表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
降霊  作者: 藤乃 夜舞
2/4

【筋書きはこうだ】

最初は俺のバァちゃんを降霊してもらう。

もちろんバァちゃんが向こう十年ぐらいはピンピンしてると思えるぐらい元気なことは語らずにだ。

他のお客と同様に「亡くなったバァちゃん」の情報を提供するが、もしもイタコの能力が本物ならば失敗するだろう。

そして口寄せが旨くいっても旨くいかなくても俺は婆さんの手をきつく握り締めて涙ながらに、こう言うのだ。

「本当に、ありがとうございました!」


そして、もう一人会いたい人がいると再び口寄せを依頼する。

会いたい人というのはプロデューサーより渡されたリストから俺が気分で選ぶのだが、このリストがまたなんとも悪趣味だ。


いずれも未解決事件の犯人ばかりが列挙されている。

つまり、この企画は未解決事件の犯人を降霊して霊界からの自白で事件を解決してしまおうって企画なのだ。

たとえ解決できなくても『口寄せなんて嘘っぱち!決定的証拠を撮った!』とブラウン管に踊るタイトルが目に浮かぶ。


しかし犯人が誰だか判らないから未解決事件なのではないのか?

確かにそうなのだが、こういった事件じゃ人相書きなどから例えば『キツネ目の男』などといった犯人を示す呼び名やあだ名があったりもする。

しかもリストは直近の事件でも百年は前の、つまり犯人はもう死んでいるであろう事件ばかりが並んでいる。

イタコは、犯人が生きているから降りてこないといった言い訳ができない。


まことに念入りなことだが、だからこそプロデューサー氏は今の地位を築き上げることが出来たのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ