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此処はとある学園の部室。第三校舎の一階に位置する場所。広さは教室一つ分と大きめ。そこに三人の男女が居た。
「やぁ、よく来たね、歓迎しよう。おもてなしをしよう。此処は依頼されれば何でもとは言い過ぎだけど、有る程度の事をこなす部活。通称よろず部だよ。記念すべき第一回だよ。」
黒い髪の毛を肩にちょっとかかる位の長さ。顔は少年の様だけど、青年の様。その二つの狭間と言っても、少年の要素がやや多め。背丈は百六十五センチメートルとやや低め。名前は初萩 禊
格好は黒い学ランで、第一ボタンまで閉めた、見た目は優等生。両手は刺繍の無い真っ白い手袋。そんな少年が今手にしているものは、左手にステッキ。右手に民生用ビデオカメラ。それを自分と後ろを映る様に撮っている。
「ちょっと初萩氏、初萩氏。誰と喋ってるん?」
禊の後ろでパソコンをしている小太りの男に声を掛けられる。その小太りの男の名は内腹 錦茶色い髪の短髪に、メガネをしている。背丈は禊とあまり変わらなく、錦の方がやや大きい。格好はやはり禊と一緒で黒い学ラン。首が苦しいのか、第一ボタンは開けている。
「さっきまでの僕ならデブの言葉に反応をしてたけど、今は無視をするよ。めんどくさいから。」
禊は後ろを振り向く事なく進める。後ろでは「ちょっ、ひどくねっ!」と言っているが、それも無視。
「さて、まずは自己紹介だね。僕の名前は初萩 禊というイケメンでちょっぴり美少年。。歳は十六。能力は無し。そしてこの部活の創立者の一人にして最弱の主人公だよ。」
そして、と続け錦の方にビデオカメラと手を向け
「彼が僕の親の友と書いて親友の内腹 錦君だ。あだ名はデブ、もしくはブタ。罵られるのが大好物の大の変態。能力は秘密。この部活の創立者の一人。」
「ちょっ、それもマジひどいっしょ! でもそれもそそるよね!」
頬を染め、身体をクネクネさせる小太りの錦。そんな様子を無視するかの様にビデオカメラを逸らし、ソファーに座る女性にビデオカメラと手を向け
「ラストが僕の妻である園ヶ崎 倫莉ちゃんだ。あだ名はキリンちゃん、もしくはヶ崎ちゃん。ツンデレはキリンちゃんの為にあるものだと主張する、ツンデレ女王。能力は秘密。そして創立者の一人。」
園ヶ崎 倫莉と呼ばれた女性は長い紅色の髪の毛を、首の後ろで結び腰の辺りまで伸ばしている。凛々しい顔付きで、目はキリッとしている。背丈は女性としては高く、禊や錦に比べて高く百七十四センチメートル。
格好は黒いセーラー服を着ており、身だしなみはきちんとしており、スカートは靴の辺りまで伸ばしている。隣には全体が真っ黒な刀と真っ白な刀を置いており、右手にはティーカップに淹れた紅茶を飲んでおり、禊の言葉に動揺しつつカップを机に置き
「誰が妻よッ!? 私は誰の妻でも無いッ!! それにツンデレでも無いわよ。勝手に適当な紹介やめて欲しいわ。」
動揺しつつ怒鳴る倫莉。さっきまでクネクネと気持ち悪い事をしていた錦は倫莉に反発する。
「いやー、ヶ崎氏。どっからどう見てもツンデレ其の物と思われ。それに僕なんか始まって間もないのに変態扱いとか、酷過ぎでしょ。初見で株価はガタ落ちだよ。」
「あんたは変態だから良いのよ。」
倫莉から罵られて又もやクネクネしだす錦。端から見るともう救い様のない変態。
「ちょっとちょっと! 君たちぃ。二人で喋ってないで僕も混ぜてくれよ。主人公が空気なんてシャレになんないよ。」
輪に入れてない事に寂しくなり、自分を主張する禊。さて、この部室の事について触れようか。まずはこの部室の広さは四十人は入る教室の三分の二程度の広さで、他の部室に比べて広くやや縦に長い。
それもその筈、元は校長室だったのだ。家具についてもそのままで校長机と社長とかがよく使いそうなふかふかな椅子。後ろには窓ガラスがあり、ブラインドを着けている。その場所は殆ど禊が使っていて、ビデオカメラで撮っていた場所も此処だ。
部屋の中央には透明ガラスな机を縦にして、向き合う様に三人くらい座れる様なソファーを二つ置く。各ソファーの後ろには白く、デカくの食器棚が置いており、中には色々な食器が並んでいる。
そして部室を入って左手には冷蔵庫が置いており、それはもう料理人が使う様な大きさ。ちなみに、ドアは右にある。