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08回想『一学期」
一学期、GWの練習中に新田は怪我をし、松葉杖で学校に通っていた。
「ねえ、新田大丈夫かな?」
落ち込んでいる新田を見て、田村が呟いた。
「再起不能らしいから、とても大丈夫とはいえないよな」
「最近、ふさぎ込んでるね」
「まあ、足の手術は成功してらしいが、松葉杖なしで歩けるようになるまでは時間がかかるだろうね」
「ちょっと心配だね」
「まあそうなんだけども」
新田に蹴りをいれる。
「何しやがる!」
「うるせーでかい図体して凹んでんじゃね!うっとうしい」
「うるせーお前に俺の気持ちがわかるか?」
「わかんねーよ。しょうがねえだろ。落ち込んでも足は治んねえよ」
「うっ」
「休めばいいじゃん。まだ、チャンスは有るだろ」
「言い過ぎだよ」
田村が割ってはいる。
「いや、いいんだ田村。こいつの言い分も一理ある。俺も柄になく落ち込んでしまった」
「バカなんだから、悩んでもしょうがねえって」
「なんだとー!」
「もう、喧嘩すんな〜」
なんてことをぼんやり思い出した。