PK(プレイヤーキラー)
「レベルX(未知数)って完全に壊れてるじゃないかっ!?そうだ!メンバーリスト」
ハイドはパーティの項目を開くとフレンドにタッチした。
(フレイヤさんなら何か判るかも!)
メンバーリスト
パーティ
現在パーティは組んでいません
フレンド
???(このデータは壊れています)
「え…壊れています…?じゃあアイテム!?」
ハイドは慌ててアイテムの項目を開く
アイテム
0/50
???(データが壊れています)
???(データが壊れています)
???(データが壊れています)
???(データが壊れています)
「アイテムデータも破損してる…まさか装備も」
装備
メイン
装備していません
防具
装備していません
靴装備
装備していません
アクセサリー
装備していません
「装備データも消えてる!?消えたの?何もかも…キャラデータが丸ごと壊れたのか…」
ハイドはもう何が何だかんか分からなかった。
奇妙なボスモンスターに喰われたかと思ったら今度は自分のPCがバグにより破損し完全に壊れしまっているんだから。
ハイドは思いつくだけの手段は全てやり尽くしたが、どれも言うまでもない…チャットはメンバーアドレスが破損していて送れず。
GA社に緊急メールも出したがerrorになり戻ってきてしまったのだ。
「はぁ〜仕方ない…一回ログアウトして直接GA社に…兄さんに直談判するか…」
ハイドは画面を開きログアウトしようとした時だった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
森から男の人の悲鳴が響き渡る。
「今の悲鳴は?プレイヤーが居るんだ!戦闘が終われば話が聞けるかもしれない!」
ハイドは悲鳴がした方へ走り始めた。
悲鳴からして多分モンスターの戦闘中に誰かやられたんだ。
戦闘が終わったらそのプレイヤー達に話を。
ハイドはそう思いながら走りやがて森を抜けた。しかし、森を抜けた先で見た光景はモンスター戦ではなく。
「金とレアアイテムを置いてきな。雑魚プレがっ!!」
「ひいっ!!」
悪質なPK達だった。
プレイヤーキラーと呼ばれる通称PKはプレイヤーを襲い恐喝まがいな事をしているガラの悪いプレイヤー達で近年問題化してるとニュースで聞いた。
ハイドは怖くなり思わず隠れてしまった。
「な、なんなんですか?貴方達は?レアアイテムって何を言ってるんですか?」
村人みたいなPCだな?いやPIが無いからNPCか?
いやNPCがそもそもPKに襲われる訳がない。
「シラを切る気か?見慣れない格好だ何かのレアアイテム使ってんだろ?」
「私は薬を母に届ける途中なんですよ!!盗賊に渡す様な物は所持していませんよ!!」
「盗賊だぁ?このお方を盗賊呼ばわりかぁ?この方はギルド「髑髏の復讐鬼」のボスにして盗賊よりランクアップした職業 「暗殺者」だぞ。その辺の雑魚と一緒にすんじゃねぇぞっ!」
腰巾着のPCはそう言うと剣を引き抜き村人PCを斬りつける。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
斬り付けられた村人PCから赤い血が吹き出す。
「えっ!?何でゲームの中で血がっ!?」
おかしい…いくらリアル・ツヴァイトがリアリティに溢れたゲームだからって血なんか出ないはずだ!ここはデータの世界だ!でてもデータの残骸だ切りつけられた跡さえましてや刀傷なんか出来るわけない。
「きゃあははは!マジでいいな!この新しい仕様。」
「ああ、ノイズでバグったかと思ったら新しい仕様のちょっとしたアクシデントって話じゃないかよ!」
え?アレが新しい仕様の準備の際のアクシデントだって!?
「も、もう辞めて下さい!私はお金何か持っていませんっ!」
「下手な設定作ってんじゃねーぞっ!」
「もういい。下がれお前達」
「ガルザさん」
ガルザと呼ばれた画面をつけた黒い大男のPCが黒いナイフを取り出す。
「このナイフの毒で吐かせるまでだっ!」
「ガルザさんかっけえっす!」
「流石リーダー!」
ガルザはゆっくりと近づく。
村人PCは這いずりながら逃げようとするが取巻き達が道を塞いだ。
「た、助けてっ!!」
「残念でした。あばよっ!!」
ガルザはナイフを無防備な村人PCに振りかざす。
「止めなさい!」
「?」
「あぁん?」
ガルザ達の後ろから女の子人がログインしPKを止めに来た。