第63話 懺蛇と並列意思
「何なんだお前ぇぇぇ!!」
懺蛇が発動すると、その場にいる者達全てが恐慌状態陥る。次第に同士討ちが始まり、クロは笑いながら次々と蹂躙を始める。
「くっ! 精神系のバッドスキルか!?」
(並列意思は上手く使えてるようだな。感覚的にはゲーム操作のようであの頃を思い出すな)
神から特別に与えられた並列意思は使いこなす事が出来ればかなりチートな能力だ。カインとマリベルを殺され、我を失うほどの怒りを持ちながらも冷静さを兼ね備えている状態はゲームの感覚に近い。
「お前は簡単に死ねると思うなよ(うわ〜何か恥ずかしいわ〜)」
「お前ら落ち着け! 敵は一人だ! あいつが無理なら女を人質にしろ!」
「させるとでも? (エリーナは……うん、ちゃんと隠れてるな)」
クロは魔闘術を全開にはせず、移動や攻撃の時に瞬間的に出力を上げる。以前までは感情のまま懺蛇の意識に引っ張られ、体力が尽きるか敵が全滅するまで生命力を削り続けていた。しかし、並列意思の状態なら発動のタイミングをコントローラーで操作するように任意に使う事が出来る様になっていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
スレイは混乱する中、声を荒げる事で自分を奮い立たせ、クロに斬りかかる。
「その程度の膂力で俺が斬れると思うか?(ん〜雑魚ではないが力不足だな)」役不足と力不足 を混同してると思われる文章がこれより前の章でもありました.役不足は,その人の力量に対して,仕事の難易度や立場が低い状態の時に使う言葉です.力不足は,その人の力量に対して,仕事の難易度や立場が高い状態の時に使う言葉です.
剣先を掴むと横に真っ二つに折ると、その剣先をスレイの太ももに刺し顔面を強く殴りつける。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!! 足がぁぁ!!」
「囀るなと言ったよな?(こいつの裏にいる者を炙り出さないとなあ)」
覆面の者達は血吹雪をあげながら次々と倒れていく。スレイが痛みで発狂しているのを横目に生き残っている者達を次々に屠る。一人ひとり倒れていくたびに狂乱が増していき、精神が壊れていく。
「ひぃぃぃ! な、何でこんな事に!! 俺の夢がぁぁぁ!」
ザンッ!
「ぐぎゃぁぁぁぁ!! 腕がぁぁ! 俺の腕ぇぇぇぇ!!」
いつのまにか生き残っているのはスレイのみになっていた。懺蛇状態を任意に解除し並列意思は維持したまま拷問を始める。
「エリーナ、こいつを死なない程度に回復を」
「は、はい!」
エリーナは戸惑いながらも血を止める程度に回復させ、意識が辛うじて保たれたのを確認するとスレイの髪の毛を掴み顔を寄せる。
「カインとマリベルの遺体はどこだ?」
「あ、あの辺に捨ててある……ぐあぁぁ!」
スレイの耳を削ぎ落としその辺に捨てる。
「口の聞き方に気を付けろ。エリーナ二人の遺体を」
「は、はい……」
エリーナがスレイの指差した方向に走っていくのを確認すると、再びスレイに顔を近づけて問う。
「お前の背後にいるのはどこの貴族だ?」
「い、いない! 俺がこの組織のトップだ」
ベキッ!
「ぎぁぁぁぁぁ!!」
「お前の背後にいるのはどこの貴族だ?」
「だ、だから俺がっ! がぁぁぁぁ!」
ベキッ!
このスレイという男の戦闘技術は覆面の者達よりも劣り、カリスマ性があるとも思えない。そんな奴の下につくとは考えられないクロは背後にいる者の存在を吐くまで指を一つ一つ折っていく。
「お前の背後にいるのはどこの貴族だ?」
ベリッ!
「ひゃぁぁぁぁ! あががががが!!」
五本の指を折り終わると次は爪を剥がし始める。
「お、俺は帝国の人間じゃない!」
「そんな事はどうでもいい、俺が聞いているのはどこの貴族なのかという事だけだ」
「言えば助けてくれるのか!?」
ベリッ!
「ぐあぁぁぁぁ!! もうやめてくれ!! メランコリ国のミ、ミルド伯爵様だ!」
「ミルド?? あ〜あいつか……そうか、あいつがカインとマリベルを殺したこいつらの……」
「言ったんだから命だけは!」
「言ったよな? 簡単には殺さないって」
「グッ!」
クロはスレイを気絶させ縛り上げると、引き摺りながらエリーナが走っていった方向へ向かっていった。
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