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危ない橋は渡らない

悲しい職場に放り込まれた感じがいたします。この図書館は、ほんとに人が来ないようです。

ルーベンスさまとオジー様の二人しか来ません。


仕事中は人恋しさに面通りに面した扉を開ける事もしばしば。

遠くに聞こえる街の喧騒は、尚更侘しさを演出してくれます。


―静かです。そして、暇と寂しさ人を殺せると思います。



さて、私にも警備隊の制服が支給されました。


ルーベンスやルイスさんが着ていた制服と違って、丈がひざ下位まで在りますから、万が一ズボンやスカートが無くても困らない優れた制服です。


そんな話をルーベンス様にしたら「もっと、短くしたほうが良かった」と苦笑しておりました。


流石にズボンがナイ状態になる事はないと思うのでこのままで大丈夫です。


それとも、丈の短い状態でズボンがない方が異性受けはいいのでしょうか?


でも、その状態で街を歩けばChijoとなりますか、たまに見かけた娼館のお姉さん方ですら、そんな状態で人目に出ようとはしないでしょうし。


もともと、警備隊は私が入る前の状態でも十分機能していたんですから、私はイラナイ子なんだと思いますけど、する事がないのは立場的に非常に気まずい思いがします。


掃除を疎かにする訳ではないのですが、いよいよ呼び込みなどを試して見る時が来てしまったのでしょうか?


「それで今度は看板を作る事にしたのかい?」


「はい、街の中心あたりから図書館に来るまでの三カ所に設置しようかなと思いました」


少々小さめの三枚の立て看板に図書館と書いて設置しようかなと相談した所オジー様には渋いお顔で「いや、この辺りだと文字読めない人の方が多いから文字だけだとなんの看板なのか判らないと思うよ?」と言われました。


では、どうやってみんなお店を判断しているのかと聞いてみたら文字は駄目ですが、絵や特定のマークで判断しているらしいのです。


図書館って本のイメージしかないんですが、都会で本マークはは本屋さんが使用していましたから、勘違いさせて図書館の蔵書を買いに来られては元も子もありませんよね…。


もし、それで何らかの騒ぎが起ころうものなら私の責任になりますし、オジー様にも迷惑がかかってしまいます。


そもそも、私に絵心がないので本を書いたつもりでいたらオジー様に「…図書館に防具はおいてないよ?」と言われてしまいました。


オジー様には“本”ではなく“盾”に見えたのだそうです。


決まった図形や文字なら大丈夫なんですけど、どうしたものでしょうか。


オジー様が、「ルーベンス様の描いた絵画は皆から高い評価を得た事があるから頼ってみたらいいよ」と笑っておられましたが、皆とは貴族の方々ですよね?


流石に貴族の方々から見て高い評価を頂いたような方に、路地に配置するだけの雨晒し野晒しになる立て看板を依頼するわけには行かないです。


―こうなったら、自分でなんとか描くしかないです。


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