第50話 日光浴デート
休日、メイとユオは日光浴を楽しむ為に学校の屋上庭園に来ていた。芝生の上にピクニックブランケットをひいて寝っ転がり、うとうとする最高の過ごし方だ。休みの日は、街に遊びに行く学生が多く、休日の屋上庭園は空いていて気持ちがいいのだ。
ユオはメイと屋上庭園で過ごすのが気に入っていて、天気のいい休日はいつもユオから声をかけてメイを誘った。
メイは空を流れる雲を見ているうちに、いつの間にか寝てしまった。
ユオはそんなメイの寝顔を観察していた。いつもフードを被っているせいか、透き通るように肌が白くて、長いまつ毛は緩やかな曲線を描いている。制服のスカートから出ている脚も白くて綺麗だと観察しているうちに、無遠慮に見過ぎていた自分が恥ずかしくなって、ユオは顔を背けた。
ユオも空の雲を眺めることにしたが、横から聞こえるメイの静かな寝息が気になって仕方ない。
メイと出会ってすぐのころは、メイに触られることを酷く嫌がったユオであったが、最近では自分からメイに触りたいと思うようになっていた。
猫になれば、触っても許されるだろうか……
ユオは猫になり、メイの頬を舐めた。
メイは何やらむにゃむにゃ寝言を言ったが、起きなかった。
このまま攫って、どこかに閉じ込めてしまおうか……
そんな考えが過ぎるほどメイは無防備だった。
メイは学校では、フードを被っているから気が付かれにくいが、かなり美しく成長していた。しかし、先日メイの美しさを知らしめるような出来事が起こってしまったのだ。
先日剣術の授業でのこと。ユオとメイの剣での打ち合い稽古中、不意にメイのフードが取れてしまうことがあったのだ。
メイは剣の稽古に真剣で、フードが取れていることに気が付いていない。打ち込みの度に、揺れて輝く金色の髪に気がついた他の男子たちが、メイを見て目を見開いて驚いていた。よく一緒に過ごすことの多いリンドですらメイの顔を見て、驚いた顔をしていた。
ユオは、他の男子がメイを見ていることに気がつき、メイの剣を強く打って落とさせた。
「え……なに?」
メイは何が起こったのか理解できず、ぱちぱちと瞬きをしていた。
ユオは急いで、メイに近づきフードを被せた。
自分しか知らないメイの顔を他の男に見せたくなかった。
「ごめん……フードが取れてたから。メイ、目立つの嫌いだろ」
ユオは、そう言い訳をしたが、本当は誰よりもメイを隠しておきたかったのは自分だった。
「ありがとう、集中してて気が付かなかったよ」
メイは笑顔でお礼を言った。
ユオは少し胸が傷んで、苦笑いを返した。
ユオは無防備なメイの寝顔を見ていると何かしたい衝動に駆られるので、屋上庭園に来ていた小鳥たちを猫の姿で追いかけまわす遊びをして気を紛らわした。




