25 連れて行かれた先は領主の館でした
兵士にぶら下げられて連れて行かれた先は馬車でした
庶民には縁のない馬車です
お貴族様御用達と言って良いほど貴重な馬車です
もうお分かりですね
行先は権力者の元でした
・・・兵士が居る時点で判ってはいたんですけどね
<ガラガラガラ>
馬車が軽快に走ります
馬車の中には聖女と隊長さん
おかげ?で空気が重いこと重いこと
思わず逃げ出したくなるほどでした(涙)
・・・隊長さんが睨んでいるんで逃げ出せないんですけどね
なんとびっくりなことに馬車が着いた先は領主の館でした
オドロキダナー(嘘)
馬車の扉が開いて促されるまま館の中に入りました
そして応接室に招かれました
周りを兵士に囲まれて移動させられるのが招かれるというのなら、ですけどねー
応接室には椅子に座って偉そうにしている領主様がいました
名乗ってはいないんですが偉そうにしている雰囲気で判りました
「よく来てくれた」
領主様はそう言いますが拉致ですからね?
こちらの都合も聞かずに無理矢理連れて来られたんですよ?
・・・小心者の私は言えませんでした
何も言えずに立ち止まっていると
「まずは座ってくれ」
領主様は勝手に話を進めてきました
さすが権力者
やっていることがえげつないですね
・・・まあ権力者なんてみんなこんなものなんですけどね(呆)
立っているのもなんなんで勧められるまま椅子に座りました
・・・小市民な自分が悲しいですね
「実は頼みたいことがある」
そう言って話を切り出してきました




