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天才薬師と弟子  作者: ポムの狼
第5章 冒険者

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第78話 暗殺者

「メイがいないだと!?」


 メイの部屋付きメイドから、メイが部屋にいないことの報告を受けたセヴェリは慌てていた。メイドは自分の管理が行き届いていなかったことに頭を下げた。


「あなたが謝る必要はありません。私がメイを見送りました」


 オルガはメイドにそう声をかけて下がらせた。


「オルガ、どういう事だ!」


 セヴェリはオルガの行動が理解できずに動転している。


「メイには、果たさなければならない使命があるの。セヴェリ」


 オルガはセヴェリに事情を説明した。


「事情は分かった………

 だけど、メイが危険な目に遭うことを許すことはできない。ランパン! 急いで冒険者ギルドにメイを探すように依頼を出してくれ。あと例の人も呼んできてくれ」


「畏まりました」


「だめ、ランパン。ちょっと待って。

 セヴェリ、落ち着いて。メイの事を応援してあげて」


「落ち着いてなんかいられるはずないだろ! 逆にどうしてオルガはそんなに落ち着いていられるんだ?!」


「私も両親に冒険者になることを反対されて辛かったから、私はメイに同じ思いをしてほしくないの! メイには心置きなく自分のやりたいことをやってほしいのよ」


「駄目だ…… いくらオルガの頼みだからって、これだけは絶対に譲れない。

 ランパン、行ってきてくれ」


 執事長のランパンは一礼して部屋を出ていった。





* * *





 セヴェリは自分の仕事部屋で例の人が来るのを待っていた。オルガには悪いが、邪魔をされないようにメイド長にオルガを預けてきた。

 扉をノックする音が聞こえた。


「セヴェリ様、お連れしました」


「あぁ、入ってくれ」


「失礼いたします」


 ランパンは後ろに一人の黒尽くめの男を連れて部屋に入ってきた。フードをかぶっていて顔は見えなかったが、腰からグレーの長い尻尾が生えていた。


「よく来てくれた。今日は一人消してもらいたい人間がいる」


 黒尽くめの男はフィンド王国で有名な殺し屋だった。


「娘を攫った男を消してほしい。娘のことは傷つけずに連れて帰ってほしいのだが、できるか?」


「分かりました。前金はご用意できていますか?」


 セヴェリは金貨の入った大きな袋を男に渡した。


「成功したら、この倍払う」


「前金、確かに頂きました。失礼いたします」


 そう言うと、男は足音なく部屋を出ていった。

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