなぁ……)
はぁ…と内心で溜息をつき、前を向いた。
「まあアルク。交代の時間が過ぎればあの方のおこぼれをいただけるんだからよ、それまでの辛抱だ」
そう言ってハッハッハと笑う相方。
それもそうかぁ、と思い同意しようとしたそのとき。
相方の首が、ズルリとズレた。
「え……?」
噴き出す血しぶき。
噴水のように噴出されたそれは、ツンとした鉄錆の匂いを伴って辺り一面に撒き散らされた。
落とされた相方の首がゴロリと転がり……
光を映さな目がこちらを見た。
「……ぁ」
何故?どうして?
そんな意味の無い疑問ばかりが頭を埋め尽くす。
(……敵襲だ)
そのことにハッと気がつき、応援を呼ぼうとしてふりかえったそのとき。
(……え?)
彼の視界に夜空が映った。
(何……が……起こって……?)
そこまで考えたところで、彼の意識は闇に消えていった。
*
……いやぁ、ここまで強いとは思わなかった。
俺は思わず今手の中にある物を引きつった笑顔で見た。
@@@
名称:風の刀
材料:鉄(高品質)
属性:風
備考:ゼノン・グリモワールによって作成された風の力を大量に込められた刀。その刀を一振りすれば、敵は瞬時に細切れになり、たとえ離れたところにいたとしてもその刃から逃れることは出来ないだろう。
@@@
……はい。属性付き刀を作ったらこうなりました。
というかここまで強くなるとは思っていなかったんだよ!
何か、剣戟が飛ぶんですけど!?屋敷の屋根から門番まで届くとかどんだけ射程距離長いんだよ!?どう見ても数百メートルは離れているぞ!!
……ふう。まあ、いいや。よく無いけど、今はいいや。置いておこう。
とりあえず、門番達の死体を回収しなきゃな。
*
屋敷周辺の兵士をすべて処理した俺は、ドアに穴を開けて静かに屋敷内へ侵入した。
「うわぁ……」
屋敷に入って辺りを見わたした俺は思わずドン引いた。
何故なら……
「どこもかしこも金ピカとか……悪趣味極まりないな……」
床が金色なら壁も金色。天井、柱、さらには置物まで金色。
唯一レッドカーペットのみが赤色だ。
「これ、昼間に見たら目が痛いんじゃ……?」
思わずそう呟いてしまう。
成金趣味も大概にしろと言いたい。
そんな内装に圧倒されながらも、俺は探索を開始した。
*
この屋敷は二階建てだ。
構造としては、玄関ホールから左右に通路が伸びていて、そこに客室が沢山ある。
玄関ホールの奥には食事をするためのどでかい長机がある部屋と、そこに繋がる厨房がある。
玄関ホールの隅には螺旋階段があり、二階と地下室に行けるようになっている。
二階はベルゼ家のプライベート空間で、地下室は拷問室&地下牢となっている。
そんな訳で、俺はまず一番怪しい地下室へと行くことにした。
さてはて、何が出るやら……。
*
螺旋階段を降り、地下牢へと近づいて行くにつれて、人の声が微かに聴こえてくるようになった。
『……ぁ……やめ……』
『……ぁあああぁ……』
『……か……けて……』
……ここからでも聴こえてくる苦悶の声と叫び声の残滓。
この奥で一体どんな非道なことがされているのだろうか……?
俺は、敵の様子を探るため、蟻に擬態して壁に『暴喰』で穴を開けて侵入した。
蝋燭に照らされた薄暗い地下室。
そこには。
「イヤアアアアアアアアアッ!!やめて!来ないでえええええっ!!」
一人の女が下卑た笑みを浮かべた金髪の男に地下室の床に押し倒されていた。
「やめろおおおっ!やめてくれっ!彼女には手を出さないでくれっ!!」
「アッハッハッハッハ!!愛する彼氏の前で無理矢理犯される気分はどうだい~?んん?おらっ!もっと啼けよっ!!」
自分の彼女に手を出さないでくれと懇願する男を尻目に金髪の男は荒々しく腰を動かす。
「アアアアアアアアアアアッ!!!」
乱暴に突き立てられた痛みと、彼氏では無い男に犯されている嫌悪感から女は絶叫を上げる。
「うわああああああああああああっ!!もう、やめてくれぇっ!いっそ、一思いに殺してくれえっ!!」
「アーッハッハッハッハ!いやあ、彼氏の前で無理矢理犯すのはやはり最高だねぇ~!」
半狂乱になって叫ぶ男と、高笑いしながら腰を降っている人の形をした獣。
……。
……。
……殺…
……殺…す…
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!!
───俺の視界が、真っ赤に染まり、理性が弾け飛んだ。
*
彼───ベルゼ家跡継ぎのピエール・ベルゼは困惑していた。
彼はいつもの如く、街でイチャイチャしているカップルを部下に攫わせて、家の地下室で男の前で女をこれでもかと言わんばかりに犯していた。
荒々しく女に棒を突き立て、感情がどんどん高ぶり、嫌がり泣き叫ぶ女の胎内に白い欲望を深く深くぶちまけようとしたそのとき。
全身が、鋭い刃物に突き刺されたような感覚が走った。
もはや殺気と言うのも生ぬるい死の気配。
腰を浮かせた状態でギギギィ……という音が鳴りそうな動きで恐る恐る後ろを振り返ると……
ドス黒い紅色の不定形がいた。
見る者全てを不安にさせるような色の不定形の【そいつ】。
【そいつ】には目も足も無く、何も出来ないはずなのにピエールの本能はこれ以上ないほどに警戒していた。
こいつは、ヤバい。
一目で無理矢理そう思わせるだけの迫力がそいつにはあった。
……そういえば、こいつはどこから入ってきたのだろう?
ふと、疑問を覚えて気がちょっと緩んだ次の瞬間。
ピエールの大事なボールを何かが貫いていた。
「ギャアアアアアアアアアアアアッ!!」
熱い熱い熱い熱いィィィッ!!
ジュワッッ!という肉が焼ける音と共にこの世のものとは思えないほどの痛みが襲ってきた。
彼の股間には真っ赤に赤熱したダガーが根元まで突き刺さっていて、周囲にあった玉やら棒の根元やらは完全に焼けて炭となっていた。
彼は大慌てで女の秘部から棒を抜き、焼失する前に股間からダガーを引き抜こうとしたが、時はすでに遅く彼の息子は黒く炭化し永遠に失われてしまった。
そして、彼は焼けるような痛みと息子を失った喪失感でついに気絶した。
*
……ん……?……俺は、一体……?
気がつくと俺は異臭の立ち込める地下室に立っていた。
焦げ臭いのと生臭いのが混ざり合って大変気分の悪い臭いが漂っている。
前をみると、ウザいあのイケメンがいろんな所から液体を流して倒れていた。一応呼吸はしているので、死んではいないようだ。
とりあえず金髪イケメンを縛り上げようと思い近づくが、何時の間にかスライムの姿になっていたためこのままでは縄で縛れないことを思い出すと、俺は人間の姿に擬態した。
「ひいっ!?に、人間!?」
「ぅん?」
すると、壁に留められている男が恐怖の声を挙げ、ガタガタ震えはじめた。
……まあ、あんなことされりゃ人間不信にもなるか。というか哀れだな、コイツ……。予定を変えてまずはコイツを壁から離してやるか。
「や、やめてくれ!もう、サリーに酷いことをしな……」
「えいっ」
男がなんかガタガタ言ってたけど無視して、俺は壁の拘束具を喰い破った。
「……え?……助けて、くれたのか?」
男は突然のことにポカンとして俺に訊ねた。
「おう。そうだが?あいにく、こちとら一般的感性の持ち主でな。罪も無い一般人を苦しめる趣味は無いんだよね……。っと。俺は後ろ向いてるから、その間に彼女を助けてあげな。門番とかは全滅させてあるから、安全に街ぬ帰れるはずだぞ」
俺はそういうと、粘液塗れになっている女性から目を逸らし、後ろを向いた。
「……っ!!何から何まですまんっ!恩に着るっ!!」
男はハッとしてそう叫ぶと、急いで彼女の元に駆けつけた。
*
しばらくして、男が彼女を抱えて地下室を出ると、俺はとりあえず金髪の股間から改修した火属性のダガーを使って四肢を切りおとした。
「ヴァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!」
「煩い。黙れ」
四肢を切りおとし、傷口をダガーで炙って止血すると、痛みで金髪が暴れたので顔を蹴って黙らせた。あ、何本か歯がイったなこれ。
「ブフゥッ!?ぎ、ぎざま!ごのボグにばんでごど……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」
煩い。汚い口を開くな。獣の分際で喋るんじゃねえよ。
俺は思わずイラついてそいつの下顎を舌を残して切り落とした。舌を切ったら死んじゃうからね。まあ、切らなくっても口の中は軽く炙るんだけどね。唾液ダラダラだと汚いし。
……んー。まあ、まずはこんなもんでいいか。手足無いから逃げられないだろうし、適当に転がしておくか。
さて、次は二階かなー。どんなことをしているやら……。
*
二階、領主夫人の部屋。
そこにいつもの如く侵入した俺は思わず絶句した。
何故なら。壁一面に、幼い子供の剥製が飾ってあったからだ。
しかもそれを恍惚とした表情で見ながら、夫人がクチュクチュと淫靡な音を立てて自慰をしているのだ。
……いやあ、ここまで来ると何も言えねえ。ペドフィリアかつネクロフィリアとか……。いくら何でも変態過ぎるだろ……。
とりあえず……だ。
「ルーちゃんルーちゃんルーちゃんハァハァ……!ルーちゃんルー……」
「うらあっ!汚物は消毒だあっ!!」
「ヒデブッ!」
金属バットでホームランさせていただいた。
……うん、忌避感から思わず力込めちゃったけど、大丈夫だよね?変態だし。なんか、床と並行に吹っ飛んでいったけど、死んでないよね?変態だし。
とりあえず、小さい子を殺して剥製にしたことに対してはかなりイラついているので、息子と同じく四肢切り落とし&アゴ切り落としを行なった。
よし、次はついに領主だ。後で回収するのも面倒だ。息子と夫人を引きずって連れていくとしようか。
*
領主の部屋に侵入すると、そこは。
女の死体が数人分積み重なっていた。
どの女も片足が無かったり、片腕が無かったりしていて、酷いものだと首が変な方向性に曲がっていたりした。
……クズが。
俺は湧き上がる殺意を何とか抑えて、お楽しみ中の豚の真後ろへと音もなく忍び寄る。
「………」
「グフェフェフェ。やはり、女は死にかけが一番じゃのう。よく締まるわい……」
「………」
「……あー、此奴はもうダメじゃのう……反応が無いわい。廃棄じゃな。まあ、最後に一発ぶち込んで……」
ああもう無理です怒りが抑えられないヤっちゃってもいいよね大丈夫だよねよしヤろう。
俺は人型を取り、右足を半歩引いて、腰を深く落とす。
目を軽くつむり、精神を集中して……カッと目を見開く。
「秘技!ボール☆クラッシャアアアアアアアアアアアアア!!」
「アビョオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!」
俺は最高速度で右足を振り抜き、豚野郎の大事な玉をパアンッ!という破裂音を立てて消し飛ばした。
豚野郎は悲痛な声を挙げて股間を抑えて転がった。
「あ?豚の鳴き声は『ブヒィ』だろうが。わかったか豚?おら、鳴けよ豚は豚らしく惨めにな」
俺は豚にそう言い放ち……ケツ穴に火属性のダガーをぶっ刺した。
うわぁ汚い。このダガーは廃棄決定だな。吸収したくない。豚が移る。
「ブヒィッ!」
「うわマジで鳴きやがったこの変態」
「貴様がやれと言ったんじゃろうが!」
引いた。ちょっとどころでなく引いた。
ナイワー。
まあ、何でもいいか。
とりあえず、コイツもダルマにして下あご部位破壊っと。
よし、あとはこいつらを街の大広場に放置しておこう。
お前らが散々苦しめた民衆に寄って集って殴りころされるがいいさ。ウケケケ。
……こうして、ベルぜ家は一夜にして滅んだのであった。
やたらと長くなってしまった……。
ところで、あの描写はセーフなんでしょうかね……?




