第62話 卒業
「まさか、メイと一緒に卒業する事になるとは思わなかったな」とリンド。
――卒業式後。
メイはリンドとウィルと一緒に卒業生の列に並んでいた。ユオは猫型でメイの腕の中で尻尾を振っている。
メイは逃げたユウを探すために、長く過ごしたトーヤ大学を卒業することにしたのだ。
「先輩、お世話になりました……」
メイはリンドに深々と礼をした。
「こちらこそ。試験の時はメイの回復に助けられたよ」
「ウィルも、ありがとう」
メイはウィルにも礼をした。
「メイ、冒険者になるんでしょ? だったら、僕もだから一緒にパーティを組むんじゃだめ?」
ウィルはメイが心配なのか、自分も同行することを提案してくれた。
「駄目だ」とユオが金の目をぎらりと光らせ、拒否する。
「ウィル、せっかくだけど、しばらくユオと二人でレベル上げから頑張ろうかなって思ってるんだ。ユウとの問題を解決しなきゃ」
本当はウィルがいた方がパーティ構成的には絶対にいいのだが、ユオが激しく反対したことは言うまでもない。
「そっか…… 無理だけはしないでね。」
「メイ!」
ティナとアイニとエイネがメイとユオを見送りに来てくれた。
メイが三人と抱き合うと、ユオはメイの腕からするりと逃げ出した。
「必ず手紙を書いてくださいね! 絶対ですよ!」
「うん!」
「あと、ユオ様の近況も合わせて必ず教えてくださいね!」
「う、うん!」
ティナは涙を流して、メイとの別れを惜しんでくれた。
メイとユオとウィル、初等部一年を修了したソニヤはフィンド王都行きの馬車に乗り込んで、見送ってくれている友達にいつまでも手を振った。
「メイ達は、どこのギルドで活動するの?」と馬車の中でウィルが聞いてきた。
「迷宮都市ソッケロに私の拠点があるから、メイが慣れるまではそこだ」とユオがぶっきらぼうな態度で答える。
「追いかけてくるなよ」
「どうかな。何処で活動するかは、個人の自由だろ?」とウィルは笑いながら答えていた。
メイはかわいいソニヤの髪を結って遊んでいたので、そんな二人のやりとりを全く聞いていなかったが、ソニヤはユオとウィルの様子を見てはらはらして落ち着かないのだった。




