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千利休

作者: コンビニ

初めまして。コンビニです。

「何か言ってんなぁコイツ」そんな感じで読んでもらっても大丈夫です。

深夜3時のコンビニ。

この時間のコンビニは不思議なもので地球上には自分しかいないんじゃないかと錯覚してしまうくらいに暇になる。

暇は人間にとっての最大の敵だ。


客が来た。

佐藤「いらっしゃいませ」

思ってもいない言葉を口にしてこれで嘘をつくのは何回目なんだろうと、どうでもいいことを考える。


その客は30分、雑誌コーナーで立ち読みをしていつもと同じメーカーのお茶を買って行く「利休」というあだ名の客だ。

彼はいつものように立ち読みを始める。


コンビニでこんな時間に立ち読みをしている大人は暇で仕方ない負け犬だ。しかし、こんな時間までレジで立っている僕もあまり大差ないのではないかと思う。


立ち読みが終わり利休が店内を歩き始めた。

佐藤「どうせお茶しか買わんだろ」

そんな願いも虚しく彼はいつものお茶とは違い、成人向け雑誌をレジに持ってきた。

佐藤「いらっしゃいませ」

ピッ。レジのスキャンの音が店内にこだまする。

お互いに気まずい時間が流れる。

佐藤「478円になります」


エロ利休が財布から小銭を出すのに手間をとっている

楽しい時間はあっという間なのに楽しくない時間は永遠に続くように感じる。アインシュタインが相対性理論を説明する時にこう説明してたような気がする。

佐藤「ありがとうございました」


また、暇が僕を襲いに来た。

過去の失敗、恥ずかしい思い、悲しい過去、悔しい経験、好きな気持ち、楽しい時間、虚しい自分、先の不安、孤独な夜。

暇は姿を変えて、なおかつ優しく僕を襲う。

気づいたら5時だ。

あと、1時間したら僕の勤務時間が終了する。

誰しもに平等な朝が来て学校、会社に行く人で駅は溢れかえる。

皆んなの一日の始まりが僕の一日の終わりだ。

今日は利休がエロ本を買っていった。

少し、今日という日はいつもと違う日になるのかもしれない。


そんなことだけで自分の中で小さな光が見えた気がした。


今日は何をしようかな。




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