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追放聖女の復讐譚  作者: 焼ミートスパ
第1章 婚約破棄&国外追放編
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1 聖女様、婚約破棄と国外追放を宣言される

「聖女、いやニセ聖女!


貴様は婚約破棄の上に国外追放だっ!」


王宮のみんなが集まる夜会で王子様から大声で宣言されました





王様の方はどう思っているかと見てみると玉座に座って無表情でした


どうやら国としての方針は決まっているようです


つまり私は捨てられる訳ですね(涙)






なけなしのプライドを総動員して


「かしこまりました」


と言って頭を下げました




でもだからといって許せる訳ではありません


人間、許せることと、許せないことがありますからね




ですから『あること』をしました


そうしたら夜会に集まっていた王族から貴族に至るまで、つまり全員ですね、がバタバタと倒れていきました




ふっ、ざまあ完了ですね(笑)








はじめまして


聖女、いえ元聖女のデイジーです




言っておきますが自分から聖女なんて言っている訳ではないですよ?


いつのまにか聖女と呼ばれるようになっていたんです




元は戦災孤児で、気が付いたら教会の孤児院にいましたね


他の孤児と一緒の境遇なので特に不満はなかったです


まあ毎日お腹が空いていましたけどね




ある時、ケガをしたんですよ


けっこう痛い奴です


血がドバドバと出でいたので泣きましたね


そうしたらですね


段々傷口が小さくなっていって最後には傷が無くなったんですよ


そういわゆる治癒魔法というやつですね





この世界、魔法があります


そして魔法が使えるのが貴族様です


どうやら私の両親のどちらかがお貴族様の家系の人だったようです





・・・べつに珍しくないことですけどね


お貴族様に手籠めにされた平民か


お貴族様を追放された人か、その子孫が親だったのか


まあそういう訳です





ちなみにお貴族様でも魔法が使えない人だっています




とまあそんな訳で教会お抱えの治癒魔法使いとなった訳です






治癒魔法というのは希少で国に一人いるか居ないかというレベルです


そうお分かりですよね


お貴族様の大本の王族が出張ってきました





「貴重な治癒魔法は国のために使うべだ」


だとか何とか理由をつけて私を強引に連れ去りました




教会?


王様の権力の前にあっさり屈しましたね


・・・教会の人間は人が好過ぎるので赤子の手をひねるのようなものでしたよ




とまあそんな訳で小さいころから王族やお貴族様相手に治癒魔法を使う毎日でしたね




戦争でケガをしたお貴族様を癒したり


御婦人の皺やシミを取ったり


生まれた子供が奇形だった場合は普通になるように作り直したり


王様のぎっくり腰を治したり


お貴族様のボンボンの性病を治したらり


お貴族様の御令嬢の処女膜を再生したり


王族の人気をとるために平民相手に治癒させられたり


金持ちの平民からお金を巻き上げるために治癒させられたり


もう毎日朝から晩まで働かせられましたね





さすがに大きくなってくると自分デイジーの環境が悪いことが判ってきます


ですから徐々にですが力が衰えたように見せかけました





おかでさまで最近では


「使えない」


だとか


「グズ」


だとかの罵声を浴びせられる始末




もちろん涙ぐむ演技をしましたよ


内心では嗤っていましたけどね





そうして治癒魔法が全盛期の1/10くらいになった頃でしょうか


見事に切り捨てられることになりました


それが冒頭のシーンです






聖女、聖女と持ち上げるだけ持ち上げて


王族に取り込むために王子様の婚約者にして


使えなくなったらボロ雑巾のように捨てる


・・・最低ですね





という訳で国外追放を了承しました


もう相手なんてしてられません





私もようやく16歳になってもう立派な成人です


一人で生きていける年齢になりました


(無くなったことなっている)治癒魔法があればなんとか生活できることでしょう


・・・少々のへそくりだってありますしね





でも散々利用するだけ利用して用済みなればポイなんて酷すぎます


ですから仕返しすることにしました


つまりは今までかけた治癒魔法をキャンセルすることにしました





私の治癒魔法は私の魔力で相手の傷を塞ぐものです


切り傷があればそれを魔力で塞ぐだけです


つまりは治った訳ではありません




もうお分かりですよね


何年前の傷であっても今、治癒魔法をキャンセルして、つまり体内に残っている魔力を回収するとですね傷口がパックリと開く訳です




私が治癒魔法を使わなかったお貴族様はいません


お貴族様全員が何がしかの怪我をした状態になる訳です


それも複数の、です




そりゃ全員倒れますよね





大怪我した状態になるか


大病を患った状態になるか


老眼になった状態に戻って目が見えなくなるか


性病になった状態になって大事な所が酷いことになっているか


手や足が無くなった状態になるか


阿鼻叫喚の事態となりました(笑)





さすがに自分の身体なので私が何をやったのか悟ったようです





お貴族様達は口々に


「治せ!」


だとか言ってきましたね






近衛兵ですか?


当然皆さん怪我が再発して動けませんでしたよ?





という訳で私は怨嗟に満ち溢れたお城の大広間からすんなりと出ていくことが出来ました





さあ私は自由です!


どこに行きましょうか!




こうして追放聖女わたしの旅が始まりました

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