表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/108

先手必勝です

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新たなミッションが発生!         

・混沌のアズゼルを討伐する。報酬:闇の衣

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「天井アタァァーーーーック!」

「落ちてきただ潰せ潰せ潰すだぁぁぁーーーーー!」


 火の玉で天井を破壊すると同時に玉座に座っていたアズゼルが落ちてきた。

 間髪入れず私達は攻撃を開始。

 同時にミッションも発生してくれたおかげで幸先は実によかった。


「ファファイファイファイファイファイファイアアファイアーーーーー!」

「ぬぅぅッ!」

「てやてやてやてやてやてやてやてやぁーーーーーーーーーーー!」

「ぐぅぅ……!」


 見るからにザ・悪魔って感じの見た目のこいつがアズゼル!

 先制パンチの猛攻でアズゼルは身動きが取れない!

 このまま――。


「舐めるなこの虫ケラどもがぁーーーーーーーーー!」

「わおっ! ファファファファイアアァァー!」


 背中から翼が生えたと同時に突風が起こる。

 さすがの風圧に飛びそうになったけど手は緩めない。

 翼もボロボロになって怯むも、アズゼルが片手を振る。


「カオス・バーンッ!」


 ドス黒いオーラが膨れ上がったと思ったら爆発が散りばめられた。

 これはまずい! と思ったけど――。


「あまり痛くないね?」

「んだな」

「なんだと……!」


 うわ、すっごい驚いてる。

 確かに虫ケラとか見下してた手前、これはちょっと恥ずかしい。

 でもさすが魔界最強の一角、あれだけの猛攻を浴びせたのにまだ余裕がある。


「なるほど……ただの人間ではないようだな。噂にきく伝説の勇者とやらか?」

「ファイアボォォッ!」

「ぬぐあぁっ! こ、こやつ、私の話を」

「ファボファボファイアボォォーーーーーール!」

「ぐうぁぁぁッ! このッ! カオティック・ドームッ!」


 黒いオーラが広がって、一階の大会議場全体を包む。

 途端に周囲から黒い何かが圧迫してきた。


「カオティック・ドーム……。空間に囚われし者は心を蝕まれて、同時に闇の力に圧される。かつて魔界大戦を制した私の」

「ファイアボォアァァッ!」

「ぐあぁぁッ!」

「潰れ死ねだァァァァーーー!」

「ぐぎぇッ!」


 なんか技自慢してたけど、どうでもいい。

 薄暗くなっただけで体にはほとんど何の異変もないからね。

 そしてさすがのアズゼルもボロボロになってきて、膝をつきかけている。


「こ、このアズゼルが、こんな訳のわからん奴らに……」

「ファイアボボボボォォル!」

「ぶふぅあッ! こ、この私がこれほどダメージを……」

「ファルァァァァァーーーッ!」

「ぐうううあぁぁぁーーーーッ!」


 ついに吹っ飛んだアズゼルが大きなテーブルに盛大に突っ込んだ。

 魔族特効万歳。いやー、それにしてもタフだね。

 まだよろめきながら立ち上がって、そしてボロボロの翼を広げた。


「まさか人間界でこれを」

「ファイアボォルッ!」

「ぐぅッ……使うはめに」

「ファファファファファアァァァーーーーイッ!」

「あぐあぁーーーーッ! な、なるとは……」


 アズゼルの体が黒一色になる。

 そしてシルエットが変化し始めた。翼が二枚から四枚に。

 腕や足が太く大きくなり始めた。

 これは第二形態の匂い!


「これぞ私の本当のぶぐあぁぁぁッ!」

「そんな面倒なもん相手にするかぁぁーーーー!」

「魔界大戦にて、ぐぅ……! すべてを、混沌に」

「接近殴りファイアボォル!」

「ぐっふぅぁぁあぁ……!」


 アズゼルの体に亀裂が入り、シルエット全体が崩れていく。

 こ、この演出は! きたぁーーー!


「ほ、本気すら、出せずに、この私がぁぁぁーーーーー!」

「ファイアボッ! ファイアボッ! ファイファイファイアボッ!」

「ぐあぁぁーーーーーーーーーーーーーッ!」


 アズゼルから光が放たれて、同時にその体が崩れた。

 崩れた肉体が砂みたいになってサラサラと飛び散り、そして消える。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ミッション達成! 闇の衣を手に入れた!

効果:防御+220 魔防+400 すべてのダメージを大きく減少する。

   かつてどこかの大魔王が身につけていたとされる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「対抗馬は光の玉ァァァーー!」

「なんのことだ!?」


 私が大はしゃぎしていると、王様を連れたシルキア様がやってきた。

 事態を察したようで、シルキア様は目を輝かせている。


「聖女様! もしかするとあのアズゼルを……」

「うん。バッチリ報酬……じゃなくて成敗したよ」

「す、素晴らしいです! これでこの国は救われました! あぁ……夢のようです!」

「はぁー、私も疲れちゃったな。少し休……」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新たなミッションが発生!         

・ファフニル王を討伐する。報酬:略奪王の指輪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「シルキア様、お願いがあります。平和を取り戻せたことを、王女であるあなたから国民に伝えていただきたいのです」

「そ、そうですよね! わかりました!」


 疑うことなくシルキア様は走り去っていった。

 王様が満足そうに見送った後、私の前に立つ。

 さてと――


「マテリよ! よくぞアズゼルを打ち倒し」

「つぇいやぁッ!」

「ぐぇっ!」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ミッション達成! 略奪王の指輪を手に入れた!

効果:与えたダメージ分、回復する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 どしゃりと王様が倒れた。よし。

 さすがに娘の前でやっつけるわけにはいかなかったからね。

 ブライアスさんの時は奇襲しちゃったけど、私も少しは成長している。

 ご褒美としてもっとミッションこないかな?

ブックマーク、応援ありがとうございます!

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたなら

ブックマーク登録と広告下にある☆☆☆☆☆による応援をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
光の玉で爆笑したわw
[良い点] おしくなかった [一言] 連投ごめんなさい。まさかこんな展開は予想外でした……
[良い点] ついでのように討伐されたくせにクッソ有能アイテム落とすじゃないか愚王 後何匹か狩らないと……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ