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第47話 悪役ロールプレイ

 首領ボンが片手を上げるとどこから現れたのか、複数人のナイフを片手に覆面を被った暗殺者達ががその場にいる者に襲い掛かる。


「ボン爺の子飼いかよっ! 戦闘禁止とか言ってる癖に用意してるとはなぁ!!」


「ここは儂のホームだ、当然の備えよ」


「はっ!? この程度の膂力では俺の身体に傷は付かねえ!」


 複数の刃がガロウ身体に襲い掛かるが、硬い皮膚を切り裂くには至らなかった。


「デタラメな硬さの皮膚はさすがは獣人といったところか? 面倒だが儂が相手するしかないか」


「いいぜ! いいぜ! こいよボン爺!!」


 首領ボンは両手に小太刀を構え、両手剣の利点を活かした素早い動きでガロウの身体を縦横無尽に斬りつける。


「クゥゥゥゥ! それで本当に八十七歳かよ!」


 ガロウの身体に小さな切り傷が無数に浮かび上がり血が流れが、致命傷には至らない。


「でもなあ! 俺の身体を斬るには単純に腕力が足りねえんだよ!!」


 ガロウは攻撃に転じ、首を落とさんと横薙ぎに剣を振るうが鼻歌交じりで躱され再び縦横無尽に剣を振るう。


「なかなかの攻撃だが、当たらぬなら無いものと同じ。儂の身体に攻撃を当てるには単純にスピードが足りないぞ? ホッホッホ」


「大人しく斬られてろ!」


「汝等、ここは儂がやるから此奴らの壁役を蹂躙しておれ」


 ガロウを相手していた暗殺者達は声は発さず頷き攻撃目標を護衛達に変え蹂躙していく。


「奴隷達よ、心臓の鼓動が止まらぬ限り私を守りなさい」


 ドルトランドは連れてきた護衛役の奴隷達を盾にし機を伺う。彼にとって奴隷は物であり人ではない。隷属された者は主人の命令に忠実に従うように思考を書き換えられる。命の鼓動が止まない限りゾンビのように立ちはだかる。


「さすがボン氏が厳選した者達といったところですかねえ……私の奴隷達じゃ歯が立たないようですね」


 それぞれに付いていた護衛達が力及ばず命を散らしていく中、クロはリンリンと対峙していた。


「……言った通り……あなた死ぬ……」


「それはお前が俺を殺すと言いたいのか?」


「……うん……そう」


「残念ながらそれは無理だな」


「……なぜ?」


「お前は既に暗殺に失敗してるからだ」


「……何を言っている……の?」


 リンリンの暗殺者として実力はかなりのものだ。しかしそれはという手段を用いた時の話しであり、そのアドバンテージを失った状態なら脅威は薄れるのだ。


「俺はPvPが得意なんだよ!」


 一気に距離を詰め剣を振るう。


「くっ! 早い!」


「あれあれ? どうした! 何か余裕無いな? さっきまでの余裕ぶっこいたキャラはどこ行ったよ」


「うるさい! 黙れ! 殺す!!」


 リンリンはクロの煽りに激昂してしまいペースを乱していく。


「おいおい、あまり強い言葉使うなよ? 雑魚かよ」


「貴様ぁぁぁぁぁ!!」


 煽りに反応してしまい、暗殺者特有の足捌きや利点を捨て感情のままクロに襲い掛かるが簡単に躱されてしまう。


「もう少し使えるやつかと思ってたが、所詮こんなもんなのか」


「なっ!」


「その無口なミステリアスキャラっていうの? この程度の煽りに惑わされてキャラ崩壊するとか笑える」


「貴様に私の何がわかる!」


 利点を失ったリンリンの攻撃はクロには届かず嘲笑うかのように躱され弄ばれる。


「そういうキャラのロールプレイをしている奴は嫌いじゃないんだけどな」


「さっきから意味のわからないことを!」


「勇者とかの聖人と呼ばれるようなプレイをしている奴ならお前みたいなのを仲間にするんだろうけど、俺はそういう熱い展開には虫唾が走る」


 ザンッ!


「ごめんな? 残念ながら俺は悪役ロールプレイの方が好きなんだよ」


 リンリンは実力の半分も出せないまま首と胴体が切り離され、身体が静かに崩れ落ちていく。

作品を読んでいただきありがとうございます。

この作品はカクヨムでも掲載しております。

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