おや、王都の様子が……?
今回からステータスはあとがきに書きます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ファフニル王都に到達! 不死鳥の羽を手に入れた!
効果:幻の素材。鍛冶で使用。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ふ、ふしちょーのはね! ふしちょーなんているの!?」
「数百年だかに一度だけどこかの山に姿を現す伝説を聞いたことあるだべがや!」
このファンタジー世界においてすら存在するかどうかの不明の鳥だ。
幻どころじゃない。私がいた世界でいえば、鬼の角みたいなものです。
あっちと違ってこっちは紛れもない本物だと信じている。
「えへへへぇ……鍛冶かぁ。ミリータちゃん、どうやって料理するぅ?」
「どーすっかなぁー」
「あのな、少しはこの異常事態を察しろ……」
羽にほおずりしていると、ブライアスさんが呆れている。
どうせ王都に行くならと同行したんだけど、残念ながら道中の魔物はほぼ私達で討伐させてもらった。
私のミッションはミリータちゃんが討伐しても完了するけど、ブライアスさん達の場合はわからない。
基準がわからないから、ステータスアップの実は全部私達がいただいた。
で、その王都なんだけど確かに様子がおかしい。まず人通りがまったくない。
「なんか夜みたいに暗いなぁ」
「見張りの兵もいないな……ん? 人があんなにたくさん……な、なにをする気だ!?」
大勢の人達が左右の通りから出てきたと思ったら、武器を持って戦いを始めた。
演技には見えなくて、血眼になって互いを殺そうとしている。
中には兵士もたくさんいて、ブライアスさんはより血相を変えた。
「お、お前たち! 何をやってるんだ!」
「ブライアス総隊長! 止めないでください! 俺達が勝たないとゲルゲリゲラン様が怒るんだ!」
「うるせぇ! ジャモク様のほうが何倍も怖いんだ!」
ブライアスさんは少し戸惑っていたけど仲裁に入った。
ブライアス隊の人達も同じだ。
「よさないか!」
「どけてくれぇ!」
よくわからないけど王都がカオスだ。
これはミッションの匂いがしますな!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新たなミッションが発生!
・ゲルゲリゲランを討伐する。報酬:超全上昇の実×2
・ジャモクを討伐する。 報酬:神速のピアス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ミッションスメルゥゥゥアアアァァーーーーーー!」
「な、なんだぁ! うおぉぁあぁっ!」
争う人達に突進して、ブライアス隊もろとも蹴散らした。
倒れて呻く人達が武器を手放している。
左右を確認して討伐対象を確認すると、いた!
ゴリゴリマッチョの牛頭と人の形をした木が何事かと私を見ている!
「何事も何もミッションごとじゃあーーーーー!」
「なんだ、こいつぅ!」
「あっちは薪にもなんねぇだぁーーーー!」
「愚かナ……!」
牛頭も突進してきた。
私は焔宿りの杖、ユグドラシルの杖の二刀流。じゃなくて二杖流!
ユグドラシルの杖は魔法効果二倍、これはアイテムで発動したものも含まれる!
つまり最強に見える!
「そんななまっちょろい棒でこのゲルゲリゲランを殺せるかぁ! ガハハハハーーーー!」
「ファイボファファファファファファファファファファファファファアアアァァイッ!」
「ぶぶあぁぁぁぁぁぁッッ!」
真正面から炎の玉を受けたゲなんとかがのけ反って倒れた。
炎に包まれた体が黒ずんで、すでに動かない。
「ゲルゲリゲランが一撃だと! バカな!」
「おめぇは薪だぁぁーーー!」
「チッ!」
樹木人間のほうはミリータちゃんの一撃を回避した!
あぁもう! なんでかわすの!
「魔界一の呪術の使い手と言われたジャモクの恐ろしさ……知るがいイ! 永呪ッ!」
「だらっしゃあぁぁ!」
「ぐああぁぁぁッ!」
何かしたみたいだけど樹木人間は無事、ミリータちゃんの二撃目で木っ端みじんになった。
今のは呪いか何かかな? ちなみに聖命のブローチ、実はミリータちゃんもつけている。
魔法のつるはしで発掘した鉱石とかけあわせたら、なんか鍛冶で出来た。
そして訪れるのは――。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ミッション達成! 超全上昇の実×2を手に入れた!
効果:ステータスが+200される。
神速のピアスを手に入れた!
効果:攻撃回数が+1される。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「漲りすぎるゥゥーーーーーーーー!」
「力を持て余すだぁーーーーー!」
叫ぶ私達に誰一人、リアクションできない。
ブライアスさんも兵隊も、争っていた人達も微動だにしなかった。
「た、倒したのか?」
「そのようだな……ひとまず状況を話してくれるか?」
「はい……」
私達をよそにブライアスさんは冷静に聞き込みを始めている。
落ち着いたところで聞いてみると、その内容はなかなかぶっ飛んでいた。
国王がまた異世界召喚をして呼び出したのは魔界最強の一角、混沌のアズゼル。
アズゼルは手始めにこの王都を混沌に陥れようとした。
最強の眷属である四魔将を使って王都の人々を争わせて、親兄弟すらも例外じゃない。
泣き叫びながら、或いは葛藤しながら戦わざるを得なかった。
すでに王都に配備されていた兵隊は壊滅状態で、アズゼルの支配下になっているらしい。
「なるほど、なるほど。それはもう王様のせいだよねぇ」
「陛下……なんということを。あれほど異世界召喚の危険性を訴えたというのに……」
「それで、その四魔将というのはどこにいるの?」
「お前達がすでに二人倒しただろう……」
「あぁー、あいつらがそうだったんだ」
それで報酬の羽振りがよかったわけだ。
ということは最低でも報酬はあと二つ?
いや、アズゼルとかいうのを含めたら三つだ。
「おい、まさかクリア報酬目当てでアズゼルに挑むのではないか? ここはまず作戦を立てて慎重に行うべきだ」
「なんでさらっとクリア報酬がバレてるの」
「さすがに嫌でもわかる。それより相手は魔界の王……。お前は軽く考えているようだが、この世界の存続の危機ですらあるのだ」
「世界の危機かぁ」
さぞかし報酬は、と考えると居ても立っても居られなくなる。
それに王様がまだ生きているかわからないけど、思い知らせるにはいい機会だ。
━━━━━━━━━━━━━━━
名前:マテリ
性別:女
LV:36
攻撃:765+2240
防御:719+687
魔攻:573+1000
魔防:581+110
速さ:626+60
武器:焔宿りの杖+2(攻撃+45)
ユグドラシルの杖+2(攻撃+760 魔攻+1000 魔法の威力が二倍になる)
防具:ラダマイトのリトル胸当て+2(防御+500 魔防+40 すべての属性耐性+40%)
ヒラリボン+2(防御+30 速さ+60)
スウェット+2(防御+2)
プロテクトリング+2(常にガードフォース状態になる。防御+100)
剛神の腕輪+2(攻撃+1440 1レベル×40)
神速のピアス (攻撃回数が+1される)
ヒールリング (使うとヒールの効果がある)
聖命のブローチ(呪いを完全に無効化する)
光の髪飾り+2(防御+55 魔防+70 精神耐性+70%)
スキル:『クリア報酬』
称号 :『捨てられた女子高生』
『スキル中毒』
『物欲の聖女』
━━━━━━━━━━━━━━━
名前:ミリータ
性別:女
LV:34
攻撃:1112+2540
防御:935+855
魔攻:307
魔防:694 +250
速さ:680 +100
武器:闘神の槌+2(攻撃+2540(500+1レベル×60) 速さ+100)
防具:ラダマイトのツナギ+2(防御+620 魔防+60 すべての属性耐性+60%)
バーストバックラー+2(防御+180 魔防+120)
聖命のブローチ(呪いを完全に無効化する)
光の髪飾り+2(防御+55 魔防+70 精神耐性+70%)
スキル:『神の打ち手』
称号 :『鍛冶師』
『アイテム中毒』
━━━━━━━━━━━━━━━
おかげ様で総合ランキング入り、異世界転生転移ランキング4位です!
ブックマーク、応援ありがとうございます!
「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたなら
ブックマーク登録と広告下にある☆☆☆☆☆による応援をお願いします!





