表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/68

マイネームイズ、あう。



 お姉さんのあとを、追いかける。 

 大股でさっそうと歩くんだよねえ。

 遅れないように私もついていく。

 歩いてるんだけど、なんかふしぎな感じがする。やんわり押し返されてる。空気のいっぱい詰まったマットの上を歩いてるみたい。

 お、発見♪

 体を動かさなくても、そっちへ行こう、と思えばいけるんだ。

 こりゃらくちん。

 寝そべっててもオーケー。

 小指と小指で糸がつながってるんだよね。

 お姉さんにひっぱられるまま、風船みたいに漂って、ついていく。

 それにしても。廊下、ながっ!

 灯がぽつん、ぽつんとともされてずうっと先まで続いてる。

 距離を目測するに、二百メートル。言い過ぎ?

 石畳に影が伸びている。でも、一つだけ。お姉さんの。

 私の影は地面に映ってない。

 この状況。

 どこをどうして、こうなったのか、考えてもわかんない。

 考えて問題が解けるなら、がんばるよ。がんばりますとも。

 でも、まあ、心当たりもないんだからさ。


 左の小指に巻かれた糸が、くいと引かれた。

「幽霊の娘」

 顔をあげると、お姉さんは目を細めて笑った。

「不可思議なことだ。どんな縁なのかな。そなた、名は?」

 名前。ですか?

 緊張しちゃうな。

 名乗るほどのものじゃないんですけどね。

 さ・・・・・・さぁ・・・・・・せ・・・・・・せぇ。

 私の名前は、さ・・・・・・あれ、なんだっけ?

 えっ。

 マイネームイズ、あう。




 思い出せないようどうしよう。

「そなたが誰であれ」

 お姉さんはちいさく笑った。

「わたしは救われたような気がする。なんとも、気が晴れる心地がするのだ、なぜかな?」

 あー、ごめんなさい話しかけないで!

 いま、思い出してるとこだから。頼みます!





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ