2 王様へのざまあ
「いたたたたっ」
急に腰が痛みだした
この痛みには覚えがある
ぎっくり腰だ
最初は痛さのあまり声を出していた
だが、声を出す際の小さな動きが腰まで届くたびに痛みが走るので声を出すことができなくなった
ただ痛みを我慢するだけだった
そして痛みがこれ以上増えないように微動だにしないように固まるだけだった
いつものように聖女に痛みを取って貰おうと目で聖女を探そうとした
ところが目の前が靄に包まれたようになっていた
全然見えない
これにも心当たりがあった
老眼だ
困った
これでは聖女に頼むこともできん
いや近衛に声を掛けて聖女を連れてこさせるか
「あうっ」
急に足の指が痛み出した
それも両足全部の指が、だ
こちらも心当たりがある
貴族病だ
貴族だけ(あるいは裕福な平民も)がかかる病だ
原因は不明で痛みが起こったら痛みが過ぎるまでただ耐えるだけという奇病だ
まあ最近では聖女の癒しにより改善されることが判っている
要はどれも聖女の治療させるのが一番だ
・・・そういえば国外追放となっていたな
まあ治療するならば国に居ることくらいは特別に許してやろう
まったくもう国王が困っているというのに誰も心配になって駆けつけないとはどういうことだ
早く来ないと厳罰に処するぞ!