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昼下がりの情緒

作者: 八月一日

今回の短編は、若干仕込みがあるよ~

 とある昼下がりの事。私はベッドの上でぐったりとしていた。デニムの短パンにタンクトップという、暑さしのぎの格好をしても熱い。というか、部屋のクーラーが壊れたせいでこんなぐったりするハメになってたりする。じゃあリビングにでも行けばいい? 何を言ってんのやら。リビングに行けば確かにクーラーがあるけど、リビングに行けば重度のシスコンの妹がベタベタとしてくるから行けない。部屋に関しては無断立ち入り禁止令を出してるから強行してこない限り安全圏。だけど、冷房がない。窓を開けても風が入ってこない。どうしよう。


「あつい……」


 あついって言ったところでどうにかなるようなもんでもない。あつい、どうしよう。


「あー……死にそう」

「お姉ちゃん死んじゃうのッ!?」

「誰が入っていいって言った」


 このシスコンめ。誰の許可を得て入ってきた。


「ねえ死んじゃうの? ねえッ!?」

「あーもう、暑苦しいッ!! べたべたするな!」


 ベッドでぐったりしてる私に抱きついてくるシスコン。それを引きはがすだけでも汗が出てくる。


「どさくさにまぎれてどこ触ってんのこのド変態」

「どこって何もつけてないお姉ちゃんの胸」


 しかも普通に触るんじゃなくてねちっこくなでまわしてきてる。誰だ、誰がこんなド変態を私の妹にした。


「出ていけッ!!」


 ド変態を部屋から追い出して、速攻で着替える。もちろんブラをつけるのも忘れない。そして脱兎のごとく部屋を飛び出し、飛びついてきたシスコンをダマラセテ家を出た。家を出て向かった先はお隣。


「けーいー」


 とりあえず名前を呼びながらリビングに入る。お、いた。


「……彩織(さおり)、目的はわかってるぞ」

「手間が省けてよかったわ」


 (けい)の座ってるソファの向かい側に寝転がる。あー、涼しい。


「うちは避難所じゃねぇぞ」

「いいじゃない別に。てか、彼女が暑さでうだってんだからどうにかしてよ」

「何をどうしろって言うんだよ。てかすでに冷房浴びてるだろ?」

「あーつーいー」

「これ以上温度さげねぇぞ」


 慧は澄ました顔で私を見てる。あー、殴りたい。


「暑いなら脱げよ」

「下着含め、今4枚しか着てないんだけど。これ脱いだらブラしかないんだけど」

「暑いなら仕方ないだろ」

「あー、あれね。そっから襲いかかってくるって寸法」


 とはいっても、暑いからそういった事は遠慮したい。余計暑くなる。


「なにそれ、誘い?」

「そう聞こえるんだったら耳鼻科行って来い」

「そういえば前シたのっていつだっけ」

「さあ」


 なんで会話の流れがそっちに流れて言ってんの? あと前にシたのは8日前。


「まあいいや。昼は?」

「まだ食べてない」


 そう返すと慧はソファから立ち上がってキッチンに入ると、冷蔵庫から材料を取り出して調理を始めた。まあ、今時珍しい光景でもないでしょ。


「なあ、俺彩織の作ったやつ最近まったく食べてないんだけど」

「こんなクソ暑いのに火なんて使えるわけないでしょ」


 料理なんかしたら汗だくでぶっ倒れる。イコールってわけじゃないけど、手伝いはしない。うん、ここで涼んでる。


「手軽にチャーハンでいいだろ」

「んー」


 適当に返事を返すと調理を始めたのか、かちゃかちゃと音がし出した。

 今はその音をBGMにして涼むに限る。


「ねえ」

「あー?」

「8日前にシたっきりだけどさ……シたいの?」


 メキャっと卵が変な音を立てて割れた。あれはきっと黄身がぐちゃってなってる。殻が入ってなければまあいいけど。というか、反応しすぎでしょ。


「……いきなりなんだよ」

「んー? なんとなく」


 そう切り返すと慧はまた調理に戻っていった。

 んー、さすがに8日は間開きすぎ……かな?

 そんなことを思いながらぽけーっとしてたら、チャーハンは出来上がったらしく2人前の器をもって慧が戻ってきた。


「ほれ」

「いっただきまーす」


 さてさて、お味はいかがかな……おお、おいしい。というか私が教えたんだから当然か。そのままぱくぱくと食べす進め、食事中は会話がなかった。というか、なんか気まずかった。

 そして食後、ソファの背もたれにだら~っと体を任せていたら、


「なあ、痩せた?」

「んー?」


 とかいいながらウエスト周りを触ってきた。

 しかしなんで痩せた? これいってなんもしてないし痩せるような事はなんもしてないから痩せた? って言われてもねえ?


「痩せるようなことはなんもしてないけど?」


 だらけさせていた体を起こして慧をなんとなく見る。いや、嘘だろ? 的な顔されも困るんだけど。

 そんな嘘だろ的な顔をした慧は手を放すと、ひょいっと。


「えあ、ちょっ何してんの?」

「何って、抱きかかえてんの」


 横抱き……俗に言うお姫さま抱っこ状態。


「抱きかかえてんのじゃなくて、なんで抱きかかえてのかって聞いてんのよ」

「なんでって、そりゃぁねえ?」


 すたすたとどこかへと歩いて言ってる慧。いや、どこかって言ってもどこに向かってるのかはわかるけど。

 階段を昇りだしたので無駄な抵抗はせずにいたら、慧の部屋にたどりついた。たどりついて、ベッドに放り投げられた。若干痛い……。


「慧にしては乱暴じゃないの」

「たまにはいいだろ?」


 まあ、たまにはね?


*** *** ***


 結果、というか事後。

 ベッドの上で息も絶え絶えで寝転がってぐったりしてる。うん、暑い。そして教訓一つ、スパンは適度にしとかないと今日みたいになる。具体的に言うと、逝きに逝かされて過敏になってるのにまた逝かされて……。


 このすぐ横で何事もなかったかのように寝てる慧。

 なんだろ、寝顔見てたらどうでもよくなってきた……私も少し寝よう。


はい、短編です。


そしてですね、この短編。2WEY仕様となっておりますです。


『strawberrynight』

http://novel18.syosetu.com/n8106p/ 


こちらにて慧と彩織の情事を含めたR-18版を近日公開します。


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