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第18話 スキル鑑定は意外にしょぼい?

「危ない、危ない。しかし、魔闘術ってすごいなぁ」


 家を破壊するほどの蹴りを喰らっても傷ひとつ付いてないクロウが立ち上がる。


「なっ!」


「そう言えば、まだ剣の使い方を習ってなかったの忘れてたよ。でもひどいなぁ? 五歳児相手にこんな蹴りって普通死ぬよ?」


「ぐっ! 普通の五歳児がこんな重い蹴りはしてこないんだよ!」


 魔闘術独特のステップを踏み一気に近づいてのジャンプキックはマリエラにガードされたが、その勢いのまま空中で連続でキックを放つ。


「なっ! 速い! がぁっ!」


 シュッ!


「うおっ! あっぶねぇ」


 最後の蹴りがテンプルにヒットし、体勢を崩しながらの剣を横一文字に振るわれた。


 クロウは間一髪でかわすと少し距離をとり、マリエラはゆっくりと立ち上がる。


「転生者ってのはこんなにも急に強くなる生き物なのかい?」


「なっ!」


 思わず動揺が走る。


「私はね、鑑定ってスキルを持っているんだよ」


「へ、へぇ、それで? な、何が見えてんの?」


「おやおや、目に見えて動揺してるじゃないか、何か都合が悪かったかい?」


「いや、何が視えてるのかなぁって興味があるだけだよ」


 気になる事はたくさんある。どの程度強いのか、スキルは何なのか、職業は何かなど今後の修行に大きく関わってくる重大な情報だ。


「鑑定と言っても視える情報は全てじゃない」


「なんだ意外に使えないね」


「そうでもないさ、戦闘では大きなアドバンテージになるしね! ハッ!」


 剣が光を帯び、袈裟斬りに振ると斬撃が飛んでくる。

 クロウは飛んできた斬撃を首を傾けて避けると後ろの壁が斬撃の形に亀裂が入った。


「お仕置きにしては容赦ないよね?」


「これでも手加減してるさね」


 互いの実力はほぼ互角に近いと勘違いしていたが、手加減されてたらしい。


「さっきのはスキル?」


「まさか、ただの技術だよ!」


 そう言いながら次々と斬撃を飛ばしてくる。

 クロウはそれを飄々と避けながら近づき拳を突き出すが躱され距離を取られる。


「鑑定のスキルは万能じゃない、でもねぇ坊の持つその称号ははっきりと視えているんだよ! あんた転生前はどんな修羅場をくぐってきた!?」


「称号? 修羅場? まあ転生者ってバレてるんなら言うけど、ここに来る前の世界では殺しは禁忌だったからな一般人には無縁の世界だよ。それに称号とか言われても困るのだが?」


「狂気の支配者……」


「え?」


 それってゲーム内での二つ名!!と叫びたいが、まさか転生先でもその名を聞くとは思いもよらなかった。


「ふんっ! 心当たりがあるようだね?」


「まあ、あるというか何というか」


 ここがゲームの世界とリンクしているのであればゲーム内の力が使えないのはおかしい。しかもその称号は他プレイヤーに付けられた異名だからゲームシステムとは関係ない。



「おいおい! マリエラ何してんだぁ?」


 二人の間に大剣を抱えた男が現れマリエラに話しかける。


「マクベスト! うるさいねぇ痴話喧嘩だよ!」


「あぁん? このガキか? お前の言ってた奴は」


 マクベストと呼ばれる男はクロウを見てニヤリと笑う。


「そうだよ!」


「目が血走ってんなぁ? 称号の影響か? おいガキ!」


「何だ? でかいの」


「お前目がギンギンになってんぞ? はっはっはっ!」


 マクベストは楽しそうに笑う。


「え? まじで?」


「称号の効果に飲み込まれるな!つっても難しいかぁガキだもんな」


「ガキ!ガキ!うるせぇな。死んどく?」


「おおっ! 怖っ! 何このガキ! 称号の効果えげつなっ! 利発なガキって聞いてたんだけど!」


 マクベストは戦闘体勢をとり大剣を構える。マリエラと違い殺気と威圧感の量が桁違いで緊張感が増す。


「お、おい! クロウ! 助けろ!」


 戝に追われ村長の息子ダランが半泣きで近づいて来た。


 ゴキっ!


「うるさいよお前」


 懇願するように腰に抱きついてきたダランの首を一回転させ、一瞬で絶命させる。


「おいおい、友達じゃねえのかよ」


「友達? ただの弱者だ」


 この世界で初めての殺しは、ゲームのPKの感覚と何ら変わらなかった。

作品を読んでいただきありがとうございます。

この作品はカクヨムでも掲載しております。

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