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追放聖女の復讐譚  作者: 焼ミートスパ
第5章 共和国編
45/69

45 助けを求められました

「なあ、あんた、俺のダチを見てやってくれねえか」


怪我人の治療をしていたら声を掛けられました





振り返ると腕を三角巾で吊っている人がいました


頭には包帯が巻いてあります




自分のケガよりも友人のケガを見てくれ、ですか


ちょっと興味が出たので話を聞いてみました




なんでも自分を庇ってケガをした友人がいるそうです


お腹をバッサリ切られたとか


いまだに血が出てくるし顔色も悪い


なんとかしてくれないか


そういう事でした




しかしなんで聖女わたしなんでしょう?


他にも薬師は一杯います





気になったので聞いてみたら


「いや、なんかあんたは腕が良いってきいたから・・・」


と小さい声で言われました





性格が良い人にはこっそり治癒魔法を使っているのがバレているようでした





・・・偉そうな隊長とかを見殺しにしているのはまだバレてなさそうなのでホッとしました、というのは内緒です




まあバレているようなので仕方がありません


それに友を助けるために自分の身を犠牲にした男気溢れる漢を見捨てられたら女が廃りますしね






連れられて行かれた先にはお腹をバッサリ切られた怪我人がいました


もう見事と言っていいほど切られていましたね


・・・よくこれで生きているもんだと感心しました




包帯をのけて見てみると内臓までバッサリ切られていました


それでも生きているというのは治療した薬師の腕がよっぽどよかったのでしょう





でも傷口が完全に塞がっていないためいまだに血がでています


まあ切り傷なら聖女わたしの治癒魔法の得意分野です


五分五分でなんとかなるでしょう


・・・いや五分で死ぬとも言うんですけどね




薬を塗りながら治癒魔法を使いました


そして包帯を巻いておきました




「薬を大まけしてたっぷり塗っておいたので後は本人の体力次第でしょう」


適当なことを言っておきました






まさか


「治癒魔法を使いました」


なんて言えませんからね





そこはニュアンスで分かったようです






声を掛けて来た男の人も


『何かやったんだけど言えないから話を合わせてね』


という副音声がしっかり聞こえたようです




「すまねえ」


そう言って頭を下げてきました





しかし今回は上手く誤魔化せましたが次回も上手くいくとはかぎりません


治癒魔法を使うのは控えた方が良いかもしれませんね










・・・その決意が遅かったと知るのはちょっと後のことでした(涙)

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